「氷菓」は2012年4-9月放送、米澤穂信の推理小説シリーズが原作の青春ミステリー作品。全22話。
省エネ主義の折木奉太郎と、好奇心旺盛な千反田えるを中心に古典部の活動を描きながら日常の謎を解明していく作品。
◆ジャンル&キーワード
青春、ミステリー、推理、恋愛、日常
◆お勧め度
★★★★★(星5)
◆こんな人にお勧め
- ミステリー好きな人
- 青春物が好きな人
- ほのかな恋愛が好きな人
- 千反田えるに恋したい人
目次
- 総評
- 各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)
- #1:伝統ある古典部の再生
- #2:名誉ある古典部の活動
- #3:事情ある古典部の末裔
- #4:栄光ある古典部の昔日
- #5:歴史ある古典部の真実
- #6:大罪を犯す
- #7:正体見たり
- #8:試写会に行こう!
- #9:古丘廃村殺人事件
- #10:万人の死角
- #11:愚者のエンドロール
- #12:限りなく積まれた例のあれ
- #13:夕べには骸に
- #14:ワイルド・ファイア
- #15:十文字事件
- #16:最後の標的
- #17:クドリャフカの順番
- #18:連峰は晴れているか
- #19:心あたりのある者は
- #20:あきましておめでとう
- #21:手作りチョコレート事件
- #22:遠まわりする雛
- おまけ#11.5:持つべきものは(OVA)
- 最後に
総評
推理ミステリーの分野になるのだろうけれども、何か大きな事件が起きる訳ではなく、日常の些細な謎を解き明かしていく青春ドラマ。
作風としてはしっとりと穏やかで落ち着いた雰囲気であり、ゆっくりと流れる時間を感じられる作品。
そして、どの話もちょっとビターエンド。
問題が解決「やったー」と花火が上がるようなエンターテインメントではない。
それがこの作品の良い所であり、全体の雰囲気に繋がっている。
目を見張るほど美しく素晴らしい作画とクラッシックを使ったBGM。
これが上記の作風と融合し作品全体を大きく盛り上げる。
1-5話の氷菓編、8-11話の愚者のエンドロール編、12-17話のクドリャフカの順番編があり、他を1話完結の作品で埋めている。
連続する話しの場合は推理物っぽく伏線が散りばめられ、様々なファクターが解決に向け集約していく気持ち良さを味わえる。
1話完結の話はちょっとした疑問を解明しながら、主人公達の日常を切り取ったような雰囲気を味わえる。
主人公の折木奉太郎は省エネ主義で「やらなくてもいい事はやらない。やらなければいけない事なら手短に」をモットーにしている。
自ら進んで謎を解明したりはしないが、結局千反田に振り回され、謎を解明する羽目になるのが小気味良く見ていて面白い。
作品のヒロイン千反田えるの魅力がもの凄い。良家のお嬢様で成績優秀、整った顔に綺麗な黒髪、おしとやかで穏やかな物言い。
それでいて好奇心旺盛で気になる事があると「私、気になります」と目を輝かせる。
その際はパーソナルスペースがとても狭くなり、グイグイと近づいてくる。
無自覚でこれをやるので小悪魔そのものであり、健康な男子ならこの攻撃からまず逃げられないだろう。
放送当時視聴者から「えるたそ」と呼ばれていた。
メインでは描かれないが奉太郎と千反田のほのかな恋も作品の見どころであり、見てるとニヤついてしまうシーンが結構多いのもポイント高い。
注意:ここからは、ネタバレありです。
各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)
#1:伝統ある古典部の再生
神山高校に入学した省エネ主義者の折木奉太郎は、神山高校古典部OGで海外を歴訪中の姉から、古典部存続のため入部を強要される。
奉太郎がカギを開け部室の中に入ると同じく一年生の千反田えるが先に入室していた。
自分が中にいたのに鍵がかかっていた事を不思議に思う千反田は、奉太郎に「私、気になります」と詰め寄り、後から部室に来た奉太郎の友達福部里志も巻き込み謎を解くことに。
下の階からの物音に気が付いた奉太郎は、用務員さんがマスターキーを持って、各部屋のカギをかけながら蛍光灯の交換をしていたと言い当てる。
ある日の放課後、宿題を忘れ教室で居残りをする奉太郎の元に里志が来て、千反田から聞いた音楽室の噂について話をする。
奉太郎は教室に来た千反田に女郎蜘蛛の会という秘密クラブの話を始め、昇降口の掲示板で勧誘メモを見つけ出す。
里志と帰宅する奉太郎。
千反田が興味を示すだろう音楽室まで行きたくない奉太郎は、里志と結託し女郎蜘蛛の会の話をでっち上げ、千反田の興味をそらしていたのだった。
感想:
省エネ主義の奉太郎、好奇心旺盛な千反田、二人の性格をよく表している第1話。
謎解きと言うほどの謎解きではないが、日常の中にあるちょっと気になる事が題材で、淡々とした話しの中に面白さある。
千反田がかわいい。
猛烈に綺麗な作画で「私、気になります」と言う瞳に吸い込まれる。
良家のお嬢様で成績優秀、おしとやかな語り口調なのに好奇心旺盛、でもちょっと天然っぽく、人との距離感が近いと言う破壊力抜群なキャラ設定。
こんな子近くにいたら絶対に惚れてしまいます。
音楽室は遠いから行きたくないと言う理由だけで、女郎蜘蛛の会の話をでっち上げる奉太郎。
どう考えても音楽室に行く方が省エネな気がするが・・・。
奉太郎が面倒くさがり屋ではなく、エネルギー効率を重視した性格というのがよく表れている。
#2:名誉ある古典部の活動
文化祭で文集を出すと言う千反田だったが、文集の内容がわからないので過去の文集を探し奉太郎と図書室へ向かう。
図書室にて奉太郎の中学の同級生で里志に惚れている図書委員会の伊原摩耶花と出会う。
そして、その場にいた里志から文化祭が「カンヤ祭」という俗称で呼ばれている事を聞く。
図書顧問の先生を待つ間、摩耶花から5週連続金曜日に異なる生徒が「神山高校五十年の歩み」という大判の本を借りてその日に返却するという珍事について聞かされ興味を持った千反田。
奉太郎は千反田のゴリ押しに負けその謎を解くことに。
本は読む為に借りられていないと考えた奉太郎。
本から匂う刺激臭に気付く千反田。
奉太郎はこの本が美術の授業で絵のモチーフに使われたと推理し正解する。
そして先生が戻ってきて古典部の過去の文集は書庫に無いと言われる。
日曜日の朝、奉太郎は千反田から折り入って話がしたいと言われ、喫茶店で待ち合わせをする。
感想:
古典部の過去の文集を探しながら「愛亡き愛読書」の謎を解く第2話。
そして摩耶花の登場回。
相変わらずグイグイ寄ってくる千反田に翻弄され、学校で起こるちょっとした謎を解明する奉太郎。
千反田が子供のようにくっついてきて押しが強い。
パーソナルスペースがとても狭い千反田、無自覚でこの距離感は小悪魔以外の何物でもない。
愛亡き愛読書と聞いただけで、目を輝かせ奉太郎の手を取る千反田。ほんと目の輝きが凄いな。
成績が良いと里志に言われる千反田
「幾ら成績が良くてもそれはパーツの集合体にすぎません。私はパーツではなく思考を生み出すシステムが知りたいんです」。
はい、ちょっと何言ってるか分かりませんね。
里志が好きな摩耶花。
その事を奉太郎も知ってるし、当人の里志も知っている。
さらに千反田にさらっと話をしてるし、その恋に秘密は無いのか?なんともあっけらかんとした恋模様だ。
奉太郎の妄想中のメイド姿千反田がかわいい。
ニコニコしながら奉太郎の手を取り、自分のお勧めの方に強引に手を持って行く。
まさにその通りな良い描写だ。
これはもう逃げられない。
#3:事情ある古典部の末裔
千反田は失踪した伯父・関谷純が45年前籍を置いていた古典部に関する話を子供の頃に聞いて泣き出した。
泣いた理由が思い出せないので協力して欲しいと言われ、しぶしぶ協力する事にした奉太郎。
文集は部室の金庫の中にあると姉から教えてもらった奉太郎。
奉太郎たちは姉が在籍していた頃の部室生物準備室に向かうも、教室の中にいた壁新聞部部長の遠垣内が挙動不審な態度を取り文集は無いと言いはり探させてもくれない。
焦る遠垣内に奉太郎は文集を見つけたら古典部部室に持ってきて欲しいと言いその場を去る。
時間を潰した後、部室に戻ると文集が置かれていた。
奉太郎は生物準備室前の赤外線センサー、教室内の扇風機、芳香剤の匂いから遠垣内が煙草を吸っており、その煙草は金庫の中に隠していたと推理した内容を摩耶花に話す。
44年前の文集「氷菓」2号を読む千反田。
そこには「関谷先輩が去ってから1年が経つ。先輩は英雄から伝説なった」と書かれていた。
創刊号に関谷の真相があると考えたが、そこに創刊号だけがなかった。
感想:
千反田が古典部に入った一身上の理由が明かされ、過去の文集を見つける第3話。
喫茶店での千反田。
完全に愛の告白をする流れだ・・・が、全く違った。
そりゃ、そうですよね。
しかしこの雰囲気は期待してしまう。
まあ、奉太郎にその気があるかどうかは知らないが。
子供の頃「すこんぶ」と「古典部」の語呂が近かったから伯父の古典部の話に興味を持ったと言う千反田。
な ん だ そ れ (笑)
幼稚園児千反田かわえぇぇぇぇ!
遠垣内の行動が挙動不審でバレバレすぎ。
「ここに無ければ学校中を探さなくてなならないんです」と遠垣内に言う千反田。
この言葉、省エネ主義の奉太郎に効果は絶大だ。
俄然やる気になってる奉太郎が分かりやすい。
遠垣内に「顧問の先生にも手伝ってもらって徹底的に捜索したいんですがいいですかね」とカマをかける奉太郎。
ビンゴと分かると文集を見つけたら古典部部室に持ってきて欲しいと・・・これ脅迫よね。
腹黒いが真実を千反田にバレ無いように事を済ますいい案だ。
#4:栄光ある古典部の昔日
里志と摩耶花にも伯父の話をして協力してもらう千反田。
各自45年前の出来事を調べ千反田家に集まり持論を展開する。
千反田は文化祭に現れた文化祭荒らしと争ったと言う説を、摩耶花は学生運動が盛んだった事から生徒達が教師に暴力行為を行った説を、里志は持参した資料から暴力行為は無かったと説く。
皆の資料と意見から、まとめに入る奉太郎。
事件の原因は文化祭。
文化祭の日程縮小を考えた学校側と生徒側で6月に話し合いが行われた。
生徒側代表は関谷。
学校側は生徒側の抵抗に遭い日程縮小を断念し10月に文化祭が開催。
その後、学校側は生徒側の主である関谷を退学させた。
奉太郎の説に納得する面々。
この説を軸に今年の文集を作って行く事に決める。
しかし、千反田は自分が泣いた理由に繋がらないと感じていた。
感想:
45年前に何があったのか古典部の皆で推理し一つの説を打ち出す第4話。
千反田家でけぇぇぇ!驚愕の大きさ。
さすが良家、家じゃなくてお屋敷だ。
あんなに広かったら掃除大変だろうなとか、庭の手入れが絶対やりたくないレベルだろうとか、冬は寒くて居られないだろうとか考える私は庶民なのだろう。
ちなみにモデルとなったのは静岡県掛川市の加茂花菖蒲園内にある加茂荘です。
千反田の握ったおにぎり食べてぇぇぇぇぇぇ!
しかし、あの海苔の巻き方はどうなの?
海苔って手で持っても米が手に付かない場所に巻くもんだと思うのだが・・・。
地域によって海苔の巻き方は違うものなのか?
相変わらず結論を言わない里志。
「データベースは結論を出せない」って言うけど、君、社会に出てから使い物にならないと思うんですけど・・・。
千反田の部屋を見た奉太郎。
女子高生にしてはめちゃくちゃ殺風景な部屋よね。
まあ、良家である千反田家のお嬢様ならこうなるか。
キャピキャピした物が沢山置いてあるのもイメージと合わないし。
#5:歴史ある古典部の真実
「カンヤ祭」が古典部では禁句であり45年前の事が悲劇だったと姉から聞く奉太郎は、自分の推論に足りないものを感じ再考する。
翌日、古典部のメンバーを部室に集める奉太郎。
奉太郎は文集氷菓2号の序文を書いた郡山養子が図書顧問の糸魚川養子先生だと気付き、古典部全員で直接話を聞きに行く。
ー45年前ー文化祭の日程短縮を言い渡された生徒達は、反対運動組織を立ち上げるがリーダーに立候補者がおらず、関谷が貧乏くじを引かされた。
実際の組織運営は別の人物が影で行っていた。
日程短縮が取り消された後も反対運動で熱に浮かされた生徒たちは、キャンプファイヤーで盛り上がり格技場を燃やしてしまう。
結果として名目上のリーダーだった関谷が見せしめとして退学となった。
カンヤ祭とは関谷祭であり、関谷が決めた古典部の文集「氷菓」は「アイスクリーム=I scream(私は叫ぶ)」だと言う奉太郎。
子供の頃伯父から「強くなれ、弱いままなら悲鳴を上げられなくなる日が来る」と言われ、生きたまま死ぬのが怖くて泣いた事を思い出した千反田はその場で涙する。
感想:
5話に渡る氷菓編が解決する第5話。
真実に辿り着き「氷菓=アイスクリーム=I scream(私は叫ぶ)」と言う関谷からのメッセージを受け取る素晴らしい展開。
ダジャレだけど、ダジャレなんだけどね。
相変わらず豪快な感じの奉太郎姉。
人の話聞かないし一方的だ(笑)。
しかもこうなる事を予想してた節もあり何者だ?って感じ。
1話で千反田が部室から見ていた古い格技場は伏線だったのか。
20年前の校舎建て替え時に、45年前に燃えて建て替えた格技場は新しかったので建て替えず、今では一番古い建物になったと。
なるほど、これは気付かない。
やっぱり幼稚園児千反田かわえぇぇぇぇぇぇ!
色々と省エネ志向だった奉太郎が、千反田と知り合った事でちょっとずつ変化してるのが青春物って感じでちょっとニヤニヤできるね。
#6:大罪を犯す
授業中、隣の教室(1ーA)で千反田が教師と口論しているのを聞く奉太郎。
放課後、部室では摩耶花が里志に怒りをぶつけて喧嘩していた。
これをきっかけに七つの大罪について語る古典部メンバー。
授業中に千反田が怒っていたのを思い出した奉太郎は、うっかりその話をし、千反田から何が起こって自分が怒ったのか理由が気になると言われてしまう。
千反田は数学教師がクラスで習っている範囲より先に授業を進め、質問に答えられない生徒を罵倒し、千反田が習っていない範囲だと指摘し場が収まったのだと言う。
里志のD組は千反田のクラスよりも授業が進んでいると聞いた奉太郎は、数学教師は教科書に各クラスの進行を書いており、A組とD組だから間違えたと言う。
A=a、D=dで数学では小文字を使う為、教師も教科書に小文字で書いており見間違えたと言う奉太郎に古典部の皆は納得する。
感想:
1話完結の話しの中で奉太郎が千反田の性格をちょっと深く知る第6話。
怒る事は悪い事ではないと言うが、いつだって怒りたくはないと考えているだろう千反田が、教師に怒ったのは自分のミスだと思いたいから理由を知りたがったと考える奉太郎。
しかし千反田の心の内を読み切れると思う事自体傲慢だと、七つの大罪の話に絡めて終わる。
謎解きは大した事ないが綺麗に終わってる短編と言う印象。
里志と摩耶花の喧嘩を止めようとする千反田。
奉太郎に助けを求める姿がかわいい。
鞄にいつも缶のクッキー入れてるのか?
そして奉太郎へのチビ千反田の「気になります」攻撃。
なにこれ!めっちゃかわいい。
一つ欲しいんですけど。
今回も千反田さん距離が近い近い近い。
キスする寸前の近さですよ、それ。
#7:正体見たり
夏休み、千反田の提案で摩耶花の親戚が経営する民宿に泊まる事になった古典部一行。
親戚の子供小6と小4の善名梨絵と嘉代と一緒に食事をとり、明日花火をする約束をする。
食事の後、温泉に入り湯あたりを起こして部屋で寝ていた奉太郎は、太鼓の音と民宿から出ていく影を見る。
奉太郎を除く3人に梨絵は本館7号室で首つり自殺した客の怪談話をする。
その夜、千反田と摩耶花は使われていない本館7号室に首吊りの影を見て、千反田と奉太郎が幽霊の謎を解明する事に。
昨日の夜の雨で濡れた地面、自分の持ち物に名前を書く梨絵、浴衣を買ってもらい喜ぶ梨絵、そして里志から夏祭りの話を聞き、千反田たちが見たのは干してあった浴衣だと言う奉太郎。
自分の物に名前を書きはっきり区別する梨絵に浴衣を貸してと言えなかった嘉代は、夏祭りに無断で浴衣を着て行ったが、雨に降られてしまい、使われていない本館7号室で浴衣を干し窓を全開に空けていた。
その話を聞いた千反田は姉妹なのに悲しいと言うが、草履を壊した嘉代をオンブする梨絵を見て喜ぶ。
感想:
1話完結の民宿での幽霊目撃事件の真相を探る第7話。
待望の温泉回!・・・ほぼ奉太郎の温泉シーンだけどね。
一人っ子である千反田の姉妹に対する理想が高い。
千反田「気の置けない相手がいつもそばにいるなんて素敵だと思いませんか?」。
うーん、そんなもんか?
一人っ子じゃないから千反田の意見はよくわからん。
奉太郎と温泉まで歩いてきて「ここ混浴じゃないようですね」と言う千反田。
うん?混浴でも平気なのか?
ちょっと残念そうな言い方なんだけど。
天然なのか何なのか?
小悪魔が過ぎると思うんですけど。
温泉に入る千反田を想像しながらのぼせ、お見舞いに来た浴衣姿の千反田を見て恥じらう奉太郎は、完全に千反田を意識してるよね?これ。
まあ、健康な高校生男子なら、浴衣姿の女の子とか興奮して当たり前だよなぁ。
奉太郎「昨日の温泉に行こう」、千反田「はい!」。
おいおいおい、なんて笑顔でいい返事なんだ。
謎が解けるのが嬉しいだけかもしれないけど、めっちゃ嬉しそうな「はい」だよなー、ここ。
温泉まで歩いてきて「一緒に出ましょうね」と言う千反田。
おいおいおい夫婦かよ!
昭和の夫婦かよ!
ラブコメの波動を感じる奴か。
#8:試写会に行こう!
夏休み。
氷菓の話を聞いた2年生の先輩から文化祭で出展する自主製作のミステリー映画の感想を聞かせて欲しいとチャットで頼まれた千反田は、古典部メンバーを連れて試写会に行く。
試写会会場で待っていた入須冬実は、見終わった後に一つ聞かせてもらいたい事があると言う。
映画の内容は、宿を探している男女6人が廃墟の2階建て屋敷に入り中を別々に探索、そこで仲間の一人が腕を切られ血まみれで倒れているのを発見すると言うもの。
しかし映像はそこで終わる。
入須は脚本を書いた本郷真由がここまで書いて倒れたと話し、犯人は誰だと思うか質問してきた。
本郷はミステリーを勉強し、犯人を特定するカギは既に提示されていると言うが、犯人を答えられない古典部メンバー。
入須は答えられないならそれでも構わないと言い試写会を終ろうとするが、千反田の好奇心から奉太郎は犯人捜しを手伝う事になる。
感想:
途中で終わっていて犯人がわからなくなっている自主映画の犯人を捜すことになる第8話。
チャットでいちいち誤変換する千反田がかわいい。
誤変換してアタフタと修正する所を想像するとニンマリできる。
女帝と呼ばれている入須先輩。
うん、女帝感たっぷりだ。
奉太郎とギアスの契約を結びそうな入須。
達観した感じで冷静沈着な物言い、最高のキャラだな。
自主映画の役者の棒読み具合が凄い。
本当に下手くそな人が演じてるみたいで上手い。
凄く雰囲気出てる。
次の日暑さで家から出たくない奉太郎。
しっかり迎えに来る千反田。
これは逃げられない。
そしてまたしても夫婦みたいだ。
全く色恋の話が出てこないのにニヤニヤできるのが氷菓の良い所。
#9:古丘廃村殺人事件
古典部メンバーは映画製作をしていて犯人を推理している3人に話を聞くことに。
助監督の中城順哉は、客は密室トリックの整合性は気にしない、ドラマチックに盛り上がればいいと言い、海藤が死ぬシーンは小道具班自慢の出来でアドリブだがドラマチックだったと言う。
犯人は窓を使ったと言う中城だが、奉太郎は目撃されるリスクが高すぎるので案を却下する。
小道具班の羽場智博は、本郷にザイルを用意しておくように言われたことから2階からザイルを使って1階の窓へ侵入したと推理する。
奉太郎は窓の建付けが悪く、被害者が窓が開くまで待っている訳がないと案を却下する。
そして話しの中で本郷が勉強の為に使ったホームズ小説の中から、タイトルが沢山書かれたメモを見つける。
広報班の沢木口美崎は、7人目の怪人が居て壁をすり抜け、その後連続殺人を行ったと言う。
奉太郎は本郷が用意していた血糊が微量だったことから、連続殺人は考えてなかったと判断し、この案を却下する。
その日の帰り道、奉太郎は入須と会う。
感想:
奉太郎が犯人を捜す為3人から推理を聞く第9話。
本当に話を聞いてるだけで終わった。
まあ、氷菓はいつもこんな感じだけど。
3人の話を聞きながらウイスキーボンボンを食べまくる千反田。
ちょっとテンションが上がりへらへらと笑い、最後は顔を真っ赤にしながら天井を見上げ「万華鏡の様です」と言い残し寝落ち。
寝顔がとってもキュートだ。
ひたすら人の推理を聞く回なので、千反田のこういった可愛い行動がとてもいいエッセンスになってる。
里志はシャーロキアンに憧れていると言う。
なるほどね、元々推理好きだから奉太郎の話に絡んでくるわけか。
なんか納得。
シャーロキアン (Sherlockian) とは、アーサー・コナン・ドイルが書いた『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公シャーロック・ホームズの熱狂的なファンを指す。 イギリスではホームジアン (Holmesian) 、アメリカ合衆国や日本ではシャーロキアンと呼ばれる。 シャーロッキアンと表記することも多い。
Wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/シャーロキアン
#10:万人の死角
御茶屋で話をする奉太郎と入須。
奉太郎は3人の案を却下した理由を話す。
3人に推理の技術が無い事は始めから知っており、誰かの案を採用すると企画は失敗していたと言う入須。
入須は千反田、学外の人間、遠垣内から奉太郎の話を聞き最初から奉太郎目当てだったと明かし「君は特別よ」と奉太郎を持ち上げ、探偵役を再度お願いする。
次の日、里志と摩耶花がカメラワークに文句を言う中、学校でビデオを見返す奉太郎。
一人になった奉太郎は部室に入須を呼び、誰も懐中電灯を持っていないのに光が当たるシーンがある事、役者がカメラをチラチラと見る事から、犯人は7人目のカメラマンであると話をし密室の謎を解く。
入須はその内容を受け入れ、映画の撮影が再開する。
完成した映画の試写会が行われ、意外性のある犯人に絶賛されるが、古典部メンバーからはイマイチな反応だった。
そして摩耶花は羽場が言っていたザイルがどこにも出てこなかったと指摘する。
感想:
奉太郎が入須に煽てられやる気になり犯人を見つけ映画が完成するも抜け落ちたファクターがある事に気が付く第10話。
入須の煽て方が凄い。
里志曰く「人使いが荒くて上手い」。
正にその通りだ。
女帝と言われるだけのことはある。
将来はいい経営者になるな、この人。
企画が失敗しない為には手段を選ばないスタイル、本当に高校生か?
そしてその気になって頑張る奉太郎。
奉太郎って千反田に逆らえず働いたり、入須に煽てられ働いたり、なんとなく姉に使われてるような感じもして、女難の相かなんかあるのか?
まあ、これだけいい女が周りにいれば苦労しても構わないが。
千反田二日酔い(笑)。
前回フラフラになりながら帰っていってたしね。
犯人はカメラマン・・・そうきたかー!
上手い叙述トリックであり良いストーリーだ。
密室は完全に破られていないが、沢木口の言葉を借り「別に良いでしょそれくらい」と言う奉太郎。
最後ガバガバじゃね?
「観客が悩んで楽しめればいい」まあ、そうよね。
エンターテインメントとはそういうものよね。
結局中城の言うドラマチックな展開にもなってるしね。
古典部メンバーの反応がイマイチ。
仲のいい人から反応が悪いとちょっと嫌よね。
#11:愚者のエンドロール
奉太郎と話す里志。
里志は奉太郎の答えを叙述トリックが存在しないホームズの作品を勉強して脚本を書いた本郷の案ではないと言う。
放課後一緒に帰る奉太郎と千反田。
千反田は映画の結末ではなく、本郷が友人にも結末を伝えず、志半ばで筆を折った理由が気になると言う。
奉太郎は本郷の人間性を無視し、映画の結末を導いたことに気付く。
御茶屋で入須と話をする奉太郎。
奉太郎は本郷が書いたホームズのタイトルが沢山書かれたメモと、指定していた血糊の量、そしてクラスのアンケート結果から本郷が死者の出る作品を書いていなかったと推測。
しかし、現場のアドリブで海藤が死んだ映像が完成、本郷は何も言えなくなってしまった。
入須は本郷を悪者にしないために本郷を病気に仕立て、探偵役という名目で新たな脚本の選定を行っていたと入須に言い、入須は違うとは言わなかった。
今までの自身への期待の言葉の真意を聞く奉太郎に対し、心からの言葉ではないと答える入須。
奉太郎は「それを聞いて安心しました」と言いその場を去る。
チャットをする入須に本郷は礼を言う。
奉太郎を入須に紹介した奉太郎の姉は、入須が本郷を傷つけずに脚本を却下したかったから今回の計画を思いついたと指摘。
入須は「自分はプロジェクトを失敗させる訳にはいかない立場でした」と答える。
感想:
奉太郎が入須の掌で踊らされていた事がわかる第11話。
4話続いた愚者のエンドロール編最終回。
女帝入須が凄すぎる。
脚本がつまらないと感じ、企画が失敗すると考えた入須が本郷を傷つけずに降板させる為に仕組んだ事だったのか。
そして新たな脚本家として犯人探しの探偵という名目で奉太郎に声をかけ面白い話に仕上げたと・・・。
プロジェクト達成の為には使えるものを使い手段を選ばない。
入須さん、ホントに高校生ですか?
奉太郎と話すときの入須の言い回しが冷徹で凄い。
真相を推理し話す奉太郎に「さっきから違うとは言っていない」。
そして「君には技術がある。誰でも自分を自覚する必要があると言った言葉も嘘ですか!」という奉太郎の問いに「心からの言葉ではない。それを嘘と呼ぶのは君の自由よ」。
うーん、この・・・。
女帝と呼ばれるだけの事はある。
8話冒頭でチャットしていた「あ・た・し♪」さんって奉太郎の姉だったのね。
そして姉は奉太郎でも気付かなかった入須の真実に気付いていたと・・・。
あんた何もんだ?
入須も怖いが姉も怖すぎる。
タロットの意味を見る奉太郎。
「力」は獰猛なライオンが優しい女性にコントロールされている絵に象徴される。
まさに君だ!
千反田の好奇心で今回の件に絡み、入須にコントロールされ、その裏には姉がいると・・・。
酷い話だ(笑)。
最後に死者が出ない本郷の脚本について語る奉太郎。
奉太郎は千反田がムキになって全員の案を否定していた理由を聞くと「私も人の亡くなるお話しは嫌いなんです」と微笑む。
このシーンは結構雰囲気の暗かった愚者のエンドロール編に最後光が射した様な感じがする。
#12:限りなく積まれた例のあれ
3日間の文化祭が始まる。
家に帰ってきた姉から先が割れたペンを貰い学校に向かう奉太郎。
古典部は30部の予定の文集「氷菓」を手違いで200部作ってしまい、どうやったら売れるか考える。
千反田が売場拡張を総務委員長に交渉、里志はイベントに出て宣伝する事となり、摩耶花は掛け持ちの漫研へ行き、奉太郎は売場に残った。
書道部、百人一首部の誘惑に負けながら総務委員長の田名辺に会う千反田。
売場拡張をお願いするも却下され、他の部の売場に文集を置かせてもらうのは許可が要らないとアドバイスを貰う。
部室で店番をしている奉太郎は、窓の外でアカペラ部がジュースが無くなったと話しているのを聞く。
文集を買ってくれた客が姉から貰ったペンが欲しいと言い、奉太郎は代わりに被服研の優先権を貰う。
写真部の誘惑に負け時間を使ってしまう千反田は、中々次の行動に移せないでいた。
感想:
文化祭が始まり文集を200部売らないといけなくなった古典部が文化祭を楽しむ第12話。
これから何か起こるぞって感じのプロローグ的な回。
文化祭の誘惑に負け続ける千反田がかわいい。
書道部では「米作りは土作り」と書きちょっとドヤ顔。
百人一首部では一戦交え景品を貰う。
写真部ではメイド、キグルミ、チアガール、貴婦人とコスプレを満喫。
コスプレ千反田の破壊力は抜群だ!
そして千反田の交渉が下手すぎる。
「古典部の売場を増やしてください」終わり。
いやいや、それでOK出る訳なかろうよ。
千反田頭は良いけど、こういいう事はダメなのね。
奉太郎が千反田見て「あんまり乗り気じゃなさそうだなぁ」と思ったのは当ってたのね。
千反田は自分で交渉事は苦手だと分かっていたんだろう。
そういえば3話で壁新聞部部長の遠垣内と話してる時も交渉下手だったな。
漫研に行く摩耶花。
なんか漫研の先輩の発言が陰険なんですけど。
初音ミクにはDTMでお世話になっているので、ミクのコスプレして陰険な発言はしないでもらいたいものだ。
奉太郎が姉から貰った先が割れたペンは、物々交換されていき最重要アイテムになりそうよね。
やはり姉は裏ボスか何かなのか?
#13:夕べには骸に
里志はクイズ大会の決勝に進出し文集の宣伝に成功する。
部室に戻ってきた千反田は、号外を出している壁新聞部に古典部を取り上げてもらえるよう交渉しに行くも、何かネタが無いと載せられないと言われる。
その帰り友達で占い研究会の十文字かほに声をかけられる千反田。
かほは運命の輪のタロットカードが盗まれ、十文字の名前が書かれた犯行文カードと文化祭のしおり「カンヤ祭の歩き方」が置かれていたと言う。
一方里志は里志に対抗意識を持つ谷から囲碁部で碁石が盗まれたという話を聞く。
古典部に洋服が破れている園芸部員が訪れ、奉太郎は被服研の優先権についていた安全ピンを渡し、代わりに水鉄砲を貰う。
漫研では漫画レビューを掲載した文集の売行きが悪く、先輩の河内亜也子が企画自体に文句を言い始める。
漫画論に発展した言い争いの中、摩耶花は本当に面白い漫画として昨年の文化祭で販売された「夕べには骸に」を持ってくると河内に宣言する。
しかし、摩耶花が夜部屋を探しても「夕べには骸に」はなかった。
感想:
何やら物が盗まれる事件が起きているっぽいがまだ表面化していない第13話。
沢山の荷物を持って部室に戻ってくる千反田。
どれだけ寄り道してきたんだか。
誘惑とか自分の好奇心に素直すぎる。
今度は壁新聞部に交渉に行く千反田。
相変わらず直球投げるだけで交渉になっていない。
ポンコツか?
頭が良くて天然でポンコツって可愛いにも程があるだろ。
なにやら今回も漫研は不穏な空気流れまくりよね。
ギスギスしすぎてて見てて辛い。
そして摩耶花を挑発する河内。
なんでや?
ナコルルは大自然を愛する心優しい子だぞ!
でも「必見!乙女の戦い」って急遽ポスター作って貼ってるのが頼もしい。
てか、挑発してた河内は客寄せの為にわざと挑発したのかな?
うーん・・・違うか?
十文字の話を気にするも氷菓が大量に売れ残っているのを見て「気になる事があったのですが・・・いえ、やっぱり気になりません」と千反田。
奉太郎「大変宜しい」。
まあ、この状況で巻き込まれたくはないわな。
奉太郎の近くにある自分のコスプレ写真に気付く千反田。
お互い顔を赤らめてるのを見るとニヤニヤしちゃうよね。
いやー初々しくてかわいいわ。
#14:ワイルド・ファイア
文化祭2日目。
河内に「夕べには骸に」が手元になかった事を言い、ポスターを描く手伝いをする事になった摩耶花。
千反田は入須に文集の委託販売をお願いし、上手な物の頼み方を教えてもらう。
古典部に来た製菓研究会は水鉄砲と文集の代わりにビスケットと小麦粉を置いていく。
里志、千反田、摩耶花は料理バトル「ワイルドファイア」に参加。
里志、千反田の順で料理を作るも、千反田がほぼ食材を使い切ってしまう。
漫研から遅れてきた摩耶花は何も作れずに立ち尽くすが、奉太郎が小麦粉を渡し残り物でかき揚丼を作る。
その際にお玉が無くお料理研究会に文句を言う摩耶花。
千反田は占い研究会の事を思い出し、調理器具が置かれているトレーを持ち上げ十文字の犯行声明を発見する。
感想:
ついに十文字による連続窃盗事件が表沙汰になる第14話。
入須にもグイグイと近い距離でお願いをする千反田。
この近さたじろぐよな。
女帝も「はぁ!?」って変な声出してるし。
そして、上手な物の頼み方を教えてもらう千反田。
相手には自分から動いてもらうように仕向ける。
その為には相手に精神的満足感を与えなければならない。
相手に自分が期待されていると思わせる。
それができれば後は簡単に尽くしてくれる。
こちらの利益を小さく見せる事。
できれば人目につかない所で異性に頼め・・・。
うーん、さすが女帝。
奉太郎にやった事そのままだ。
千反田が実行したら変な事になりそうな気もしないではないが。
大丈夫だろうか?
ハロウィンの仮装した製菓研究会の二人がやけにかわいい。
千反田の料理すげー。
料理も完璧にこなすとか、千反田は非の打ち所がなく反則的なスペックの持ち主だ。
これで学園のアイドルとかマドンナになってないのが不思議だ。
3話に渡るわらしべ長者も小麦粉を使ったので終わりかな?
だとすると最重要アイテムには変換されなかったか・・・。
#15:十文字事件
犯行文の十文字が「じゅうもじ」であり、50音順で「あ~こ」が頭文字の部活から頭文字が同じものが盗まれている法則性を見破る奉太郎。
十文字の最後「こ」で始まる古典部が狙われるネタを持ち壁新聞部に古典部の宣伝交渉に行く千反田だったが、ネタを提供するだけで終わってしまう。
部室で摩耶花からABC殺人事件の内容を聞く奉太郎は、小麦粉をあげた代わりを要求し手鏡を貰う。
一方、壁新聞部も被害に遭った事を聞き、次は奇術部が狙われると考えた里志は現場を押さえようとするが既にキャンドルが盗まれていた。
漫研に戻った摩耶花は部長の湯浅から「夕べには骸に」の原作者の一人が転校してしまった河内の友達の安城春菜であり、作画は他の誰かだと教えられる。
里志に十文字は犯行日時を指定していないから張り込んでも無駄だと言う奉太郎。
千反田によって変わった奉太郎に触発され、里志は十文字を捕まえて見せると決意をする。
感想:
ついに奉太郎が十文字事件の謎解きに絡む第15話。
なるほど50音順に十文字「あ~こ」の部活から物を盗み最後が古典部か。
やっと話が繋がってきた。
そして何やら空回りしているデータベース里志の覚醒。
月に手を伸ばすのは中二病っぽいけどな。
園芸部から盗まれた物が水鉄砲ではなくAKって、13話の園芸部員は伏線だったのか。
壁新聞部と交渉する千反田。
相手に期待してるように見せる事、こちらの利益を小さく見せる事、人目につかない所で異性に頼む事という入須の教えを実践する。
遠垣内を連れ出し「この事は壁新聞部にしか相談できないんです。つまり期待してます。でも古典部の利益は小さいのです。どうですか?なんか頑張ろうって気になりませんか?」って、そ の ま ん ま 。
それ交渉ですか?
直球でなんの捻りもないんですけど。
ほんと下手くそ。
「いや、意味わかんないんだけど」と言う遠垣内。
そりゃそうだ。
わらしべプロトコル再開!
前回で終わりじゃなかった。
これはますます最重要アイテムに変換され日も近い。
ギスギス漫研。
こんな嫌味ばかり言う部活は嫌だなぁ。
雰囲気悪すぎてその場にいたくない。
なんか漫研のシーンになるだけで胃が痛むんですけど・・・。
入須に渡した文集は売れ行き好調と言う千反田。
それを聞いた奉太郎「まあ、あの入須のやる事だからな」。
ほんとこれ。
なんかすげー上手に売り捌いてるのが目に見えるようだ。
千反田の顔を見て「疲れてる」と見抜く奉太郎。
さすが旦那様だ。
小さな変化も良く見てるわ。
#16:最後の標的
文化祭3日目。
早朝から学校に来る里志だったが「く」から始まる部活ではなく軽音部から弦が盗まれ、自分の予想を上回る十文字の行動に落ち込む。
奉太郎の姉が古典部を訪れ、摩耶花の手鏡と安心院鐸玻名義の数人での合作漫画「夕べには骸に」を交換する。
漫画のあとがきを見る奉太郎は、次回作はクリスティの超有名作をベースに「クドリャフカの順番」というタイトルで出すという内容に引っ掛かりを憶える。
校内放送出演の交渉を終えた千反田は、部室に戻り「夕べには骸に」の絵が文化祭ポスターの絵に似ていると言い、絵の具を被るアクシデントで着替えの為漫研を出た摩耶花と共にポスターが貼られている場所に向かう。
そこで田名辺から生徒会長の陸山が絵を描いたと教えてもらう。
奉太郎は十文字の10の部活から10の品を盗み、現場にカードとカンヤ祭の歩き方を残し、「く」を飛ばした一連の手口と、今年出る筈だった漫画「クドリャフカの順番」の関係性について推理し、この事件には何か意味があると里志に話す。
感想:
十文字事件と摩耶花が好きな漫画「夕べには骸に」の関係性が表面化し、全ての事象が収束を見せつつある第16話。
十文字に出し抜かれ、前回の決意も虚しく早速挫折する里志。
里志活躍するのかと思ったけどそんな事なかった。
奉太郎の姉登場。壁新聞で十文字事件を知り、奉太郎に「夕べには骸に」を渡す。
わらしべプロトコルは最重要アイテムに変換されたようだ。
「これが暇つぶしになるかどうかはあんた次第ね」って全て知ってるんじゃないの?この人。
恐ろしい、ほんと恐ろしい姉だ。
全て裏で糸を引いてるのが姉の様な気さえしてくる。
そして壊れたボールペンを奉太郎に渡すだけで手鏡になって帰ってくると・・・。
一番得したのは姉じゃね?
奉太郎の漫画を取り上げようとする千反田、胸元が緩い。
本人に自覚は無いのだろうけれども、男には効果抜群なんだよ、これ。
なんて小悪魔だ。
摩耶花に絵の具の水をぶちまける先輩。
ぶちまけちゃったのは本当にアクシデントだけど、ちょっとやろうとしてたのがね、ギスギスよね。
これだけギスギス見せられるとちょっと萎える。
摩耶花が可哀想だ。
#17:クドリャフカの順番
お昼の校内放送に出演した千反田は十文字を迎え撃つと宣言する。
古典部に人が集まり文集も順調に売れていく中、校了原稿を燃やされ「十文字は達成された」と書かれた犯行文を発見。十文字の勝利で終わる。
文化祭が終わり、入須は千反田に画策しない方がいいと再アドバイスし、千反田も「もうこりごりです」と納得する。
里志は奉太郎に勝てなかった胸の内を摩耶花に吐露する。
摩耶花は河内から友達の安城の才能が悔しかったと本心を聞く。
お昼の校内放送前、奉太郎は田名辺と会い十文字事件の犯人が田名辺だと言い当てる。
奉太郎は犯行文の「失われた」という言い回しと「く」の部活が抜かされた事、これこそが「く」で始まる「クドリャフカの順番」が「く」で始まる陸山(くがやま)によって失われたというメッセージであると言う。
「カンヤ祭の歩き方」の開かれたページに陸山を含むターゲットの部活名を固めていた事、これができるのは総務委員会のメンバーしかいない。
そして漫画のペンネーム安心院鐸玻(あじむたくは)は頭文字を組み合わせたものであり安城春菜、陸山宗芳ともう一人は「じ、た」の頭文字を持つ人で、陸山が絵を描くことを知っている田名辺治朗がそれに当ると言う。
奉太郎は真相を言わない代わりに、古典部で事件をでっち上げ、文集を話題にし高校の通販コーナーで売る計画を田名辺に話し協力を得る。
田名辺は才能がありながら「夕べには骸に」以来漫画を描こうとしない陸山に「クドリャフカの順番」の原作を読んだのかと伝えたかったと犯行動機を語り、陸山が安城渾身の原作を読んでさえいなかったと嘆く。
感想:
12話から続くクドリャフカの順番編完結の第17話。
十文字事件、摩耶花の「夕べには骸に」、わらしべプロトコル、何の関係性も無いような事が絡み合う感覚が心地よく、全てのファクターが田名辺に繋がる解決回。
こんな回りくどい事しないで直接話すればいいじゃねーか!って気もするけど、田名辺の「せっかくの文化祭だから悪戯を仕掛けたかった」って言うのも本心なんだろうな。
そして謎を解いて田名辺と取引を行う奉太郎。
奉太郎も策士だよな。
でもこういう裏取引をしてるから千反田には話ができないと言う・・・。
まあ、千反田はこの計画を聞いてもOKしないだろうし、策士とは真逆のような性格だからなぁ。
結局、入須から期待を操ろうとするとどうにも甘えてるように聞こえるから画策しない方がいいと言われる千反田。
入須のアドバイス通りにやってみても無理あるし、入須もはっきりとそれに気付いてるし。
なんだかんだ言って人の事ちゃんと見てるんだよな、この人。
文集も頼んだ分全部売っちゃうし、スゲー人だ。
河内に「夕べには骸に」を見せに行く摩耶花。
普段漫画も読まない友達が初めて書いた作品、しかも凄く面白い。
河内としては心境複雑だよな。
才能の違いをまざまざと見せつけられるのは結構キツイ。
田名辺も陸山に才能を見せつけられるし、里志も奉太郎に同じように見せつけられている。
摩耶花だって「夕べには骸に」と河内の描いた作品に全く追いつけない。
結局、話に絡んでいた人達は皆似たような思いなのだろう。
#18:連峰は晴れているか
ある日の放課後、奉太郎は中学の英語教師小木正清が授業中にヘリが遠ざかった行くのを見て「ヘリが好きなんだ」と笑ってごまかしたのを思い出す。
ところがその後に小木がヘリに興味を示した覚えがない。
そして里志は小木が3回雷に当たった事があると話していたと言う。
小木の行動が気になった奉太郎は、千反田と共に古い新聞を調べに図書館へ行く。
新聞記事で小木が登山家で神山山岳会団長だったとわかり、次に3年前の遭難について調べる。
3年前の5月9日神山山岳会員が2名遭難しており、数日後遺体で発見されていた。
3回も雷に当たったという話から小木は登山家であり、ヘリが好きだったのではなく救助のヘリが飛ぶのを心待ちにしていたと予想した奉太郎の嫌な考えは当たっていた。
自分の事には無頓着な奉太郎が、なぜ自分の疑問を調べたのか質問する千反田。
奉太郎は嫌な予想を確認したかったのと、真実を知らないで小木はヘリが好きだったと言ってるのは無神経だからと答える。
感想:
中学の英語教師小木正清の行動を思い出し、行動の真意を探る第18話。
久しぶりに特に事件が起きる訳ではないのんびりとした雰囲気のお話し。
でも、相変わらずビターエンドな感じがこの作品らしい。
「折木さんの好奇心をくすぐる者がこの世に存在するなんて、それって一体何なのか、私気になります」。
近い、近いです千反田さん。
ぐいぐっいと近いです。
「こいつも大概失礼だな」奉太郎の冷静なツッコミ(笑)。
千反田との自転車二人乗りと言うラブラブイベントをスルーする奉太郎。
なぜ?それをスルーするとか信じられん。
奉太郎君、君はそれでも男かい?
ミツバチとフンコロガシの本を見つけフンコロガシの方を手に取り可愛いと言う千反田。
センスわからん。
なぜそっちを選んだ?
その後の「うちの家はそんなに広くないですよ?」おいおいおい、どんな基準だよ。
お嬢様だから感覚がずれてるのか?そうなのか?
奉太郎「いつもはやらなくてもいい事はやらないからな」、
千反田「いえ、そういう事ではなくてですね」、
奉太郎(俺の不変のモットーがあっさりと退けられた)。
今回はこういう奉太郎の心のツッコミが色々と面白かった。
#19:心あたりのある者は
11月1日放課後、奉太郎と千反田は部室にいた。
千反田は奉太郎の推理力を称賛するも、人からの高い評価が嫌な奉太郎は何にでも理屈は付けられると言い、校内放送の呼び出しから何が起こったのか推論するゲームを行う。
「10月31日、駅前の巧文堂で買い物をした心当たりのある者は至急職員室柴崎の所まで来なさい」
放送が繰り返されなかった事、明日の朝まで待てずに放課後に放送した事から慌てていると推測。
生徒指導ではなく教頭からの呼び出しなので教員にも知らされていない内容であり生徒Xは犯罪に係わっている。
生徒Xは犯罪を悔いており書面で巧文堂に謝罪した。
柴崎が「昨日」と言わずに「10月31日」と言ったのはその書面を見て放送したから。
生徒Xは制服を着ており学校が特定されたのだろう。
生徒Xは先輩から貸した金を偽札で返され、偽札と知りながら巧文堂で買い物をした等、推論を固めていく。
推論が終わり満足して、なんでこのゲームを始めたのか忘れてしまった二人。
次の日、奉太郎は偽造通貨所持の事件を新聞で見る。
感想:
奉太郎と千反田が部室で推論ゲームを行い、本当に推論が当たっていたんじゃないかと思わせる第19話。
奉太郎と千反田の二人と部室だけで展開する話し。
推論がどんどんエスカレートしていって止まらない。
校内放送の呼び出しからここまで思考できる能力が凄い。
奉太郎の言う何にでも理屈は付けられると言うのは正にそうなのだろう。
そしてこの話を見て思う、お前ら仲良いなと。
推論を始める奉太郎の近くに行く千反田。
お互いの近さに赤面し距離を取る。
いっつもぐいぐい近いのにそこは意識するのかよ(笑)。
なんというラブコメ。
いかんニヤニヤしてしまう。
「折木さん、なんだかきな臭い感じがしませんか?」
「そうだな」
「ところで、きな臭いの『きな』って何でしょうね?」
「知らん」
「んんんん」
って千反田がかわえぇぇぇぇ。
なんだこのかわいい生き物。
偽造1万円を使って買い物をしたと言う推論を聞き興奮した千反田は
「それはあまりにもありえません。現実的ではありません。論理的ではありません。破綻しています。カタストロフです」。
近い近い近い、ほんっとに近い。
さっきのちょっと近づいて赤面してたのは何だったのかと言う近さ。
興奮すると距離感が凄く近いんだよな千反田。
冷静さを取り戻すと赤面してるし。
しかし、こんなに近づかれたら好きじゃなくてもドキドキしちゃうよなー。
#20:あきましておめでとう
千反田から誘われ元旦の夜初詣に行く奉太郎。
神社を運営する十文字家に千反田家の名代として年始の挨拶を行った後、巫女のバイトをしている摩耶花と会う。
千反田と奉太郎は振る舞いの甘酒と団子汁作りに追われる十文字かほに蔵から酒粕を取ってきて欲しいと頼まれる。
しかし、蔵と間違え納屋に入った2人は入口をかんぬきで塞がれ閉じ込められてしまう。
千反田が名代として来ている手前、納屋で男女2人きりの状況が氏子に見つかると色々まずいので大声で助けを呼べない二人は、隙間から千反田のハンカチを落とし、社務所で落し物を担当している摩耶花に気付いてもらう作戦を取る。
奉太郎の財布も落としてみるが助けが来ない。
そろそろ里志が来てる頃だと言う千反田に奉太郎は里志に分かる「袋のねずみ」を表す巾着を紐で結んだ物を落とす。
それは昼間見た戦国ドラマで使っていた物で里志も番組を見ていた。
暗号に気付いた里志が納屋に来て二人は脱出に成功する。
感想:
正月の寒い中納屋に閉じ込められてしまった奉太郎の脱出劇的な第20話。
男女二人で初詣・・・あれ?これってデートよね?
なんだろうニヤニヤが止まらない回だ。
着物姿の千反田・・・かわえぇぇぇぇぇぇ!
なんという破壊力。
うなじがたまらねぇ。
千反田と新年の挨拶をする十文字かほ。
君たち高校1年生よね?
名家に生まれた人達って高校生でもキチンとこういう挨拶できるのか?
名家に生まれた事ないから分からん。
なんだかスゲーな。
そしてちょっと堅苦しいな。
納屋に閉じ込められるも大声で助けを呼べない二人。
「私いい案を思いつきました、携帯電話を使えばいいんです」
「ではどうぞ」
「私携帯電話持っていないんです」
「俺もだよ」
「はっ、そうでした!どうしましょう」。
千反田さん、あなたアホの子なの?
夜目が利く千反田。
そういえば1話で聴覚、2話で嗅覚が鋭かったな。
「野生動物か!」っていう奉太郎のツッコミが酷い。
#21:手作りチョコレート事件
去年里志にチョコを受け取ってもらえなかった摩耶花は、最高の手作りチョコを作って渡すと意気込み、千反田も手伝うと言い二人で盛り上がる。
バレンタイン当日。
漫研が抜けられない摩耶花はチョコを古典部部室に置いておくことに。
放課後部室でチョコを見ていた千反田だったが、部室を離れた隙にチョコが盗まれてしまい、奉太郎、千反田、里志の3人はチョコを探す。
階段でポスターを貼っていた工作部部員や同じ階の天文部から話を聞くが情報は無く、摩耶花が部室に来て状況を知り落ち込んで帰宅してしまう。
責任を感じる千反田は強引な手を使ってでもチョコを探すと言うが、奉太郎がチョコを取り返し里志に渡すと約束し千反田を帰す。
夜になり帰宅する奉太郎と里志。
最初から里志が犯人であると気付いていた奉太郎は里志から事情を聞く。
色々な事に拘らない事を拘る事にした里志は、摩耶花と一緒にいたいが気楽さは無くしたくなく、答えが出せないでいると言う。
一方、帰宅する摩耶花を追い駆ける千反田。
摩耶花は犯人が里志とわかっていると告げ、去年のバレンタインの後、里志の答えが出るまで待つと約束した事を話す。
その夜、里志は摩耶花に電話をする。
感想:
里志と摩耶花のバレンタイン物語な第21話。
里志の気持ちは分からないでもないが、やっぱり分からない、そんな感じの話し。
里志が何を考えているのかは毎回イマイチ分からない。
正直、個人的に里志はどうでもいいと思っているので、分かろうとしていないせいもある。
まあ、今が楽しくて、摩耶花も好きだけど、縛られたくない的な感じなのかな。
回答を保留しておけばぬるま湯で一番楽しいからそうしてるような・・・。
って冷静に考えると結構酷い男だな、里志。
バレンタイン当日。
千反田家では本当に親しい人にはお中元など贈り物はしない事になっていると奉太郎に話す千反田。
「本当に親しい人」と言われてるから嬉しいような・・・でもチョコはあげませんって宣言されてるし。
なんかこの話をした後の二人が初々しくていいね。
天文部に行っていきなり「チョコ返して下さい」って言う千反田。
毎度毎度直球すぎる。
今回のは最初から犯人扱いだし大暴投だな。
責任を感じて暗く落ち込む千反田。
奉太郎が手を掴んだ時の泣き顔が凄くいい。
あ、いや、女の子が泣いてるのが好きって訳じゃないんですが、ここのシーンの千反田は今までにない表情でとても良かった。
そして犯人の目星がついている奉太郎のフォローも良かった。
奉太郎は千反田を守ろうとする気持ちが強いよな。
#22:遠まわりする雛
春休み。
千反田から生き雛祭りで傘持ちの代役を頼まれた奉太郎は、狂い咲きの桜を通り工事中の長久橋を渡り開催場所の水梨神社に到着する。
慌しく準備が進む中、何かの手違いで長久橋が工事によって使えないことが判明、遠回りし遠路橋を渡る案が提案されるが躊躇する面々。
準備中の千反田に呼び出された奉太郎はトラブルの内容を話し、千反田家が間に入る事で遠路橋を通る許可がおり祭りは無事に開催される。
奉太郎は遠路橋を渡り狂い咲きの桜の下を通る千反田の後ろ姿を見つめながら、自身の省エネ主義を脅かすほど千反田への気持ちが強くなる。
見物に来た里志と摩耶花。摩耶花はバレンタインのお礼を奉太郎にする。
夕方、長久橋が通れなくなった原因を探る千反田と奉太郎は、写真の勉強をしている谷本が狂い咲きの桜の下を通る生き雛を撮りたかったから長久橋工事を再開させたと推理する。
帰り道、地域の名家である千反田の娘としてこの地域への貢献を果たしたいと語る千反田は、地域を豊かにする商品価値の高い作物を作る為理系に進む事、奉太郎に自分の場所を紹介したかった事を語る。
奉太郎は千反田への協力を申し出ようとするが言えずじまいで、バレンタインの里志の気持ちを少し理解する。
感想:
奉太郎が千反田へ想いを強くする、桜がとても綺麗で印象的な第22話。
桜が舞う中での千反田がとても美しい。
最終回ならではの映像美に心震える。
そしてしっとりとした終わりが何とも言えずに良い余韻を醸し出している。
祭りの準備が進む中、落ち着かない奉太郎。
周りが慌しいのもあるけど、こういう時ってする事が無いと本当に居場所が無い感じがして落ち着かない。
長久橋が工事していた事を話す奉太郎。
「君の勘違いならいいんだがな」と奉太郎を睨む花井。
なんで情報提供者が悪者みたいになるんだよ!
居るんだよなーこういう人。
悪い情報を早く入れて確認取るのが定石なのに、厄介事を持ってきたみたいにする人。
ビジネスセンスが無くてイライラする。
奉太郎からトラブルの内容を聞き解決する千反田。
流石は権力者の娘。
やっぱり大事なのは権力なのか?そうなのか?
ビバ権力!
学校での千反田とは一味違う。
男雛は入須先輩なのか。
いやー似合ってる。
そしてまたさらりと奉太郎に質問して謎を解明しようとしてる。
怖い怖い。
生き雛祭り中の奉太郎。
完全に千反田に恋する男の子だ。
「千反田が見えない、気になる、気になる。もし今紅をさし目を伏せている千反田を正面から見られたら、それはどんなにか・・・」。
奉太郎がここまで千反田を気にするのも珍しい。
やっと目覚めたか。
最終回で奉太郎のテンションも上がってきた。
奉太郎にバレンタインの礼を言う摩耶花。
なんだ?結局付き合ったのか。
前回の最後に里志が摩耶花に電話してたし、まあ、そういう事なんだろう。
一応摩耶花の恋はかなったけど、里志がいまいち煮え切らないので今後どうなることやら。
帰り道。
千反田の地域愛が凄い。
これが名家に生まれると言う事か。
「見て下さい折木さん。ここが私の場所です。水と土しかありません。人も段々老い疲れてきています。私はここを最高に美しいとは思いません。可能性に満ちているとも思っていません。でも、折木さんに紹介したかったんです」。
これはもう実家を紹介する奴の次元の高い版だよな。
千反田の落ち着いた中に強い意志を感じるとても素晴らしい語りだ。
その後の奉太郎「ところで、お前が諦めた経営的戦略眼についてだが、俺が収めると言うのはどうだろう」。
うわーかっこいい!
痺れるぅぅぅ!
そして桜が舞う中での千反田の驚いた顔。
最高のシーンだ・・・・って言って無いのかよ!
妄想かよ!
なんだよ、ニヤニヤしちまったじゃねーか。
奉太郎ヘタレかよ!
まあ、ここでその言葉は中々言えないだろうけれども。
おまけ#11.5:持つべきものは(OVA)
夏休み。姉から市民プールの監視員のバイトを紹介された奉太郎。
プールでバイトをしていると、バイトを聞きつけた里志、千反田、摩耶花が遊びに来る。
昼休憩中に3人と一緒に食事をとる奉太郎。
入須にまんまと踊らされなんとなくテンションが低くやる気のない奉太郎に「特別な人」と言う千反田。
自分と関わった人は皆特別だと言う千反田は、誰か一人でも特別だと思ってくれる人がいればそれで良いのではないかと持論を語る。
休憩中の奉太郎に先ほど見た女性が耳にしていたイヤリングかピアスが無くなっていて、子供が踏んだりすると危ないので一緒に探して欲しいと言う千反田。
しぶしぶ協力する奉太郎は、女性の子供がソフトクリームを食べているのを見て、耳に付いていたのは子供を抱きかかえた時に付いたクリームであると見抜く。
奉太郎はこの一件で千反田に頼られ少し元気を取り戻す。
感想:
奉太郎がプールの監視をしながら白いピアスの謎を解くOVAの11.5話。
11話で入須にまんまとしてやられた奉太郎が自信を取り戻す回。
そして待望の水着回。
正直謎解きは大した事なく、どうでもいい。
とにかく白い水着がとても眩しくポニーテールにした千反田をひたすら見られる事に幸せを感じる特別編と言った感じ。
最後に
しっとりと穏やかで落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと流れる時間を感じられる作品で、推理物らしく伏線が回収される気持ち良さも味わえる。
日常+推理という独特な作品だったのではないかと思います。
そしてなんといっても千反田えるの魅力。
こんなに魅力的なキャラはそうそういないと思います。
良家のお嬢様で成績優秀、整った顔に綺麗な黒髪、おしとやかで穏やかな物言い。
そして好奇心旺盛で無自覚にパーソナルスペースが狭い。
ちょっと天然。
いやー、本当に最高のキャラでした。