「響け!ユーフォニアム」は2015年4-6月放送、小説原作の部活もの青春ドラマ作品。全13話。
高校1年生の黄前久美子を中心に、吹奏楽部メンバーとの交流を描きながら、本気で全国大会を目指す吹奏楽部の日々を描く熱血青春ドラマ。
◆ジャンル&キーワード
青春ドラマ、部活、熱血、友情、吹奏楽
◆お勧め度
★★★★★(星5)
◆こんな人にお勧め
- 熱い気持ちになりたい人
- 青春物が好きな人
- 感動で泣きたい人
目次
総評
どんどん盛り上がるストーリー、魅力的で豊富なキャラ、妥協のない凄い作画、印象的な音楽、どれも心に残る一級品で最高のエンターテインメント作品。
結構ギスギスした人間関係を描くことが多いが、凄く熱い熱い青春部活もので、吹奏楽に真正面から挑む姿に心打たれる。
そして、様々な障害を乗り越えた先にある最後のコンクールでの演奏。
言葉では表せない、見たものしか分からないであろう圧巻で最高の演奏。
この作品のすべてがこの演奏シーンに凝縮されていると言っても過言ではない。
吹奏楽の演奏を聞きながら、手に汗握り、胸が熱くなり涙がこみ上げてくる、こんな体験は初めてだ。
主人公の黄前久美子のキャラが素晴らしくいい。
本気にならない訳じゃないけど、どこか冷めている。
流されやすく巻き込まれ体質。
思った事をそのまま口にする失言王。
なんというか、作ったようなキャラではなくて、自然体な感じで等身大なキャラ。
「こんな子いないわー」ではなく「どこにでもいる」でもキャラが強烈に立ってる、そんな感じ。
脇を固める登場人物たちも魅力的なキャラが多い。
非常に多くの登場人物で構成される話だが、皆それぞれ違う個性があり、キャラが立ってない人物がいない。
とにかく作画が凄い。
人物、背景、楽器とどれを取っても見入ってしまう。
どう考えても映画でやるようなレベルで、TV放送でこのレベルの作画だったのは凄い。
BGMが非常に印象的。
ピアノと弦楽器を主体としたBGMだが、その旋律が感動的なシーンをこれでもかと盛り上げる。
注意:ここからは、ネタバレありです。
各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)
第一回:ようこそハイスクール
中学校の吹奏楽コンクール予選。
黄前久美子はダメ金を悔しがる高坂麗奈に「本気で全国行けると思ってたの?」とつい本音を言ってしまい、麗奈を怒らせてしまう。
北宇治高校に入学した久美子。
同じクラスの加藤葉月と川島緑輝に誘われ、吹奏楽部の見学に訪れた久美子は、入部に来た麗奈と再会。
吹奏楽部のレベルの低さと麗奈への後ろめたさから、久美子は吹奏楽部入部をためらうが、葉月と緑輝から一緒にやろうと誘われ入部する事にする。
感想:
人物紹介と久美子と麗奈の因縁みたいなものを描いた第1話。
楽器や風景の作画が凄くて、こういう所が流石京アニって感じ。
「本気で全国行けると思ってたの?」とか 「下手だなー」とか「一緒に帰る子いないの?」とか、なんて天然ナチュラルに毒を吐くんだ、久美子。いい性格だ。
明るいアホの子とか、コミュ壁の暗い子とか、そういう分かりやすい設定のキャラではなく、いたって普通であるが良い子ではないこの感じが素晴らしい。
新入生を歓迎する吹奏楽部のレベルの低い下手な演奏がレベル高くて上手い。
いや、これもう何言ってるか分からんな。
緑輝=サファイアってこれ読める奴いないだろ。
第二回:よろしくユーフォニアム
麗奈との和解を模索するもきっかけがつかめない久美子。
新入部員の楽器決めが始まった。
緑輝はコントラバス経験者としてコントラバスに決定。
葉月はトランペットを希望するも、副部長田中あすかの策略にはまりチューバに。
そして高校からはトロンボーンをやろうかと思っていた久美子だったが、幼馴染の先輩斎藤葵にユーフォニアム経験者だとバラされユーフォニアム担当に決まる。
ある日、吹奏楽部に顧問として教師滝昇が着任。
滝は今後1年間の方針として「全国を目指す」のか「楽で楽しい部活にする」のかの選択を生徒たちに迫り、多数決の結果「全国を目指す」こととなるが、麗奈との事が気になり久美子はどちらにも手を挙げられなかった。
そして久美子は「高校もユーフォだね」と麗奈とやっと言葉を交わす事ができた。
感想:
主人公達の楽器も決まり、顧問の先生登場、全国を目指す事となる第2話。
麗奈との仲直りシミュレーションが酷い。
そうはならんやろ、久美子さん。
「ユーフォって希望者が少ないからなんとなく続けて来ちゃったんだよね」という久美子。
久美子の性格がよく現れてる一言だと思う。
あまり一生懸命じゃないと言うか、そこまで信念持ってやってないと言うか、流されてそのままって感じ。
久美子をユーフォに誘うあすか。
「君、絶対ユーフォニアム似合う!一言でいうと地味、良い意味で」って良く見てるよな。
やってる楽器は顔に出るものなのか?
結局経験者だってバレてあすかに拉致されてるし(笑)
「全国を目指す」のか「楽で楽しい部活にする」のか決めろって言われて、「楽で楽しい部活にする」方は選べないよなー。
滝先生は優しく「君たちで選んで」と言ってるが絶対に「全国を目指す」方になるって分かってるでしょ、これ。
やり方が汚いぞ。
やっと麗奈と会話できた久美子。
これって久美子が思ってるほど麗奈は何とも思ってないんじゃなかろうか?
第三回:はじめてアンサンブル
合奏に向けてパート練習を開始する吹奏楽部。
そんな中、2年生が少ない事に違和感を覚える久美子たちは、先輩たちにその事を聞くも、場が気まずい空気になってしまう。
そして、久美子は真面目に練習していない他のパートの人達を見てしまう。
合奏を滝先生に聞かせる吹奏楽部。
しかし、滝先生からパートの練習ができておらず合奏するレベルに無いと言われ、来週の合奏でまともな演奏ができなければ毎年恒例の「サンライズフェスティバル(サンフェス)」には参加させないと言われる。
その日の帰り、久美子たちは秀一から「やる気のあった今の2年生達が、卒業した3年生と対立し大量に辞めて行き、なんとなくやる気のない2年生が残ってる」と聞かされる。
次の日、滝先生のやり方に納得がいかない一部の部員が反発し、練習自体が中止になる中、久美子たちは麗奈が独り奏でる「新世界より」を聞くのだった。
感想:
吹奏楽部内のゴタゴタが表面化する第3話。
放課後にお茶飲んでるどっかの軽音部と大違いな真面目で本気な部活だ。
吹奏楽特有な練習方法などを上手に説明しながら進む展開は、吹奏楽を知らない人でもすんなりと話に入れて見易い。
ひたすらガチャガチャをする緑輝。
くれる子いるって言ってるのに「ダメです!自らの手で巡り会わなければ意味がありません」って頑固者よね。
そして、廃課金者になるタイプよね。
今回もチューニングからして下手な演奏を上手く演じてるのが凄い。
「なんですか?これ」滝先生の名言きました。
優しく言ってるけどめっちゃ怒ってる。
淡々と優しく当たり前の事だけ口にする滝先生ってすっごく厳しいよね。
新世界よりを吹いた後で「うわあぁぁぁぁぁぁぁ」と叫ぶ麗奈。
全国目指してる彼女からすれば、現状は不満しかないんだろう。
なかなかに熱いタイプの子なんだな。
第四回:うたうよソルフェージュ
パートリーダー会議が開かれ、今後の方針が決定するも、部室に現れた滝先生は会議なんてやってる暇があるなら練習といい、部員たちに吹奏楽の基礎練習を徹底的に厳しく行う。
学校帰り、秀一が久美子に滝先生の指導力に疑問を呈していると、通りかかった麗奈が「滝先生は凄い人だから」と激高し去っていく。
次の日、麗奈に呼び出される久美子。
麗奈と二人の状況にうろたえる久美子だったが、昨日の暴言を謝る麗奈に、久美子は「新世界より」のトランペット演奏で勇気が出たと伝え、わだかまりが少し消えたと感じる。
そしてパート練習に戻った久美子は、いつもやる気のない中川夏紀先輩を練習に誘う。
自分たちのやり方を滝先生に全否定された部員たちの不満は団結へと変わり、各パートが練習に取り組む。
そして2回目の合奏。
滝先生は合格をだし、サンフェスの練習メニューを配布する。
感想:
滝先生の吹奏楽部立て直し、久美子と麗奈の関係改善、吹奏楽部が一つに団結する第4話。
滝先生の練習。
走り込みとか、楽器を持たないで基礎を徹底的に鍛えるとか。
吹奏楽って体育会系だったんだな。
どんなスポーツでも基礎が一番大事だからなー。
麗奈に呼び出されてキョドってる久美子がかわいい。
そして話し終わってからの「ご清聴ありがとうございました」と言って走り去る姿がまたかわいい。
たまに出てくるデフォルメ演出がとても効果的だ。
久美子大好きになってしまう。
2回目の合奏。
チューニングから全然違う。
すげー。
まあ、フィクションの世界なので1週間でこんなに変わるかどうかは置いといて、いい演奏だった。
「みなさん合奏をしていましたよ」BGMも相まって、胸が熱くなるぅ。
このBGMいいよなー。
からの「さて、残された日数は多くありません。ですが、皆さんが普段若さにかまけてドブに捨てている時間をかき集めれば、この程度の練習量は余裕でしょう」言い方(笑)。
これはむかつく。
そしてサンフェスで今年の北宇治は一味違うと思わせると言う滝先生
「出来ないと思いますか?私は出来ると思いますよ。なぜなら、私達は全国を目指しているのですから」
くっそー、しびれるー、かっこよすぎて鳥肌が立った。
第五回:ただいまフェスティバル
サンフェスへの出場が決まり、マーチングの練習を始める吹奏楽部。
「海兵隊」の合奏以降、「やっても無駄だ」から「頑張ればよくなる」という意識の変化が生まれていた。
学校帰り、久美子は麗奈と会うも話す事が無くなんとなく気まずい。
「海兵隊が出来たくらいでいきなり全国いけるとかありえないよなって」と、うっかり失言してしまい慌てる久美子だったが、麗奈は「黄前さんらしいね」と微笑み帰っていく。
サンフェス当日。
久美子は会場で立華高校に進学した中学の同級生佐々木梓と再会、麗奈が立華からの推薦を蹴り北宇治に入学した事を聞く。
久美子は梓から北宇治を選んだ理由を問われ、知人が少ない所で新しくスタートしたかったからと答え、自分は既にスタートしており後悔していない事に気付く。
自分たちの順番が近づき緊張する北宇治メンバーだったが、麗奈のルールを無視したトランペットの一吹きで緊張がほぐれる。
そして演奏を開始した北宇治は観客の注目を集める。
感想:
吹奏楽部の団結がさらに強くなり、久美子と麗奈の距離も急接近、そしてサンフェスでのかっこいい演奏が聴ける第5話。
身体測定で胸囲が去年と同じで落ち込む久美子。
葉月と緑輝のぺったんこな胸に励まされるも、あすか先輩に会い王者の風格を見せつけられ轟沈する。
胸囲の格差社会はしょうがないよね(笑)。
「行進は1歩62.5cm。左足から歩き出す。8歩でちょうど5m。常にこの歩幅で歩けるようにならないといけない」って、ちょっとの練習じゃ無理よね、これ。
謎ステップができない葉月。
確かに謎なステップだ(笑)。
そして久美子と葉月の元に来る中川先輩。
だいぶ先輩も砕けてきて微笑ましい。
電車内で大欠伸の久美子、からの隣の車両から見てる麗奈(笑)。
帰り道、久美子が滝先生をカッコいいと言った時の麗奈の顔。
すんげー顔するな。
「海兵隊が出来たくらいでいきなり全国いけるとかありえないよなって」さすが失言王久美子。
アタフタしてるのが可愛い。
そして、その後の麗奈の微笑の作画凄い。
ここのシーンは背景から何からずっと作画凄かったな。
麗奈がルール無視のトランペット一吹きやって、みんな落ち着き取り戻してたけど、実際やられたら凄くむかつきそうだよね、あれ。
北宇治の曲ライディーンかよ!
おっさん世代の心に響くナイスな選曲だ!
第六回:きらきらチューバ
夏のコンクールメンバーをオーディションで選ぶと言う滝先生。
初心者の葉月はオーディションに受かるのは無理と考えていたが、あすかからそんな事では今後経験者が入部してきたらずっとコンクールに出られないと檄を飛ばされ、重く大きいチューバを持って帰ってまで練習に打ち込む。
葉月は中学時代テニスに打ち込んだが最後の大会に勝てなかった事を悔やみ、チューバは自分で納得できるくらいうまくなりたいと久美子たちに話す。
練習のモチベーションを上げようと、葉月、久美子、緑輝の3人はチューバの良い所を先輩から聞きだそうとするも、ロクな答えが返ってこない。
そんな中、あすかは久美子がチューバ君の着ぐるみを着て葉月を応援する作戦を考えるが失敗。
合奏した時が楽しかったという後藤の言葉に、久美子と緑輝は葉月と3人でキラキラ星を演奏。
葉月は「凄く音楽だった」と喜んだ。
感想:
低音パートの葉月が音楽の楽しさに目覚める第6話。
妄想の中のルビー川島とプラチナダイアモンド川島(笑)そして葉月の「うまっ」って言うのがテンポ良くかわいくて面白い。
なんか久美子は、自然に麗奈とコミュニケーション取れるようになってきてるな。
チューバの良い所聞いてるのに
「大きくて重い、地味で目立たないとこ吹く割に息が苦しい、なぜかチューバのせいってよく怒られる」だの
「良い所がないことだ」だの
ロクな事いわねーな。
良い所が無い所が良い所だって、もうそれ哲学よね?
チューバ君の着ぐるみ着せられた久美子「私騙されてます?」。
はい、絶対騙されてます。
あすか先輩のオモチャです。
そして目を輝かせて抱き付いてくる緑輝。
緑輝チューバ君好きだもんね。
合奏をした葉月の「凄く音楽だった」って良い言葉だな。
ちょっとジーンときた。
第七回:なきむしサクソフォン
コンクールに向けて練習にも熱が入る吹奏楽部。
ある日、上手く吹けない葵は滝先生から「いつまにでに吹けるようになるのか?」と問われ、今のままでは志望校に行けないので部活を辞めると言い、部室を後にする。
引き止めに行った部長の小笠原晴香と久美子。
高校は受験に失敗したので大学は志望校に行きたい事、そして昨年の退部騒動を止められなかったのに全国を目指せないと言う葵。
幼馴染の葵が辞めた事により調子が上がらない久美子。
久美子たちは夏紀から去年真面目に練習を求める1年生を3年生が無視し続け大量退部となった事。
そして今の3年生は間を取り持とうと頑張った事。
あすか先輩だけは絶対中立だった事を聞く。
学校を休んだ晴香のお見舞いに来た中世古香織は、晴香を励まし勇気付けるのだった。
感想:
葵の退部騒動から去年起きた大量退部騒動のあらまし、他とは違うあすか先輩の人となり(というか闇かな?)が分かる、なかなかドロドロシリアスな第7話。
「あすかが断ったから・・・わたしが・・・」と言う晴香に
「晴香も断ればよかったんだよ」。
あすか先輩冷たい。
正論なんだけど、とても冷たい。
高校生とは思えないドライで人をバッサリ切りそうな感じだ。
いつも葉月が下りる駅で秀一が乗ってくるけど、同じ学校だよね?
違和感しかないんだが・・・。
学校の最寄駅が近くと遠くに2つあって、葉月は近くの駅から乗って遠くの駅まで、秀一は遠くの駅まで歩いてから乗ってるのかな?
それだと電車乗ってる葉月バカみたいだよな。
この構成がいまいち分からん。
いつの間にか電車で隣に座ってる麗奈(笑)。
気配消してるし怖すぎるんですけど。
第八回:おまつりトライアングル
秀一の事が好きだと言う葉月に、緑輝は「あがた祭り」に誘って告白することを提案。
ところが秀一から祭りに誘われてしまう久美子。
久美子は部室から出てきた子の手を掴み「この子と行く事にしてて」といい誘いを断る。
久美子のその手は麗奈を掴んでいた。
秀一を誘う事に成功した葉月は、お祭りの最中秀一に告白するが振られてしまう。
一方、久美子は麗奈と楽器を持って大吉山に登っていた。
前から久美子と遊んでみたかったと言う麗奈。
そして展望台に着き、「私、特別になりたいの。他の奴らと同じになりたくない。だから私はトランペットをやってる、特別になる為に」と語る麗奈に圧倒される久美子。
その後二人は展望台で合奏をする。
独りの葉月の元に現れる緑輝、葉月は緑輝の前で号泣し、緑輝はそっと葉月を抱きしめるのだった。
感想:
葉月の悲しい恋物語と、久美子と麗奈の新たな友情が結ばれる、独特な雰囲気のある第8話。特殊EDの効果もあって泣ける回。
緑輝は恋愛に首ツッコみたいタイプの子なのね。
クラスの中で大声で騒いじゃってるし。
チューバの先輩2人付き合ってたのかよ・・・確かに仲の良い描写多かったな。
秀一の「あがた祭り一緒にいかね?」に対し「は?なんで?」って答える久美子。
なんか秀一かわいそうだけど、久美子ならこんな答えよね。
そして久美子の三角関係の想像が酷い。
「この子と行く事にしてて」掴んだ手が麗奈(笑)。
「ねぇ?何時にどこ集合?」ってお前行く気満々なのかよ。
なんだか読めない子だな。
緑輝の妹キター!
琥珀かわえぇ。
あんな小さい子に「ちょーかわいい」とか言われたらテンション上がるわ。
秀一に振られてからの「チューバは影で支えるのが仕事なのだよ、塚本君」っていう明るい葉月が悲しい。
なんか泣けるわ。
そして、緑輝の前で号泣する葉月ちゃん。
EDの久美子と麗奈の合奏をバックに、音声が無い中でのシーンなのが余計に想像力を掻き立てて泣けちゃうよ。
久美子と麗奈の「足痛くないの?」
「痛い、でも痛いの嫌いじゃないし」
「なにそれ、なんかエロい」
「変態」
なんつー会話だ。
自然体と言うかなんと言うか。
「久美子って性格悪いでしょ」
「もしかしてそれ悪口?」
「違うこれは愛の告白」
「どう考えても違うでしょ」
今までの二人の会話と違う、距離の無いさらっとした会話の中でお互いのわだかまりが消えていくような感覚。
そして展望台の会話。
美しい映像と麗奈の語り。
そしてそこからEDに繋がっていく・・・素晴らしいシーンだ。
ちょっと麗奈が痛い子に見えなくもないけど、それを差し引いてもこの二人のシーンは凄い。
第九回:おねがいオーディション
葉月の失恋の責任を感じて調子を落とす緑輝。
そんな緑輝の行動はあすかを苛立たせる。
葉月は「背中を押されて良かった」と緑輝を慰め、久美子は「みんないつも通りがいいんだよ」と緑輝をなだめ、3人は元の調子を取り戻す。
今回が最後のコンクールとなる3年生の香織は、トランペットソロパートを吹きたいという強い思いを晴香に打ち明ける。
オーディション当日、朝練をする久美子は前までやる気のなかった夏紀が練習しているのを目撃、「みんな吹きたいんだ」と言う事を再認識し、先輩たちと競い合う事に不安を感じたが麗奈に励まされる。
オーディションが行われ、後日の結果発表。
ユーフォはあすかと久美子の2名で夏紀は落選。
トランペットのソロは3年生の香織が落選し麗奈に決まるも、部内に衝撃が走る。
感想:
運命のオーディション回。
見てるこっちが緊張して胃が痛くなる第9話。
緑輝の落ち込んでる理由を聞いて「どうでもいい。正直、超どうでもいい」とブチギレるあすか先輩怖い。
この人、演奏以外は本当にどうでもいいんだな。
緑輝を慰めたり葉月の健気さがかわいい。
一番泣きたいのは自分だろうに、一生懸命元気でいるこの感じ、この子には幸せになってもらいたい。
当初とは別人のようにユーフォに打ち込んでいき、久美子たちとも段々と打ち解けてきた夏紀先輩。
しかし落選・・・。
オーディションとはこういうものだと知ってはいるが、「以上2名」の言葉が残酷であり悲しい。
そして、落選した時に顔色を変えない夏紀と、驚きで夏紀を見る久美子。
悲しい、悲しいけど良いシーンだ。
トランペットのソロパート発表。最後の麗奈の「はい」が、その前の「はい」とは違いもの凄く決意のこもった「はい」で痺れる。
流れるBGM、部内のどよめきからの「はい」そしてEDへ。
この素晴らしい演出に鳥肌が立ち胸が熱くなる。
第十回:まっすぐトランペット
オーディションに受かった久美子は、夏紀が落選した事で、中学の時にコンクールメンバーに選ばれ、先輩から「あんたがいなければコンクールで吹けたのに」と言われた事を思い出していた。
放課後、夏紀は久美子を呼び出し、実力差は歴然で気にすることは無いと言い久美子の楽譜に応援メッセージを書くのだった。
滝先生と麗奈が以前から知り合いだったことを聞いた香織を慕う2年生の吉川優子は、部員全員の前で滝先生にその事実を問い、麗奈をひいきしたのではないかと詰め寄る。
その場は何とか収まるも、部内で滝先生への不満が爆発してしまう。
麗奈は久美子に滝先生を慕って北宇治に入学した事、そして滝先生が好きな事を告白し、ソロは譲らない、実力でねじ伏せると決意を新たにする。
吹奏楽部の雰囲気は悪くなる一方だったが、副顧問の松本美知恵から「音楽は嘘をつかない」と助言をもらった滝先生は、不満のある人は全員の前で再オーディションを行うと発表。
そして、香織はトランペットソロの再オーディションに手を挙げる。
感想:
久美子を思う夏紀、麗奈と香織のソロにかける熱い思い、優子の先輩を思うも行き過ぎた気持ち、なんとか部をまとめようとする晴香、それぞれの人の思いが交錯し、凄くドロドロしてるけど熱い展開が凄い第9話。
夏紀に誘われる久美子。
「っじゃ、下で待ってる」と笑顔の夏紀に「はいー・・・笑顔が怖ぃ」とまたしても本音がダダ漏れしてしまう久美子。
葉月から「もぉ、その癖なおしなよ」って注意されてるし(笑)。
久美子の失言王は直らんよ。
実力差は歴然で気にすることは無いと言い久美子の楽譜に応援メッセージを書く夏紀。
今回、夏紀の株がストップ高だ。
話が進めば進むほど夏紀のキャラが輝いてくる。
滝先生に詰め寄る優子に対し、
「何だっていうの?先生を侮辱するのはやめてください。なぜ私が選ばれたか分かるでしょ。香織先輩より私の方が上手いからです」
って麗奈つっよ。
そして恐ろしく正論。
からの「ケチつけるなら、私より上手くなってからにしてください」と煽りまくりのトドメの一発。
怖えぇ、敵に回したくない。
久美子と麗奈の会話。
「私さ、滝先生のこと好きなの。好きって言ってもLIKEじゃないよ、LOVEの方ね」
「LOVE?」
「言い直さないでよ、はず」
ってなんだろう、この二人の会話って凄く自然に流れるように面白い事言ってるよね。
低音パートのみんなから、あすか先輩がどう考えてるか聞いてくるように言われる久美子。
「なんか体よく押しつけられた気が・・・」
押しつけられてるよね、それ。
でもなんとなくみんなのいう事が理解できる。
久美子ってそういう性格だしね。
「正直、心の底からどうでもいいよ。誰がソロとか、そんなくだらないこと」と言うあすか先輩。
ほんとこの人の心の奥底はよくわからない。
中立と言えば中立なんだけど、本当に興味が無いんだろうな。
見てるものがみんなと違う、そんな感じ。
部をまとめようと頑張る晴香部長、葵ちゃんの件から一回り強くなった。
最後の香織先輩がすっと立ち上がり、手を挙げるシーン。
BGMも素晴らしいし、心が震える熱くていいシーンだ。
毎回引きがウマい。
第十一回:おかえりオーディション
コンクールに向け練習をこなす吹奏楽部。
秀一は上手くできない部分を滝先生に指摘される。
そして、再オーディションに向け練習する香織と麗奈。
優子は麗奈の方が実力的に勝っている事を感じていた。
帰り道、川辺で練習する秀一を見て、うまくなりたいと思う久美子。
再オーディション当日の朝、優子は麗奈を呼び出し香織にソロを譲って欲しいと頭を下げる。
去年、香織は部の中で一番うまかったが、練習もしていない3年生がソロだった事。
さらに香織は辞めていく1年生を引き止める為にコンクールメンバー辞退までしようとしていた事を麗奈に言うが、麗奈は自分には関係が無いとその場を去る。
再オーディション直前、香織の元を訪れる優子、そして晴香。
麗奈の元を訪れる久美子。
それぞれの思いを胸に再オーディションが始まる。
吹奏楽部全員が見守る中、用意されたステージで全力を出し切り演奏する香織。
しかし、麗奈の演奏はそれをはるかに上回っていた。
滝先生から「中世古さん、あなたがソロを吹きますか?」と問われた香織は「高坂さんが吹くべきだと思います」と答え、優子は泣き崩れ、ソロは麗奈に決まる。
感想:
ソロをかけた再オーディションが熱くて熱くて号泣してしまう感動の第11話。
相変わらず、あすか先輩の闇みたいなものが見え隠れする。
再オーディションの件、香織に付き合ってるけど、本当にどうでもいいんだろうな。
麗奈と優子の会話を見てしまう久美子。
久美子は家政婦は見た体質なんだよなー。
首ツッコむ気ないのに、いつも色んなものを見てしまい結局首ツッコむと言う。
二人の演奏の違いが凄い。
麗奈の演奏が始まった途端に「うまい!」って思える。
香織の演奏が下手な訳じゃなく、麗奈がウマいっていうのが素人が聴いても一発で分かる。
ここの演奏の演出は本当に凄いと思う。
香織先輩が本当に良い先輩なので見ていて辛い。
後輩たちに優しく、部の事を考えて行動し、去年は3年と1年の間に入り頑張ったり、麗奈にもキチンと接し、ほんと良くできた先輩なんだよな。
凄く頑張ってるのに運が無いと言うか、なんというか。
最後の「吹かないです・・・吹けないです。ソロは高坂さんが吹くべきだと思います」と言い、優しく微笑むのも香織先輩らしい。
麗奈に負けてとお願いしたり、香織先輩が勝てないって内心分かってるのに、香織先輩に勝ってほしい優子。
今回は部内を荒らした戦犯ではあるんだけど、香織先輩への想いが十分に伝わってきて憎めない。
最後の「先輩はトランペットが上手なんですね」「上手じゃなくて、好きなの」という回想からの号泣。
そして盛り上げるピアノのBGM。
見てるこっちも大号泣だよ。
この作品のBGMは卑怯なくらい盛り上げてくれる。
第十二回:わたしのユーフォニアム
再オーディションが終ったある日、滝先生はユーフォに新たなパートを追加する。
難なく吹いて見せるあすかに対し、久美子は中々上手く吹けずに個人練習を行う。
久美子は上手くなりたい気持ちが強くなっていた。
合奏練習中に追加パートを上手く吹けない久美子に滝先生は「本番までにできるようになりますか?」と問い「できます!」と答える久美子。
コンクールまであと10日、久美子は練習を続けるが、後日の練習で滝先生は追加パートはあすか一人で吹くように指示するのだった。
その日の帰り道「上手くなりたい」と叫びながら悔し泣きをする久美子。
中学時代の麗奈を思い出し、その時の麗奈の気持ちを理解する。
そして、自分はユーフォが好きだとはっきりと認識するのだった。
その日の夜、学校に忘れた携帯を取りに行った久美子は、まだ残っていた滝先生と会う。
滝先生との別れ際、追加パートは関西大会に向けて練習しておくように言われ、さらに「あなたの出来ますという言葉を、私は忘れていませんよ」と言われ、やる気を取り戻す。
感想:
上手くなりたい気持ちが強くなってきた久美子が挫折し、悔しがり、ユーフォが好きであると強く思う、久美子の成長物語に感動する第12話。
追加されたフレーズをちゃっちゃと吹けちゃうあすか先輩。
この人本当に上手い人なのね。
個人練習してる時の夏の日差しの感じや、水の描写が何気に凄い。
香織と優子に「オーディションの時、生意気言ってすみませんでした」と謝る麗奈。
「付き合せちゃってごめんなさい」と言う香織。
香織先輩はまだまだ思う所はあるんだろうけど大人な対応だ。
その隣で昭和のギャグシーンみたいな走り方で追いかけっこしてる優子と夏紀。
キミたちさー結局いいコンビじゃんか。
練習中に「ユーフォ、ここは田中さん一人でやってください」という滝先生の一言。
久美子の言い訳を聞くでもなく、そのまま次の練習に入る。
ほんとに一瞬でバッサリ切った。
物凄い戦力外通告でビックリした。
そして、上手くなりたいと号泣しながら街を走るシーンが凄い。
「悔しくて死にそう」ここで1話最初の麗奈の言葉につながる演出スゲー。
そして滝先生の「吹けなかった所、練習しておいてください。次の関西大会に向けて。あなたの出来ますという言葉を、私は忘れていませんよ」。
やばい、涙腺が・・・。
突然のこの言葉に本当に感動。
しかし、なんという飴と鞭。
麗奈と会ってからの二人に爆笑。
テンションMAXな久美子と、「今まで滝先生と二人きりだったから・・」と言う言葉に呆然とし、久美子を問い詰める麗奈が酷い(笑)。
最終回:さよならコンクール
京都府吹奏楽コンクール当日。
朝早くから集まり準備をする吹奏楽部部員たち。
会場へ向かう前、オーディション落選組が手作りのイニシャル入りお守りを配り激励する。
会場に到着、調律が終わり、滝先生が「では皆さん行きましょう、全国に」と言い、吹奏楽部メンバーは本番の舞台へ。
舞台袖でお互いを励まし合う部員たち。
久美子と修一もお互いを励まし合う。
これまでの練習の成果を見せるべく、演奏する北宇治吹奏楽部。
コンクールの結果、北宇治は金、そして関西大会出場校に選ばれる。
感想:
圧巻の演奏、そして感動で涙が止まらない最終回。
本当に熱い熱い最高の作品だった。
緊張気味の久美子に「緑輝めちゃくちゃ楽しみなんです。早く演奏したいです」って緑輝ちゃん鋼メンタルの持ち主だったのね。
調律の時にペットボトルの水が揺れる演出がニクイ。
「会場をあっと言わせる準備はできましたか?」
「では皆さん行きましょう、全国に」
滝先生のこういうセリフがいちいちかっこいい。
演奏前、「なんかちょっと寂しくない?あんなに楽しかった時間が終わっちゃうんだよ?ずっとこのまま夏が続けばいいのに」と言うあすか。
「何言ってるんですか。今日が最後じゃないですよ。私たちは全国に行くんですから」という久美子。
なんかあすか先輩相変わらずみんなと違うと言うか、何考えての発言なんだろ?
圧巻の演奏シーン。
本当に素晴らしい。
部員一人一人、全ての楽器、応援メッセージで埋め尽くされた楽譜、会場のライト、宙を舞う埃まで映し出された凄い演奏シーン。
そして、麗奈のソロシーンで香織が微笑んでるのが泣ける。
本当に鳥肌が立ちっぱなしだった。
結果発表。
麗奈の涙からの「金 北宇治高等学校」。
涙が止まらない。
本当に胸がいっぱいで涙が止まらない。
素晴らしい最終回だ。
最後に
熱く盛り上がるストーリー、魅力的なキャラ達、素晴らしい作画、印象的な音楽と本当に良くできた作品だと思います。
そして圧巻のコンクールでの演奏。
胸が熱くなり自然と涙がこぼれる・・・この作品と出会えたことを神様に感謝したくなります。