「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-」は2017年秋(10~12月)放送のオリジナルアニメ作品、全12回。
内、鷲尾須美の章は前半1~6話に相当し全6回。
結城友奈は勇者であるの前日譚にあたる作品。
神世紀298年。勇者としてお役目に就く小学6年で真面目な鷲尾須美、天然な乃木園子、元気たっぷりな三ノ輪銀の3人の活躍を描く。
ジャンル&キーワード
SF、ファンタジー、変身ヒロイン、バトル、日常、ハートフルボッコ
おすすめ度
★★★★☆(星4)
こんな人にお勧め
- 「結城友奈は勇者である」を視聴した人
- 熱い戦闘が好きな人
- ダークファンタジーが好きな人
- 大赦が許せない人
目次
総評
「結城友奈は勇者である」の前日譚なので、「結城友奈は勇者である」を視聴している事が前提となります。
見てなくても楽しめるか?と言われると世界観の説明とか一切ないので無理でしょう。
まず「結城友奈は勇者である」を見て下さい。
以降前作を見ている前提で記載します。
前作を見てれば分かりますが、この作品は約束されたBADエンドです。
東郷美森=鷲尾須美が記憶と両足の機能が無くなる事、乃木園子が満開を繰り返し体の機能を失うのは決定事項なので救いはありません。
どうしてそういう事になったかが描かれますが辛いです。
日常の描写がとてもコミカルです。
前作の日常よりもさらにコメディタッチに描かれていて面白いです。
暗い話になるのは決まっているので、その分日常が明るく描かれていると思います。
まあ、見てる方はギャップでまた落ち込みますがね。
注意:ここからは、ネタバレありです。
各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)
第一話:わしおすみ
神世紀298年。
勇者としてお役目に就く小学6年で真面目な鷲尾須美、天然な乃木園子、元気たっぷりな三ノ輪銀の3人はこちらと壁の外を繋ぐ大橋の樹海で初めてバーテックスと対峙する。
二人を導かなくてはと気負う須美だったが、3人バラバラの攻撃は歯が立たない状態が続く。
園子は作戦を思いつき、3人で園子の槍の盾に入り連携し攻撃、バーテックスを撃退する。
一人では勝てなかった事を痛感する須美は祝勝会として二人を誘う。
ショッピングセンターのフードコートでジュースやアイスを食べる3人は、友達としての絆を深める。
感想:
勇者の3人が初めての戦闘を経験し絆を深める第1話。
前作の「結城友奈は勇者である」に繋がる前日譚なので、不幸な結末は逃れようがないのが悲しい。
3人で行う祝勝会の挨拶に原稿を作っていく須美、真面目すぎてちょっとおかしい子だ。
のほほんと天然な園子、元気いっぱいでお転婆な感じの銀。
3人の個性がよく出ていた。
第二話:ともだち
半月後、2体目の敵と戦い勝利する3人。
担任の安芸先生からゴリ押し過ぎると注意され、連携が取れていないので園子を隊長とし合宿することが決まる。
隊長に相応しいのは自分だと思っていた須美は、乃木家の大きさから納得するも実際3人をまとめるのは自分だと考えていた。
海での合宿が始まり、連携の訓練や勉強に追われながらも合宿を楽しむ3人。
合宿が終わり遅刻が多い銀を不審に思う須美は、園子と銀の家に偵察に行き小さな弟をあやしている銀を見る。
その後、出かける銀の跡をつける須美と園子。
銀は老人の手を引いたり、人に道を教えたり、迷子の親を探したり、喧嘩を仲裁したりと、困っている人をほっておけない性格で遅刻していた事が判明する。
銀と合流しその行動を偉いと言う須美と園子。
その時バーテックスが襲来、3人は樹海へと転送される。
敵に制空権を取られ不利になる3人、上から攻撃を仕掛けてきた敵を受け止める銀。
焦り攻撃に迷う須美だったが園子の閃きにより状況を打開し敵を撃退する。
隊長に相応しいのは自分だと思い込んでいた須美は、園子の隊長としての素質と自分の未熟さに気付き、 次からは息を合わせて戦うと泣き、二人との絆をさらに深める。
感想:
合宿をしたり、困っている人をほっておけない銀の行動を目撃したり、自分より園子の方が隊長に向いていると判ったりして、須美と二人の距離がさらに縮まる第2話。
精霊が居ないから戦闘や訓練で生傷が絶えない描写が痛々しい。
銀の家に偵察に行く須美と園子。
「こんな事もあろうかと持ってきたの」と覗き用のスコープを使い始める須美。
いやいや、こんな事もあろうかとって普通持ってこないよね?それ。
完全にストーカー予備軍なんだよなぁ、須美って。
第三話:にちじょう
訓練を繰り返す3人に休みが与えられた。
休みの日、須美の家に車でくる園子。
銀の家に寄り3人で洋服を見に行く。
銀に女の子っぽい格好をさせ興奮しながら写真を撮りまくる須美。
最後には須美もドレスを着せられ、満更でもない須美だったが夕方非国民の服を着て喜んだ自分を水浴びで戒める。
時々サイトに小説を投稿してると言う園子。
それを聞いた須美は、歴史小説を通じて皆を護国寺道に染める事を考え小説を投稿するが、低評価の嵐になっていた。
ラブレターを貰う園子。
女子からの物だったがテンションが上がる銀と須美。
須美が家に帰ると手紙が届いており、恋文と期待して開けるも「人への注意が口うるさい」と須美へのクレームが書かれていた。
近く1年生とのオリエンテーションがあると言う安芸先生。
須美は将来を見越して愛国心の強い子供達を育成することも任務の一環と言い準備を始める。
1年生とのオリエンテーション当日、須美と園子は国防仮面となり国防体操を踊り、安芸先生からやりすぎだと怒られる。
休みの日を家族と過ごし須美と園子に合流する銀。
夕方、3人は別れ際に3人で過ごす休みは楽しかったと別れを惜しむ。
感想:
3人の休日や日常を描いたギャグ全開な第3話。
ショートギャグが連発される構成で、今までの話は何だったんだ?となる位趣向が違う回。
須美がオチ担当でめちゃくちゃ面白い。
何だろう、もうずっとこのままのノリでやった方が見てる方も含め皆幸せなんじゃないだろうか?
- 園子の車で音楽一つで乗れないと言い次には全力で腕を振っている
- 銀に女の子っぽい洋服を着せ鼻血を噴出し激写しまくる。
- 園子に負けじと小説を書くも評価が「文面が固く、読んでいて苦痛」とか「愛国って単語が453回も物語の中に出てるよ?洗脳を試みてるよこれ!」とかボロクソ。
- 園子が貰ったラブレター。銀の「もしやこれってはじめにラが付く・・・」に対し「羅漢像?」。なんだよ、それ!
- 自分にも恋文が来たと期待して開けるも「鷲尾さんは優等生ですが、注意するとき口うるさく感じます。気をつけて下さい。匿名希望より」
- ノリノリで国防仮面をやり、国防体操を踊る
第四話:たましい
遠足が近くなり旅のしおりを作り張り切る須美。
銀は家で弟の世話をしながら遠足の準備を進める。
遠足当日。
クラスのみんなとアスレチックやバーベキューを楽しむ3人は、展望台で街を眺めながらお互いの事を話し、これからも友達として宜しくと手を合わせる。
そして遠足を満喫し家に帰る途中バーテックスが襲来する。
2体同時に現れるバーテックス。
3人で連携しなんとか有利に戦闘を行うが、新に現れた1体の攻撃により、須美と園子は重傷を負い倒れてしまう。
二人を安全な所に運んだ銀は、「私に任せて、須美と園子は休んどいて。またね!」と告げ3体のバーテックスを止めに行く。
バーテックスの前に立塞がる銀は、敵の攻撃を体に受け負傷しながらも皆を守るため気合と根性と魂で戦い続ける。
目を覚まし敵の姿が無い中銀を探す須美と園子は、片腕を失くしボロボロのまま仁王立ちし動かなくなった銀を発見し号泣する。
感想:
銀が壮絶な戦死を遂げる第4話。
独りで敵に突っ込んでいく銀の姿が結城友奈は勇者である11話の夏凛と被り涙が止まらない。
近接タイプで二刀流の銀の戦闘データは夏凛に引き継がれてるんだなぁ。
3体のバーテックスの前に立塞がる銀
「またね!」の笑顔から敵に立塞がり、仲間をみんなを守り帰るんだという強い意志、「これこそが人間様の気合と根性と魂って奴よぉぉぉぉ!」と攻撃を受け負傷しながらの戦闘。
銀の勇者としての強さが凝縮された熱いけれども号泣必須のシーンにもう何も言えない。
最悪な満開システムが死なないだけマシなんじゃないかと思えてくる。
そしてEDの銀がとてもとても悲しい。
第五話:さよなら
銀の告別式が盛大に行われる。
銀がお役目で逝った事を誇りに思う親戚たち、その言葉を聞きうな垂れる両親。
銀の弟は神様が何で守ってくれなかったんだと泣く。
告別式の最中襲来するバーテックス。
悲しみの中我を忘れて無我夢中で戦い敵を撃退する須美と園子。
迎えに来た車の中で悲しい事があってもお役目に向き合う2人は勇者だと褒め礼を言う安芸先生。
園子は一番偉いのは銀であり3人勇者だと答え号泣する。
登校した園子はクラスの皆からお役目の事を聞かれ凄いと持ち上げられるが、そうなりたかった訳じゃないと顔を曇らす。
銀の事を想うならそっとしておいてと皆に話す須美。
訓練にイマイチ身が入らない須美と園子は休みを貰い祭りに遊びに行く。
変な子なので中々友達ができなかったという園子は、2人と友達になれて良かったと須美に礼を言い、須美は3人はずっと友達と答え園子の手を握る。
これ以上勇者の損失を出さない為の新しい勇者システムの内容を見た安芸先生は、人の心の強さには限界があると嘆く。
感想:
銀とお別れし悲しみを乗り越える須美と園子。
そして大赦が満開システムを実装する第5話。
せっかく銀との別れの悲しみを乗り越えたのに、その先にあるのが満開システムと云う絶望しかない2人。
BADエンド確定な話だから仕方ないけど救いが無さすぎる。
バーテックスは倒さなければならない、勇者は無尽蔵にはいない貴重な存在とすれば、死者を出す事なく勇者をずっと戦闘させられる満開システムは優れたシステムなんだろう。
糞だけど。
銀が居なくなったEDが切ない。
第六話:やくそく
須美と園子の端末に新装備が追加され精霊が現れる。
朝食を作る須美、両親は養子の須美を本当に良い子だと感激する。
クラスのみんなが興味本位で質問攻めした事を謝り、応援の弾幕をプレゼントしてもらう二人。
新装備の説明を安芸先生から聞いた両親は、まるで生贄だと嘆くも内密にする事に納得する。
バーテックスが襲来し、自分のリボンを須美に渡す園子。
二人は必ず一緒に帰ろうと約束し戦いに赴く。
3体のバーテックスに対し新装備満開を使いバーテックスを倒す二人。
須美は足が動かなくなり、園子は右目が見えなくなる。
体の異変に気付く二人だったが敵を倒す事を優先し、もう一度満開し敵と交戦するも大橋が破壊されてしまう。
敵を壁の外まで追い出す園子は、壁の外の世界を目撃、自分の心臓が動いてない事から満開システムの真実を理解する。
変身の解けた須美の元に行く園子だったが、須美は記憶を供物として持って行かれており園子に「誰ですか?」と問いかける。
壁の外から大量に押し寄せるバーテックス。
意を決した園子は須美の手にリボンを結びながら「私は乃木園子。あなたは鷲尾須美。あの子は三ノ輪銀。3人は友達だよ、ズッ友だよ。私は死なないから。後でまた会えるから、ちょっと行ってくるね」と笑顔を見せ満開し敵に突っ込んでいく。
病室で目を覚まし勇者のお役目を解かれた須美は、東郷家に戻り東郷美森として引越した先で結城友奈と出会う。
感想:
園子が世界の真実、満開システムの真実を知り、記憶を失った須美を守る為敵に突っ込み、須美は東郷美森に戻り友奈と出会う第6話。
園子がどうやって20回も満開したのか、須美がどうやって記憶を無くし友奈と出会うのかが語られる。
知ってはいたけど凄まじく救いが無く辛いBADエンド。
悲しい、悲しいなぁ。
最後の「私は結城友奈。よろしくね!」と言う友奈の笑顔に救われる。
戦闘力が跳ね上がる覚醒イベントの満開。
やっぱり真実を知ってるとかっこいいではなくて「やめろぉぉぉぉぉ」としか思えない。
園子は天才肌だったので勘も鋭く満開システムの真実を見抜く。
見抜いた上で須美を世界を守る事に切り替え笑顔での「ちょっと行ってくるね」からの満開する姿が切ない。
銀を亡くし、須美は記憶を失い、園子にとっては絶望だらけだろうに。
街に出て精霊が入って浮いているハロウィン用のカボチャを見る子供に「α波で浮かんでいます」と言う須美。
この頃から万能のα波使ってたのか(笑)。
EDに誰も居ないのが寂しく泣きたくなってくる。
最後に
「またね!」と言い散っていく銀。
「ちょっと行ってくるね」と笑顔で言い満開し敵に突っ込む園子。
辛すぎる・・・。
勇者の素質があるのは基本良い子だから、見ていて辛いんだよなぁ。
大赦が満開システムを導入した理由は理解できる。
死なれると戦力ダウンだし、正しい判断だと思う・・・けどね、もっと良い方法考えようよ。
まったく。
案の定のBADエンドだったけれども、最後の友奈登場でなんか心が救われた気がする。
友奈の何とかしてくれる感は異常だ。
「勇者の章」各話ストーリー紹介&感想:
「結城友奈は勇者である」各話ストーリー紹介&感想: