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「はたらく細胞」各話ストーリー紹介&感想:体の仕組みを学べるアニメ

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

「はたらく細胞」は2018年7月~9月に放送された漫画原作の作品、全13話+特別編1話。

人間の体内細胞を擬人化し、赤血球と白血球を中心に体内で起こる様々な怪我や病気をコミカルに描く作品。

 

 

◆ジャンル&キーワード

ギャグ/コメディ、医学、科学、擬人化、ファンタジー、バトル

 

◆お勧め度

★★★★☆(星4)

 

◆こんな人にお勧め

  • ギャグ物が好きな人
  • 体の仕組みを知りたい人
  • 医学について知りたい人
  • 血小板ちゃんを愛でたい人  

hataraku-saibou.com

 

目次 

 

 

 

総評

体内細胞の擬人化と言う目の付け所が面白い。

しかも擬人化で日常コメディやるのではなく、医学に基づいた内容を面白おかしく料理しており、単なるコメディではない所が凄い。

 

この作品を見るだけでも体内細胞の役割や、病気になった時の体の反応など本当に役に立つ医学的内容が満載である

 

医学的な専門用語が数多く出てくるが、毎回説明がされるので、なんだか分からないと言うような事にはならないとても親切な作りに好感が持てる。

 

細菌を殺す際の流血シーンが多いが、是非子供と一緒に見て体の事を勉強してもらいたい内容である。

 

方向音痴の赤血球、そんな赤血球をいつも助ける白血球(好中球)、小さくてかわいい血小板、軍隊なキラーT細胞、色んな顔を持つマクロファージ等々、登場人物はその細胞の役割に沿ったキャラ設定がされていて個性豊か。

血小板ちゃんが幼稚園児なのは、細胞の中で小さいからという理由。

一つ一つにしっかりと学術的意味がある所が感心する。

 

すり傷、インフルエンザ、食中毒、花粉症、熱中症に出血性ショックとこの体の外の人は一体どうなっているんだというくらい色々な症状に侵される。

大丈夫か?外の人という思いになるが、おかげで色んな話を楽しめる。

ありがとう、外の人!

 


注意:ここからは、ネタバレありです。 

 

 

 

各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)

第1話:肺炎球菌

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

酸素を運ぶ赤血球(AE3803)は血管内皮細胞が破壊され侵入してきた肺炎球菌に襲われるが、そこに現れた白血球(U-1146番)に助けられる。

受け取った二酸化炭素を肺に届ける赤血球は道に迷い、侵入してきた肺炎球菌と再び遭遇、白血球が助けに入るが莢膜(きょうまく)により動けなくなり肺炎球菌を取り逃がす。

 

白血球のレセプターが反応するも周りに肺炎球菌の気配はなく、白血球は道に迷っている赤血球を連れて肺に行く事にする。

一方、逃走中の肺炎球菌を抹殺する為、ヘルパーT細胞の指令によりキラーT細胞が現場に投入される。

 

肺に辿り着き毛細血管を通り肺胞に入る赤血球は、荷物の中に隠れていた肺炎球菌に襲われる。

遊走により壁を通り抜け助けに来る白血球。

莢膜により身を守る肺炎球菌に手を焼く白血球は、肺炎球菌を気道粘膜に誘導しくしゃみにより体外へ放出する事に成功する。

 

 

第1話語句説明

赤血球:ヘモグロビンを多く含むため赤い。血液循環によって酸素と二酸化炭素を運搬する。

 

白血球(好中球):外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物の排除が主な仕事。好中球は血液中の白血球の半数以上を占める。

 

赤血球の仕事:体内を駆けめぐり、酸素を体内の隅々の細胞に運び届けること、肺へ二酸化炭素を運ぶこと。

 

静脈弁:血液の逆流を防いで、静脈を流れる血液を心臓行きの一方通行にする。

 

マクロファージ:白血球の一種。細菌などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す。死んだ細胞や細菌などを片づける掃除屋さんでもある。

 

莢膜:一部の細菌が持つ細胞壁の外側にある層。白血球などの攻撃から、細菌本体を守る。

 

肺炎球菌菌血症:肺炎球菌が何かのきっかけで血液の中に入り込み、突然高熱が出る病気。細菌性髄膜炎という恐ろしい病気を引き起こすこともある。

 

レセプター:細菌などを察知するレーダー的なもの。

 

樹状細胞:体内に侵入してきた細胞や、ウイルス感染細胞などの断片を抗原として提示し、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。その名の通り周囲に突起を伸ばしている。

 

血小板:血管が損傷した時に集合して、その傷口をふさぐ。血液成分の一種。一般的な細胞に比べて小さい。

 

血餅:血液が固まってできる餅状の塊。止血や損傷部の回復に役に立つ。

 

ヘルパーT細胞:外敵侵入の知らせを受け、敵の情報をもとに、的確に攻撃できるように戦略を決める司令官。

 

リンパ管:キラーT細胞の登場口。

 

キラーT細胞(細胞傷害性T細胞):ヘルパーT細胞の命令で出勤する。移植細胞・ウイルス感染細胞・がん細胞などの異物を認識して破壊する殺し屋。

 

リンパ球:白血球の一種。血液中にある白血球の20~40%を占めている。免疫を担当する血液細胞。キターT細胞もリンパ球の一種。

 

溶血:赤血球が破壊される現象

 

肺:空気中から得た酸素を体内に取り込んだり、二酸化炭素を空気中に排出する役割を持つ器官。呼吸するところ。

 

毛細血管:動脈と静脈をつなぐ細~い血管。

 

肺胞:空気と毛細血管の間でガス交換を行う場所。両肺合せて約3億個ある。

 

遊走:組織内を自由に移動すること。

 

被包性細菌:莢膜を使って身を守る細菌。肺炎球菌もそう。

 

くしゃみ:鼻の奥に付着した埃やウイルスなどの異物を体外に排出しようとして起こる反射的な反応。その他にもアレルギー反応や、こよりで鼻腔をくすぐったり、コショウを吸い込んだり、太陽を見たりといった刺激を受けると発生する。

 

白血球の数:1μL(マイクロリットル)あたり約3500~9500個。

 

赤血球の数:1μLあたり成人男性で約430万~570万個。成人女性で約390万~520万個。

 

 

感想: 

体内に侵入した肺炎球菌を赤血球や白血球の働きを交えながら体外に放出する第1話。

肺炎球菌は肺炎だけでなく肺炎球菌菌血症を引き起こす中々怖い菌で、免疫力が落ちてる時は24時間程度で体を支配してしまう事もあるとか結構危険なのね。

 

レセプターを見た赤血球「もうちょっと良いデザインは無かったのだろうか?」

確かにデザインセンスはかなり酷い。

 

出てくる血小板ちゃん達が非常に可愛い。

小さいけど働いてるから挨拶が「お疲れ様です」って言うのが輪をかけて可愛い。

 

 

 

第2話:すり傷

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

皮膚に近い血管内を移動する赤血球。

すると大爆発が起こり街に大穴が空き血球たちが流れ出る事態「すり傷」が発生。

体内に黄色ブドウ球菌を筆頭とする様々な細菌が侵入、白血球との戦いが始まる。

 

化膿レンサ球菌と緑膿菌に追われるも静脈弁により逃げられない赤血球たち。

助けに現れた白血球たちは細菌を倒し、足早に穴が空いている現場へ向かう。

 

L-セレクチンを付け忘れた白血球4989番が穴に吸い込まれる中、黄色ブドウ球菌と戦う白血球。

足場の悪い中で劣勢に立たされる白血球だったが、そこに血小板が現れフィブリンを凝固因子で繋ぎ合わせ血栓を作り穴を塞ぐ。

穴が塞がれ仲間を呼べなくなった黄色ブドウ球菌は白血球に敗北する。

そして白血球と赤血球は穴を塞ぐ為の二次血栓となり身動きができなくなるのだった。

 

 

第2話語句説明

赤血球:1話参照

血小板:1話参照

白血球(好中球):1話参照

 

すり傷(擦過傷):すりむいてできた傷。表皮のレベルまでしか達していないものを指す。

 

黄色ブドウ球菌:皮膚や毛穴などに常在する細菌。毒性が高く、創傷部(傷口)などから体内に侵入した場合、表皮の感染症や食中毒、肺炎、髄膜炎、敗血症などを引き起こすことがある。 

 

血管収縮:傷ついた血管は、収縮することで血液の流出速度を下げようとする。

 

化膿レンサ球菌:咽頭、消化器、皮膚などに生息する、ごくありふれた常在菌の一種だが、多様な疾患の原因となることがある。

 

緑膿菌:自然環境中に存在する代表的な常在菌の一種。緑膿菌感染症の原因となる。

 

静脈弁:1話参照

 

Lーセレクチン:白血球と血管内皮細胞との接着に関与する糖タンパク質の一種。

 

GP1b:血管壁が損傷した際、フォン・ヴィレブランド因子を介して血小板がつながれ、血管内皮細胞下組織に粘着する。

 

凝固因子:血液を凝固させるのに必要な因子。

 

フィブリン:血液の凝固に関わるタンパク質。糊や餅のような性質を持つ。

 

血栓:フォン・ヴィレブランド因子という接着剤の役割を持つタンパク質により、活性化した血小板同士が凝集して、傷口をふさぐ。その後、血液中の凝固因子と呼ばれるタンパク質が働き、最終的にはフィブリンの網の膜が血小板血栓の全体を覆い固める。

 

 

感想: 

すり傷で細菌が体内に侵入し血小板が血栓を作り穴を塞ぐ第2話。

とにかく血小板ちゃん達が可愛くて可愛くてしょうがない回。

最初の荷物を持って階段を下りるシーンや、血栓を作る為に集合し注意事項を話している所とか、幼稚園児の遠足を見ているようで微笑ましく破壊力抜群の可愛さだ!

そしてその可愛さからの赤血球たちを連行し血栓を作る鬼畜な諸行(笑)。

 

 

 

第3話:インフルエンザ

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

偵察中のナイーブT細胞はインフルエンザウイルスに感染した細胞に襲われ白血球に助けられる。

感染を広げる前に全て倒そうとする白血球だがナイーブT細胞は怖がり動けない。

そこにマクロファージが現れ一掃、ヘルパーT細胞にB型インフルエンザウイルスが侵入したと報告する。

現場に来たキラーT細胞は戦えないナイーブT細胞を見つけ激怒する。

 

メモリーT細胞の助言を聞きインフルエンザウイルスを倒していく白血球たちだったが、ナイーブT細胞はその場から逃げてしまう。

泣き叫びながら樹状細胞の元へ行くナイーブT細胞は、樹状細胞から励まされ昔のキラーT細胞たちの写真を見せてもらい、自分同様弱虫だった事を知り活性化する。

 

インフルエンザウイルスの増殖スピードについて行けない白血球たちだったが、活性化したナイーブT細胞が増殖し登場、B細胞もやってきてウイルスと闘う。

発熱、悪寒、くしゃみ、咳、食欲減退、発汗といった各器官の連携やみんなの協力により1週間後インフルエンザウイルスは体内から姿を消す。

しかし新たな敵、A型インフルエンザがウイルスが現れるのであった。

 

 

第3話語句説明

白血球(好中球):1話参照

ナイーブT細胞:抗原を一度も認識したことがない未熟なT細胞。

遊走:1話参照

 

インフルエンザウイルス:感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルス。A型、B型、C型に大きく分類され、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を引き起こす。もともとヒトに感染しなかったものが、ヒトに感染するくらい変異したものは新型インフルエンザと呼ばれる。

 

マクロファージ:1話参照

キラーT細胞:1話参照

 

メモリーT細胞:キラーT細胞の一部。同じ敵が出現した時に再び攻撃をしかけるよう備えている。

 

樹状細胞:1話参照

 

T細胞の分化:抗原を認識したナイーブT細胞は活性化し、エフェクターT細胞となる。そこからヘルパーT細胞、キラーT細胞などに分化する。

 

樹状細胞の能力:ナイーブT細胞を活性化させることができる。

 

インフルエンザウイルスの増殖:インフルエンザウイルスは、体内では8時間後に約100個、1日で100万個に増殖すると言われている。

 

エフェクターT細胞:活性化したナイーブT細胞の姿。

 

B細胞(抗体産生細胞):細菌やウイルスなどの抗原に対し抗体という武器を作り戦うリンパ球の一種。

 

発熱:体温を上げて、体内に侵入した細菌類の増殖を抑える。また免疫系の活性化も促す。

 

悪寒:体内の熱が逃げないように体の表面の血管を収縮させ、手足の表面温度が下がり、寒気を感じるようになる。

 

くしゃみ、咳:1話参照

 

食欲減退:通常は消化活動に使われるエネルギーを病気治癒に費やす反応。

 

発汗:毒素を排出したり、体温を調節する。

 

A型インフルエンザウイルス:A型は内部での変異型が多く、世界的な大流行を起こしやすい。

 

 

感想: 

体内に侵入したインフルエンザウイルスの発見から撃退までをナイーブT細胞の成長物語と絡めた第3話。

インフルエンザウイルスが体内に侵入してから各細胞が何をやっているのか、各器官は何をやっているかがとても分かりやすく描かれている。

各細胞、各器官が連携し一丸となってウイルスを倒そうとする姿が素晴らしく、人体は良くできてるなぁと感心する。

最後のA型インフルエンザウイルスの強キャラ感が笑え、体力のない中再び戦いに巻き込まれる白血球やキラーT細胞が見てて不憫だ(笑)。

 

 

 

第4話:食中毒

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

胃に来た赤血球と白血球。

レセプターに反応があり現場に向かう白血球は、細菌と戦うも不利な状況にある好酸球を助ける。

その弱さに周りから陰口を叩かれる好酸球。

その時胃で大きな揺れが起こりマスト細胞がヒスタミンを放出、好塩基球と出会った白血球と好酸球は胃酸で殺し切れない程の菌が侵入してきたと知る。

 

腸炎ビブリオの侵入を探知したヘルパーT細胞は避難を発令する。

腸炎ビブリオと戦う白血球は、共に戦う好酸球を守りながらなんとか勝利する。

自身の貪食作用が弱い事に落ち込む好酸球。

 

戦いが終わったかに思えたが体内に寄生虫アニサキスが侵入しており大混乱に見舞われる胃。

細胞たちが逃げ惑う中、果敢に立ち向かう好酸球が真の能力を発揮しアニサキスを撃破、周囲から称賛される。

 

 

第4話語句説明

白血球(好中球):1話参照

赤血球:1話参照

 

胃:飲み込んだ食物を貯留し、胃壁から分泌される胃酸によって食物を殺菌する。また、消化酵素のペプシンにより、食物はどろどろの状態にされ、消化の第一段階が行われる。

 

レセプター:1話参照

 

好酸球:白血球の一種。全白血球の数%程度といわれている。アレルギーや寄生虫感染があるとき増殖する。弱いながらも他の白血球のように貧食能力がある。

 

マスト細胞(肥満細胞):過剰につくられたIgEの刺激に反応してヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を分泌する。肥満細胞といっても肥満とは関係ない。

 

ヒスタミン:異物や組織の損傷を認識したマスト細胞(肥満細胞)などから分泌される化学物質。

 

好塩基球:白血球の一種。全白血球の1%未満といわれている。好塩基球が特定の抗原に出会うとヒスタミンなどが放出され、アレルギー反応を引き起こすとされている。好中球と好酸球を問題部位に引き寄せる物質を作る。好塩基球にも免疫にかかわる機能があると考えられているが、まだ十分に解明されていない。

 

腸炎ビブリオ:主に海水中に生息する細菌であり、この菌に汚染された魚介類を食べることにより、激しい腹痛などを伴う感染型の腸炎ビブリオ食中毒を発症させることがある。

 

貪食作用:好中球などの食細胞が細菌や異物などを細胞内へ取り込み、分解すること。

 

アニサキス:海産動物に寄生する寄生生物。アニサキスが寄生した魚介類をヒトが生で食べると、まれに胃や腸壁に侵入し、激しい腹痛や嘔吐を伴う食中毒(アニサキス症)を発症させる。

 

吐き気・嘔吐:何らかの原因により、延髄にある嘔吐中枢が刺激されて起きる反応。胃の出口が閉ざされて反対に胃の入口が緩み胃に逆流運動が起こるとともに、横隔膜や腹筋が収縮して胃を圧迫し、胃の内容物が排出される仕組み。

 

好酸球の働き:寄生虫が体内に侵入した際、その殺傷を助けるなど、寄生虫感染に対する防御を行う。

 

 

感想: 

食中毒を通して、白血球のくせしてとっても弱い好酸球が実は寄生虫駆除係とわかる第4話。

真の強さを発揮する好酸球がかっこよく、周囲から称賛され恥ずかしがる姿がとても可愛い。

そして、まだ十分に解明されていないと言う事もあり好塩基球が怪しい、怪しすぎる。

結局、登場はするけど何もやってない。

日本語話してるのに通訳がいないと何言ってるか分からないレベルで意味不明な事を言う。

中二病のポエマーか?

 

 

 

第5話:スギ花粉アレルギー

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

スギ花粉が体内に侵入。

ヘルパーT細胞は眼球粘膜付近に警報を発令、スギ花粉に襲われた赤血球は白血球に助けられる。

スギ花粉は倒す事になっているが害はないという白血球に、スギ花粉を見た記憶細胞は代々伝わる言い伝えにより大災害が起こると言う。

 

スギ花粉大量侵入により混乱する体内。

ヘルパーT細胞から出動指示を受けたはB細胞はIgE抗体によりスギ花粉を撲滅。

IgEの異常な上昇を感知したマスト細胞は、マニュアル通りにヒスタミンを大量分泌。

街はヒスタミンの大洪水に見舞われ緊急用免疫システムが発動、くしゃみ、鼻づまり、涙が災害に追い打ちをかける。

 

B細胞とマスト細胞が言い争いをする中、皆が自分の仕事を全うした結果起きた事と言う白血球。

そんな白血球の元に赤血球が届けにきたステロイドは、辺りを手当たり次第に攻撃しアレルギー反応を鎮火させる。

 

 

第5話語句説明

ヘルパーT細胞:1話参照

 

スギ花粉:スギは花粉を風に乗せ、遠距離に飛散させる。ピークは2~3月。

 

スギ花粉のアレルゲン:アレルギーとは、免疫反応が特定の原因物質に対して過剰に起こること。

 

赤血球:1話参照

白血球(好中球):1話参照

 

食作用:食細胞と呼ばれる単球やマクロファージ、白血球(好中球)等が細菌や異物を細胞内に取り込み、分解すること。貪食ともいう。

 

記憶細胞:抗原の免疫を記憶しているリンパ球。同じ細菌やウイルスの再度の侵入に備えている。

 

B細胞:3話参照

 

IgE抗体:アレルゲンに対抗するべく、ヘルパーT細胞の命令により、B細胞が作り出す抗体。

 

マスト細胞:4話参照

ヒスタミン:4話参照

 

ヒスタミンの働き:ヒスタミンは、血管内皮細胞の間隔を広げ、白血球達の遊走性を高める働きがある。

 

緊急用免疫システム=ヒスタミンによるアレルギー反応:ヒスタミンが活性化されすぎると、発赤・かゆみ・浮腫・痛み・気管支収縮などのアレルギー反応を起こす。

 

くしゃみ:ヒスタミンが鼻の粘膜にある知覚神経を刺激する。この刺激がくしゃみ中枢に達すると、くしゃみが連発してしまう。

 

鼻づまり:ヒスタミンが鼻の粘膜にある血管に作用して、炎症などを引き起こす。その結果、鼻の粘膜が腫れてむくみ、鼻づまりが起こる。

 

:ヒスタミンが目の知覚神経などを刺激して、充血やかゆみなどの炎症を引き起こす。涙も必要以上に出る。

 

スギ花粉アレルギー:スギ花粉が抗原(アレルゲン)となって起きる「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ」などのアレルギー症状。

 

ステロイド:副腎皮質ホルモンとも呼ばれている。強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持つ薬剤。ヒスタミンによって起こった諸症状やアレルギー反応そのものを強力に抑える。

 

ステロイドの副作用:ステロイドの長期投与や大量投与により副作用が起こる場合もある。用法・用量を守ることが大切。

 

 

感想: 

スギ花粉が体内に侵入し、皆が自分の仕事を全うした結果大惨事が起こり、最後はステロイドの無差別攻撃で焼け野原となる第5話。

B細胞が悪いのか、マスト細胞が悪いのか、指示を出したヘルパーT細胞が悪いのか・・・

結局誰も悪くないのにどんどん事態が悪化していく様が面白く、ヒトの体が良くできているからこそ起こる花粉症発症のシステムがよくわかる。

最後のステロイドの火力が凄く、辺り構わず攻撃する様はある意味爽快なんだけど、ステロイドの強すぎる力も表していて上手い。

 

 

 

第6話:赤芽球と骨髄球

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

血球たちの故郷である赤色骨髄にきた赤血球は、赤芽球の脱核を見て昔を思い出す。

前駆細胞として生まれ造血幹細胞により赤芽球となった赤血球は、マクロファージ先生の元、血管の地図を覚えたり酸素を運ぶ練習などをしていた。

 

ある日、細菌から逃げる避難訓練をすると言うマクロファージ先生。

白血球が細菌役として協力し訓練が始まるも、逃げる赤芽球は本物の緑膿菌と出会ってしまう。

緑膿菌から逃げきれない赤芽球の元に骨髄球が現れ、緑膿菌に立ち向かうも全く歯が立たない。

そこに現れるマクロファージ先生と白血球により助かる二人。

そんな事を思い出していた赤血球は白血球が昔助けてくれた骨髄球かもと一瞬思う。

 

変異した細胞に襲われている細胞を助ける白血球。

キラーT細胞が変異細胞を調べると言うが、そこにNK細胞が現れただのウイルスではなく猛スピードで増殖するタイプのものだと言う。

変異細胞の仲間を探す為に助けられた細胞に道案内を頼むNK細胞。

白血球、キラーT、NKの3人で変異細胞がいると思われる細胞組織に行き、道案内した細胞と二人きりになったNK細胞は「正体を現しな」と言う。

 

 

第6話語句説明

赤血球:1話参照

 

赤色骨髄:血球たちの故郷

 

脱核:赤芽球が、核を放出して赤血球になること。

 

前駆細胞:幹細胞から特定の細胞に分化する前の細胞。

 

造血幹細胞:血液中の赤血球、白血球、血小板などの血液細胞を産生する細胞。

 

赤芽球:赤血球になる前の、分化途中段階の細胞。骨髄中に存在する。赤芽球は、成熟して脱核するまで骨髄中で過ごす。

 

マクロファージ:1話参照。骨髄内においてマクロファージを中心に赤芽球が集まり、赤芽球の分化、成熟に大きく関わる。

 

白血球(好中球):1話参照

 

緑膿菌:2話参照。栄養がなくても分裂増殖しまくる。いざ生体に入ると、血球や細胞組織を破壊しまくる。

 

骨髄球:白血球(好中球、好酸球、好塩基球)になる前の、分化途中段階の細胞。骨髄中に存在する。

 

キラーT細胞:1話参照

 

NK細胞(ナチュラルキラー細胞):全身をパトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などをみつけ次第攻撃する。

 

 

感想: 

赤血球の回想で骨髄中の仕組みを知り、なにやらとても強そうなNK細胞が登場、珍しく次回に続く第6話。

赤芽球がめちゃくちゃかわいく心癒される。

あの血管地図は絶対に覚えらない自信あるわ。

複雑怪奇すぎる。

避難訓練の白血球が本気なのが笑える。

子供が怯えてトラウマになるレベルだ。

本当に血管の中は危ないから指導としては正しいのだろうけれども。

そして緑膿菌に立ちはだかる骨髄球が弱いけどかっこいい。

骨髄球にお礼を言う赤芽球、なにやらとても良い話で終わる。

 

 

 

第7話:がん細胞

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

がん細胞と戦うNK細胞。白血球とキラーT細胞は細胞組織の中を調べ、もの凄い増殖をし(増殖)、周囲の壁が破壊され(浸潤)、引越し用にまとめられた荷物(転移)を見てここに居る細胞ががん細胞だと気付く。

そして吹っ飛ばされてきたNK細胞もろとも白血球とキラーT細胞もがん細胞にやられてしまう。

 

団地からの大量注文で栄養分を運ぶ赤血球は、マクロファージに会い様子がおかしいと事情を説明する。

がん細胞は生まれてすぐに「バグり野郎」と呼ばれ、仲間を次々と免疫細胞に殺されており強い復讐心を抱いていた。

 

転移しようとするがん細胞。

そこにマクロファージやB細胞が応援に駆け付け、笑いにより活性化したNK細胞ががん細胞を倒す。

「何のために生まれてきたんだ」と涙するがん細胞に「それでも俺はお前を殺さねばならない。それが俺の仕事なんだ」と言いとどめを刺す白血球は、再びがん細胞に会う事があっても必ず倒すと誓う。

 

 

第7話語句説明

がん細胞:細胞の遺伝子に異常が起きて、無軌道に増殖するようになった細胞。周囲の正常な細胞との境界を侵し、どんどん増殖していく。

 

白血球(好中球):1話参照

キラーT細胞:1話参照

 

増殖:がん細胞は細胞増殖の抑制がきかず、無制限に自己増殖する。

 

浸潤:がん細胞は周囲の正常な細胞との境界を侵す性質がある。

 

転移:がん細胞は血管やリンパ管の流れに乗って、体の様々な場所に移り、活動の場を広げてしまう。

 

血小板:1話参照

 

がん細胞のしくみ:がん細胞は炎症性サイトカインという物質を大量に放出する。そうすることで優先的に体内から栄養豊富な血液が引き寄せられ、結果的にがん細胞の増殖に関与している。この状態が続くと体の様々なバランスが狂ってくる。

 

がん細胞が1日にできる数:がん細胞は正常な細胞が細胞分裂する際のコピーミスによって、健康な人でも1日に数千個作られていると言われている。

 

マクロファージ:1話参照

B細胞:3話参照

ヘルパーT細胞:1話参照

 

NK細胞の活性化:「笑い」による刺激が間脳に伝わる事で、神経ペプチドという情報伝達物質が活発に生産される。これがNK細胞の表面に付着して、NK細胞を活性化させる。

 

 

感想: 

がん細胞と戦いピンチに陥るも皆の協力でがん細胞を殺すことに成功する第7話。

がん細胞の語りや、復讐心が物悲しく、勝利して「ばんざーい」なんだけど、心にちょっと引っ掛かりを覚えるそんな話。

確かにがん細胞からして見たら生まれてすぐに悪い事してないのに追われ殺され理不尽に感じるのだろうけれど、こればかりは生まれてきたことが悪なのでしょうがない。

相手を尊重しつつも、しっかりと仕事としてとどめを刺す白血球が良い男だ。 

 

 

 

 

第8話:血液循環

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

赤血球の新人研修を見た赤血球は自分も一人前になってみせると燃える。

頑張ろうと決意したのもつかの間、細菌に襲われる赤血球は溶血する寸前に白血球に救われる。

道に迷ってる赤血球を道案内しようとする白血球だったが、赤血球の並々ならぬ決意を見て見守る事にする。

 

下大静脈を通り心臓に向かう赤血球。

心臓に到着し、右心房から右心室を通り肺動脈から肺に到着。

二酸化炭素を捨て酸素を受け取り、肺静脈から左心房、左心室を通り大動脈から毛細血管へ行き、酸素を渡し二酸化炭素を受け取る赤血球。

白血球が影ながらフォローしつつなんとか一人で循環をこなす。

 

喜ぶ赤血球を見る白血球の元にキラーT細胞がやってくる。

赤血球ともっと理解し合って仲良くやっていけると言う白血球に、キラーTは顔面パンチを入れ「俺達は殺し屋だ」と説教する。

赤血球の話を聞く白血球。他の細胞と仲良く話す細胞を見てキラーT細胞は内心羨ましがる。

 

 

第8話語句説明

赤血球:1話参照

溶血:1話参照

白血球(好中球):1話参照

血小板:1話参照

 

ブドウ糖:グルコースとも呼ばれる。赤血球は糖が好き。赤血球は白血球と違って、ミトコンドリアを持たない細胞なので、グルコースのみがエネルギーとなる。

 

静脈弁:1話参照

 

下大静脈:ヒトの体の中で一番大きな静脈。下半身などからの血液を集め、心臓の右心房に送っている。

 

心臓:全体が筋肉でできた器官。静脈から戻ってきた血液を動脈に押し出すポンプの役目を担っている。その動きは1日におよそ10万回繰り返されている。

 

右心房:上下の大動脈から静脈血を受け、右心室へ送る。

 

三尖弁:心臓の右心房と右心室の間にある三枚の弁。心臓が収縮する時は、右心室へ血液を流し拡張の際は右心房への血液の逆流を防ぐ。

 

右心室:二酸化炭素を多く含んだ静脈血になっている。

 

肺動脈:静脈血を肺に送る動脈。

 

肺:二酸化炭素を捨て、酸素を受け取る器官。

 

肺静脈:酸素を多く含んだ血液が流れている。

 

大動脈:大動脈から、それぞれに分岐した動脈を通り、全身の毛細血管へと流れる。

 

毛細血管:細胞に酸素と養分を渡し、二酸化炭素などの不要物を受け取る。

 

キラーT細胞:1話参照

 

 

感想:

赤血球が一人で血液循環をこなす姿を描きながら、血液の流れと役割がよくわかる第8話。

心臓前の肺循環と体循環のビデオを見て「わからん」と言う赤血球たち。

「何度来ても良くわからない場所、心臓!」って大丈夫か?

確かに複雑で分かりにくいのかもしれないけど。

そして心臓の混雑具合がやべぇ。

有名神社の初詣のようだ。

最後のベンチに座り今までの出来事を白血球に話す赤血球がもの凄くかわいい。

めちゃくちゃ話す赤血球と、うんうんと頷く白血球、なんか初々しいカップルのようだ。

 

 

 

第9話:胸腺細胞

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

仕事部屋で一休みしていたヘルパーT細胞に、訓練中のキラーT細胞が窓ガラスを割って飛ばされてくる。

喧嘩を始めるキラーTとヘルパーT。

二人の関係が気になるキラーTの部下たちに二人の過去の写真を見せ、二人が同期であることを話す樹状細胞。

 

胸腺での若かった頃の二人、キラーTは弱く劣等生、ヘルパーTは強く秀才だった。

部屋で同室となった二人は早速いがみ合う。

厳しい訓練の日々が続き、余裕のヘルパーTに対し、キラーTは頑張って脱落せずにいた。

そしてヘルパーTは深夜に特訓をするキラーTを見る。

 

抜き打ちテストが行われ脱落者が相次ぐ中、合格したヘルパーTはキラーTに攻撃時のアドバイスをする。

そのアドバイスとヘルパーTの機転によりキラーTは合格。

お互いの想いを話す二人は分かり合い友情を深める。

 

若かりし頃の写真を見られた二人は樹状細胞から写真を奪い取ろうとする。

それを見ていた仕事中の制御性T細胞は「ほんと馬鹿みたいあの二人。あの頃から何も変わってない」とあきれる。

 

 

第9話語句説明

キラーT細胞:1話参照

ヘルパーT細胞:1話参照

 

制御性T細胞:T細胞の暴走を抑え、免疫異常を起こさないよう調整する。

 

樹状細胞:1話参照。T細胞の育成にも関わっている。

 

胸腺:T細胞のもとになる細胞(前駆細胞)を立派なT細胞に分化・成熟させるためのリンパ器官。

 

胸腺上皮細胞:胸腺を形成する上皮細胞。リンパ球を哺育し、T細胞の分化を助けている。

 

正の選択・負の選択:胸腺では有用なT細胞を選択して生存させる「正の選択」と、自己を攻撃する有害なT細胞を排除する「負の選択」が行われている。これにより、自分の身体と病原体などの異物を厳密に識別することのできるリンパ球が選別される。最終的にT細胞になれるのは、わずか数%といわれている。

 

 

感想:

キラーT細胞とヘルパーT細胞の友情を描きながら、T細胞の厳しい競争を知る第9話。

厳しい訓練と試験でどんどん脱落していくT細胞。

さすが敵に対する攻撃のかなめであるT細胞は厳しい。

これぐらい厳しくないと人体は外敵から身を守れないと言う事か。

最後に制御性T細胞があきれているが、男の友情は女には理解できないって事だな。

 

 

 

第10話:黄色ブドウ球菌

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

細菌に追われる赤血球は防護服にマスクという出で立ちの人物に助けられる。

白血球からあれは単球だと教わる赤血球は、鼻腔温泉を訪れ足湯に入る単球を発見。

赤血球はその怪しい行動に興味を持つ。

 

すり傷が発生し黄色ブドウ球菌に襲われる赤血球。

駆けつけた白血球と血小板が事態の収拾にあたるが、黄色ブドウ球菌が合体し巨大化、コアグラーゼを使い白血球を圧倒する。

 

そのピンチに現れる単球たち。

単球たちはここが血管の外だとわかり衣装チェンジを行いマクロファージとなる。

合体を解き逃げる黄色ブドウ球菌だったが、マクロファージの圧倒的な強さに為す術もなくやられる。

単球がマクロファージだった事に混乱する赤血球にマクロファージは「乙女には秘密の一つや二つはあるものよ」と言うのだった。

 

 

第10話語句説明

赤血球:1話参照

白血球(好中球):1話参照

 

単球:全白血球の約7パーセントを占める単核の遊走細胞。他の免疫細胞同様、生体防衛に関与する。

 

貧食:5話食作用参照

遊走:1話参照

 

鼻腔:呼吸器の入り口に位置する器官。デリケートな肺胞の壁が傷つかないよう、体に入ってくる空気をあたため、加湿して送り込む役割がある。

 

赤血球は糖が好き:8話ブドウ糖参照

黄色ブドウ球菌:2話参照

 

ブドウ球菌の名前の由来:いくつかの球菌が塊になって、その姿がブドウの房のように見えることから「ブドウ球菌」と呼ばれている。

 

フィブリン:2話参照

 

コアグラーゼ:フィブリンを析出させて血漿を凝固させる酵素。これを産出する菌はフィブリンの網をバリアにして白血球の攻撃(貪食)から免れる。

 

マクロファージと単球:単球は骨髄で作られ、血液中を流れているが、血管外に出るとマクロファージなる。

 

マクロファージ:1話参照

 

 

感想:

怪しい単球さんがマクロファージだった事に驚き、時に優しく、時に激しく、保育士であり、掃除屋であり、殺し屋でもある、いくつもの顔を持つマクロファージさんの第10話。

相変わらず強い、強いぞマクロファージさん。

にこにこと笑顔を絶やさず細菌を皆殺しにしていくその姿に狂気を感じるが痺れる程かっこいい。

そして怪しい単球さんとのギャップが凄く、「乙女には秘密の一つや二つはあるものよ」って秘密だらけじゃないかマクロファージさん。

 

 

 

第11話:熱中症

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

貯水槽から水が無くなり温暖化していく世界。

毛細血管を歩いて放熱しようとする赤血球たち。発汗が行われるが、汗が霧状にならず体温が下がらない。

再び毛細血管を歩く赤血球たちだったが、その時灯が消え(めまい)地面が傾き(立ちくらみ、失神)白血球は熱中症だと気付く。

セレウス菌が侵入してくるも、暑さでまともに動けなくなる白血球。

 

ナトリウムが発汗によりほとんど流出、浸透圧を利用して水分をくみ上げる事が出来なくなり、体温調整機能が役に立たず脱水症になりかけている世界を目の当たりにする白血球。

 

セレウス菌に攻撃され敗北する白血球だったが、空から輸液注射が降り注ぎ世界が回復、白血球はセレウス菌を倒す。

何が起こったのか分からない細胞達は、ひとまず首や脇の下の太い血管で涼むのだった。

 

 

第11話語句説明

赤血球:1話参照

 

放熱:皮膚の近くに血液を多く流し、熱を放散する体温調整機能の1つ。

 

白血球(好中球):1話参照

貪食:5話食作用参照

 

汗腺と汗:皮膚にある汗を分泌する腺。アポクリン腺とエクリン腺の2種類がある。汗をかくと、蒸発する際に熱を奪う(気化熱)。これが体温調節に重要な役割を担っている。

 

めまい:目がまわる、自分の周りがふわふわした感じがするなどの症状が現れる。平衡感覚器の障害や脳血管の障害で現れる症状。

 

立ちくらみ:頭から血の気が引いて一時的に目の前が真っ暗または真っ白になり、めまいを伴うような状態。意識は保たれている。

 

失神:脳への血液が一時的に低下または遮断された状態。数秒から数分の意識喪失を伴う。

 

熱中症:体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることによって起こる健康障害の総称。重症度によって1~3度に分類される。初期症状の1度熱中症ではめまい、立ちくらみ、唇のしびれ、失神などの症状が起こり、かつては熱失神、熱けいれんと呼ばれていた。暑さや高温で皮膚の血管が拡張し、血圧が低下することで、脳への血流が減少して引き起こされる。

 

セレウス菌:土、水中などの自然環境中に広く分布している土壌細菌の1つ。下痢型、嘔吐型の2種類の食中毒を引き起こすことがある。発育の段階で芽胞と呼ばれる熱に強い殻を作り、100℃30分の過熱にも耐えることができる。熱中症になると蔓延するというわけではない。

 

熱中症予防①帽子:直射日光や、頭部への過熱を防ごう。

 

熱中症予防②水分補給:脱水症予防のため、こまめに水分や塩分を補給しよう。

 

脱水症:体の中にある体液が失われて日常活動や生命維持活動に障害が生じた状態のこと。この状態になると、栄養素や酸素の吸収、老廃物の排出、体温調整、体液循環に支障を来すことがある。 

 

輸液注射:静脈内に投与される注射剤。主として水分補給、電解質補正、栄養補給などの目的で投与される。

 

体を冷やす:涼しい場所に避難し、首の周り、脇の下、足の付け根(ふともも)など、大きい血管が通る部分を冷やすのが効果的。

 

 

感想:

体から水分が失われ熱中症になり輸液注射で回復する第11話。

注射を受けていると言う事は体の外では結構酷い事になっていたんじゃないかと・・・。

大丈夫か?外の人。

発汗する為に赤血球が毛細血管を歩く描写とか、発汗の仕組みがよくわかる。

そして汗が霧状にならず気化熱で体温調節できずに熱中症になっていく、なるほどね。

遠くのセレウス菌を殺す血飛沫を見て「白血球のお兄ちゃんいたよ」と指をさす血小板がかわいい。

 

 

 

第12話:出血性ショック(前編)

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

新人赤血球の教育係を頼まれる赤血球。

自分よりも赤血球の仕事内容について詳しい後輩に戸惑う赤血球。

キラーT細胞に怒鳴られ、ミュータンス菌と戦う白血球を紹介し、好酸球、血小板、樹状細胞やマクロファージを紹介していくも先輩としての行動が全くできず落ち込む赤血球。

 

街で大爆発が発生し辺りが壊滅する。

なんとか無事だった赤血球と後輩は白血球と会い血球たちは体の中心部に集まるよう命令が出ている事を知る。

もの凄い血圧により流される赤血球たち。そして中心部に集まった血球たちに、生命にかかわる程のダメージが発生し血管の損傷が激しく緊急事態が発令される。

 

細菌撲滅に向かう白血球たち、傷口の止血に向かう血小板たち、そしてより多くの酸素を運ぶ赤血球。

事態に戸惑う後輩に今は酸素を運ぶと強く言う赤血球。

速い心音に冷や汗といつもと違う体内。

廃墟と化した街で戦う白血球は血球たちが居なくなっている事に気付く。

 

 

第12話語句説明

赤血球:1話参照

キラーT細胞:1話参照

白血球(好中球):1話参照

 

ミュータンス菌:ヒトの口腔内にも存在する虫歯の原因菌のひとつ。

 

貪食:5話食作用参照

好酸球:4話参照

血小板:1話参照

遊走:1話参照

 

血圧:全身の隅々まで血液を送り続ける為にかかる圧力。普通「血圧」といった場合には、動脈の血圧を表す。心臓の収縮、拡張にともなう拍動をエネルギー源にしている。血圧はいろいろな要因によって変化するが、正常範囲より高すぎる場合は高血圧、低すぎる場合は低血圧と呼ばれ、体内に様々な影響を及ぼす。

 

 

感想:

有能な後輩の教育係になり悪戦苦闘する赤血球。

のほほんとした前半とは打って変わって生命の危機レベルの緊急事態が発生する第12話。

緊急事態が発生してからの速い心音がより一層緊張感を増す。

細菌撲滅に向かう白血球たち、傷口の止血に向かう血小板たちがなんだかとても頼もしくかっこいい。

そして戸惑う後輩に、今は酸素を運ぶよと強くいう赤血球が、さっきまでとは違い頼もしい先輩に見える。

 

 

 

第13話:出血性ショック(後編)

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

廃墟となった街で血球たちを探す白血球は、生き残った細胞から血球たちが傷口に吸い込まれていくのを目撃し、血球が居なくなった世界は酸欠で死んでいくと聞く。

酸素が無く苦しむ細胞を見る赤血球。

肺は普段以上に活動し酸素の山ができているが運ぶ赤血球が足りていない事に気付く後輩。

赤血球はとにかく酸素を運ぼうと頑張る。

 

交感神経は酸素が行き渡らない状態に血圧をあげ赤血球をバックアップするも裏目に出て、より出血が激しくなる。

体温が低下し吹雪の中酸素を運ぶ赤血球。

出血性ショックでもう駄目だと言う後輩に、赤血球は諦めずに酸素を運ぶと言う。

吹雪の中ついに倒れてしまう赤血球のもとに、見慣れない赤血球が大量に現れ酸素を運び出血性ショックの危機は回避される。

 

筒状のものに吸い込まれ(献血)低温で寝かされ気付いたらここいた(輸血)と言う新しい赤血球。

赤血球に仕事は経験と熱いハートが大事だと学んだと礼を言う後輩。

赤血球は後輩にちゃんと教えることができたと涙する。

 

 

第13話語句説明

白血球(好中球):1話参照

 

大量出血時の症状「血圧上昇」:初期は交感神経が興奮し、血圧が上昇する。

 

大量出血時の症状「体温低下」:循環する血液量が減少するため、体温が低下する。

 

出血性ショック:外傷による出血や消化管など体内からの出血などによって大量の血液が失われると、血圧が保たれなくなり意識が朦朧としたり、失神したりする。適切な処置を行わなければ、命を失うこともある。体内の血液量の3分の1程度を失うと、ショック状態になると言われている。

 

献血:輸血や血液製剤製造のために無償で血液を提供すること。輸血用血液は長い間保存することが出来ないため、献血は常に必要とされている。

 

輸血:足りなくなった血液成分を補充する治療方法。輸血で補うことができる血液成分は赤血球、血小板、血漿成分、凝固因子などがあり、状況に適した血液製剤を選び、輸血が行われている。

 

 

感想:

緊迫した状況が続き、出血性ショックになる直前に輸血によって助かる第13話。

外の人に何があったか知らないが、とても大変だったのだろう。

何があっても一生懸命酸素を運ぶ赤血球の行動に胸を打たれる。

 

血圧を上昇させ赤血球をバックアップしようとして大量出血するのは、体の反応としては正しいのだろうけれども、おいおい余計な事しやがって感が強い。

 

輸血により現れた赤血球たちが方言丸出しで、制服のデザインもちょっと違い、別の所から来たという感じが凄く出ていた。

 

 

 

特別編:風邪症候群

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©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

風邪の季節になり訓練を強化するキラーT細胞を窓の外にみる細胞は、細胞分裂の作業に飽きており、外にいたおかしな細胞と一緒に行動することに。

キラーT細胞にプレゼントの悪戯をし、大笑いで逃げる二人。

今度は白血球、ヘルパーT細胞、赤血球、マクロファージにも悪戯を仕掛ける。

 

免疫系をからかい楽しんだ細胞は、おかしな細胞を家に招待する。

しかし、おかしな細胞はライノウイルス感染細胞であり、細胞分裂のコピー装置を破壊しようとする。

そこにプレゼントに付着したRNAを鑑定して抗原を特定し出動許可を得たキラーT細胞、マクロファージが現れ、ライノウイルス感染細胞を一網打尽にする。

ウイルスの事も細胞の事も勉強し、皆を困らせるなと細胞に説教する白血球。

 

後日、細胞と免疫系細胞は近所という事もあり外で仲良く遊ぶのだった。

 

 

特別編語句説明

くしゃみ:1話参照

キラーT細胞:1話参照

 

風邪:医学的には「風邪症候群」と呼ばれる呼吸器系の炎症性の症状、またその状態を表す総称。「感冒」「急性上気道炎」とも呼ばれる。炎症により、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱といった症状が起こる。

 

細胞周期チェックポイント:細胞周期が正しく進行しているかをチェックする制御機構。異常があれば細胞周期を停止、もしくは減速させる指示を出す。細胞自体が制御機構を備えている。

 

細胞分裂:1つの細胞が2つ以上の細胞に分かれる現象。DNAのコピーが行われる「間期」を経て、細胞分裂が行われる「分裂期」に入る。分裂を終えてから、次の分裂が終わるまでのひと回りを「細胞周期」という。分裂できる回数は細胞の種類によって異なる。

 

赤道面:体細胞分裂の中期に、染色体の動原体部分が体細胞の真ん中を区切るように並べられて出来た分裂面のこと。

 

白血球(好中球):1話参照

レセプター:1話参照

ヘルパーT細胞:1話参照

制御性T細胞:9話参照

 

RNA(リボ核酸):塩基成分はアデニン・グアニン・シトシン・ウラシルの4種。細胞内のタンパク質を作り出す過程で様々な役割を果たしている。ウイルスにはRNAを遺伝情報として持つものがいる。

 

ライノウイルス:風邪の代表的な原因ウイルス。大抵の場合、軽い鼻かぜ(鼻水、くしゃみ、鼻づまり)を引き起こす。感染者の鼻水や唾液には大量のライノウイルスが含まれており、感染力は非常に強い。

 

 

感想:

日々の仕事に嫌気がさした細胞がウイルス感染している細胞と一緒に悪戯をして免疫系細胞を困らせるも、ウイルス感染した細胞に襲われ助けられることで改心する特別編。

題材が風邪なので、大きな事件と言うよりはちょっとした日常の事件を描いたような話しでのんびり楽しめる。

武器が羽子板でも十分強いマクロファージさん流石です。

そして、主人公の赤血球全然登場しなかったな。 

 

 

 

最後に

面白おかしく体の構造も学べてしまう「はたらく細胞」。 

一通り見終わると、相当体の中の事について詳しくなったような気になり、世界共通で見られる良いアニメだと思います。

今後も特別編で構わないので、他の病気についてもやって欲しいですね。