「結城友奈は勇者である」は2014年秋(10~12月)放送のオリジナルアニメ作品、全12回。
讃州中学2年でみんなの為になる事を勇んで実施するクラブ勇者部に所属する結城友奈を中心に、勇者部の活躍を描く変身ヒロイン系ファンタジー作品。
◆ジャンル&キーワード
SF、ファンタジー、変身ヒロイン、バトル、日常、ハートフルボッコ
◆おすすめ度
★★★★★(星5)
◆こんな人にお勧め
- 熱い戦闘が好きな人
- ダークファンタジーが好きな人
- ストーリー展開に驚愕したい人
目次
総評
女子中学生のほのぼの日常系かと思いきや、変身ヒロインバトルのファンタジー作品だった「結城友奈は勇者である」。
ゆるふわ日常系のようなコメディタッチの日常描写と特撮ヒーローもののような熱い戦闘とのギャップ、そして常にどこか不穏な雰囲気が漂う先が読めないストーリー展開が面白い。
そして、後半になればなるほど盛り上がり風呂敷を広げていく構成が巧い。
主人公の結城友奈はタイトルの通り勇者である。
明るく前向き能天気で、人の為になる事を勇んで行い、友達の為ならその身を投げ出す性格。
正に勇者に成るべくして勇者であり、少年誌のヒーローみたいな感じが見ていて気持ちが良い。
ここではネタバレになるので多くは書かないが、ラストは賛否両論がある。
どちらに感じるかは、これはもう人によるとしか言いようがないので、是非自分の目で見て確かめて欲しい。(私の感想は12話に記載してます)
OPやED、BGMなど楽曲が非常に良かった。
勇者部メンバーが歌うOP曲「ホシトハナ」が素晴らしく、物語を見た後に聴くと物語の随所を思い出し涙が出てくる。
是非OPを飛ばさずに聴いて欲しい。
そして、民族音楽のような(?)ちょっと特徴的な女性コーラスを使ったBGMが随所で戦闘を盛り上げる。
注意:ここからは、ネタバレありです。
各話ストーリー紹介&感想(ネタバレあり)
第1話:乙女の真心
神世紀300年。
みんなの為になる事を勇んで実施するクラブ勇者部に所属する讃州中学2年生の結城友奈(ゆうきゆうな)は、3年生で部長の犬吠埼風(いぬぼうざきふう)、後輩で部長の妹の犬吠埼樹(いぬぼうざきいつき)、去年隣に引っ越してきた親友で車椅子の少女東郷美森(とうごうみもり)と共に保育園で子供達に人形劇を披露する。
翌日、部室で今後の勇者部の活動について会議し、ホームページを更新、帰りにうどん屋に寄り文化祭の出し物を考える勇者部一同。
授業中に文化祭の出し物を考える友奈。
突然友奈と東郷のスマホのアラームが鳴り、画面に「樹海化警報」と表示され時が止まり、勇者部メンバーは見た事もない不思議な空間に飛ばされる。
状況が呑み込めないながらも東郷を元気づける友奈は、二人を探しに来た犬吠埼姉妹と出会う。
風は自分が神樹様を奉る大赦から派遣された人間である事、自分達が神樹様のお役目に当たった事、この空間は神樹様が作る樹海と呼ばれる結界である事、樹海で世界を殺す為に攻めてくる人類の敵バーテックスと戦わなくてはならない事、バーテックスが神樹様に辿り着くと世界は死ぬ事を皆に告げる。
攻撃を仕掛けてくるヴァルゴ・バーテックス。
怯える東郷を友奈に任せ逃がし、勇者に変身し敵を迎え撃つ風。
姉についていく決意をする樹。
精霊に守られながら戦う二人だったが、敵の攻撃の前に倒れてしまう。
自分を置いて逃げるように友奈に言う東郷だが、友奈はここで友達を見捨てるような奴は勇者じゃないと奮起し勇者に変身、敵に渾身の一撃を与え「私は勇者になる!」と宣言する。
感想:
勇者部として活動する日常から、樹海でバーテックスを倒すという非日常に急展開する第1話。
日常ものかと思ったら魔法少女物だった。
登場人物の紹介と、敵の説明、戦う理由などを上手に説明した回。
やはり香川の女子中学生は放課後にうどん屋なのか。
東郷を守るため変身した友奈の「勇者パァァァァァァァァンチ」が熱い。声優さんの喉が潰れるんじゃないのかと心配になるレベルの絶叫。
そして、桜が舞う中「勇者部の活動はみんなの為になることを勇んでやる。私は讃州中学勇者部、結城友奈!私は勇者になる!」と見得を切る友奈がとてもかっこいい。
第2話:ろうたけたる思い
ダメージを与えても回復するバーテックス。
3人で協力し封印の儀式を行い敵の御霊を破壊、学校の屋上に戻る勇者部一同。
翌日、 バーテックスが壁を越えて12体攻めてくることが神樹様のお告げで判明した事、以前もバーテックスが出現したが追い払うので精一杯だった事、対抗策として大赦が人知を超えた力を出せる勇者システムを開発した事、樹海がダメージを受けると現実世界で災いとなって現れる事、勇者部は勇者への適正値が高い人を集めた事を部室で説明する風。
敵が来るまでどのチームが選ばれるか分からず、選ばれる確率の方が低かったと言う風に、東郷はもっと早く説明して欲しかったと部室を出ていく。
敵前逃亡し、大赦の命令で仕方ない事を理解しつつも風にあたる自分に嫌気がさす東郷を追い駆けなだめる友奈。
適性のおかげで皆に会えたと言う友奈に、中学に入る前に事故で足が動かなくなり記憶も一部飛んで不安だったが友奈に会えて日々が楽しくなった東郷は納得する。
東郷との仲直りを練習する風、そこに樹海化警報が鳴り響く。
3体同時に現れ連携攻撃を仕掛けてくるバーテックス(スコーピオン、サジタリアス、キャンサー)。
倒される友奈を見た東郷は友奈を助けるため勇者に変身、妙に落ち着く自分に違和感を覚える。
東郷の援護射撃が加わり形勢を逆転する勇者部一同は、御霊の破壊に成功、現実に戻り風と東郷は仲直りする。
感想:
風が勇者の説明をするも納得できない東郷が戦闘に参加し一緒に戦って行く事を決意する第2話。
2話にして3体同時に出てくるバーテックス。
中々展開が早い。
明るく前向きでポジティブ思考、少年誌の主人公のような友奈に好感が持てる。
結構シリアス展開ながらも、登場人物たちが皆明るく、全体が暗い雰囲気にならないので見ていて和む。
風が色々ポンコツで面白い。
- 黒板に描くバーテックスや勇者たちが現代アート過ぎて何が描いてあるのか分からないレベル。
- 妖精に向かい東郷との仲直りの練習をする。
- 3体同時に来たバーテックスに「モテすぎでしょ」。
- 敵に狙われ「あーもう、しつこい男は嫌いなのよ」。「モテる人っぽい事言って無いで何とかしようよ、お姉ちゃん」と樹の冷静なツッコミが笑える。
- 東郷の指示に元気よく返事する友奈と樹を見て「私のより返事が良い・・・」と落ち込む
- 東郷と仲直りの電話をしながら、東郷の激しい攻撃を見て「ほんとごめんなさい、はい」
国防と言う言葉に反応する東郷。そっち系の人なのか。
第3話:風格ある振る舞い
勇者になって1ヶ月半。
5体目のバーテックス(カプリコーン)と戦う勇者部。
そこに大赦から派遣された新たな勇者三好夏凜(みよしかりん)が現れ単独で敵を封印し御霊を破壊する。
友奈のクラスに転入してきた夏凛は、勇者部部室で自分こそ完成型勇者であると息巻く。
放課後うどん屋で頑なな感じの夏凛とどうやったら仲良くなれるか考える勇者部一同。
学校をくだらないと考える夏凛は独り黙々と戦闘訓練し大赦に日々の報告を入れる。
勇者部部室に情報交換にくる夏凛、勇者は戦闘経験値を貯める事でレベルが上がり満開が使えるようになり、満開を繰り返す事でより強力になるのが勇者システムだと言う。
子供会のレクリエーションのお手伝いの打ち合わせをする勇者部。
形式上勇者部に入っただけだと言う夏凛だったが、周りに押されて日曜日に参加することにする。
素直になれないが勇者部の活動に参加することが少し嬉しい夏凛は、折り紙を練習し日曜日に部室に向かう。
誰も居ない部室で現地集合だった事に気付くも今更みんなの元に行けずに部室を後にし、自分は他の人と違うと戦闘訓練をする夏凛。
夜、夏凛の家に心配になって見に来た勇者部一同が訪れ、子供達と一緒に児童館でやる予定だった夏凛のサプライズ誕生日会を行う。
誕生会をやった事が無い夏凛は、恥ずかしがりながらも喜び勇者部メンバーと心を通わせる。
そして文化祭の出し物が演劇に決まる。
感想:
新たなる勇者夏凛が登場し勇者部と打ち解け仲良くなる第3話。
ふんわりとした日常回で心温まる。
強キャラっぽく出てきた夏凛が中々にツンデレでチョロイン。
でも、そこがいい。
- 部室で戦闘訓練を長年受けていると言い箒を振り回すも黒板に当たり東郷に「黒板に当たってますよ」と言われる。ポンコツなんじゃ・・・。
- 友奈に「もう来ないの?」と聞かれ「また来るわよ」と答え、「じゃあ部員になっちゃった方が話しが早いよね」と言われ、「まあいいわ、そういう事にしておきましょうか」となし崩し的に部員となる。なんというか押しに弱い。
- 東郷には精霊が3体居る事を知り「わ、わたしの精霊は一体で最強なのよ」
- 樹に勝手にタロットで占われ不吉だと皆から言われる。
- 満開の説明をし東郷から「三好さんは満開経験済みなんですか?」と聞かれ「ま、まだ」
- 子供会のレクリエーションのお手伝いの話になり「わ、分かったわよ。日曜日ね。丁度その日だけ空いてるわ」
OPは東郷追加バージョン、EDは夏凛追加バージョンにそれぞれ変更。
こういうちょっとした変更は凝ってる感じがして見ていて嬉しい。
第4話:輝く心
近く音楽の授業で歌のテストがある樹は人前で歌うのが苦手で悩んでいた。
それを知った勇者部メンバーはみんなで樹が上手く歌える方法を考える。
一人で歌うと上手いのを知っている風は人前で緊張するだけだと言い、皆でカラオケに行く事に。
各々歌を唄い楽しむがやはり樹は緊張して歌えない。
そんな中、風に大赦からバーテックスの出現周期が予測と違うので最悪の事態を想定しろと連絡が入る。
風呂場で歌う樹は、やっぱり一人で歌うと上手いと風に声をかけられる。
両親が亡くなり風が親代わりの樹は、朝食を食べながら風に礼を言い自分は姉の後をついて回っているだけだと感じる。
勇者部活動の帰り道、樹を勇者に巻き込んだことを謝る風。
樹は守られるだけではなく姉と一緒に戦えることを嬉しいと告げる。
歌のテスト当日。
教科書に挟まっていた勇者部みんなからのメッセージを見て落ち着きを取り戻した樹は上手に歌うことに成功する。
その日の帰り道、歌うのが好きな樹は風にやりたい事が出来たと言い、オーディション用の歌を録音する。
そして樹海化警報が鳴り響く。
感想:
樹の歌のテスト克服を中心とし犬吠崎姉妹を掘り下げる第4話。
ED曲も樹のソロ曲。
コメディタッチな演出が多い日常回ではあるけれども、ずっと不穏な空気が流れ、最後には樹海化警報が鳴り響き、次回への期待と不安が一気に高まる引き。
夏凛がギャグ要員だった。
- 完全食品と言い煮干しを食べ続ける夏凛に「にぼっしー」のあだ名が付けられる。
- 猫の飼い主探しのポスターを完成させる夏凛。絵心が致命的に欠落しており、完全に妖怪にしか見えない。
- 樹の為に喉に効くサプリメントを大量に持ち込み、風に煽られ全種類飲んでみることに。「※以下、危険性を考慮した上でギャグとして行っています。」「特殊な訓練を受けたものが行っております。絶対に真似をしないでください」。テロップが笑える。結局全部飲んでから吐きに行くという・・・。
東郷さんもギャグ要員だった。
- 樹が上手く歌える方法を考える際に「まず歌声でα波を出せるようになれば勝ったも同然ね。良い音楽や歌と云うものは大抵α波で説明が付くの」。何だその怪しい手つき。東郷さんのキャラが音を立てて崩壊していく。
- カラオケで歌うのが軍歌。周りのメンバーが起立して敬礼してるのが笑える。
第5話:困難に打ち勝つ
樹海に集まる勇者部5人。
残り7体のバーテックス(アリエス、タウラス、ライブラ、アクエリアス、レオ、ジェミニ、ピスケス)が一斉に出現する。
突進してくるアリエスを倒し封印の儀により御霊を撃破。
しかし、敵の罠にかかり前線の4人はタウラスの鐘による音波攻撃にさらされ、後方の東郷には地中を潜ってきたピスケスが襲い掛かる。
樹がワイヤーでタウラスの鐘を拘束し難を逃れるも、タウラス、ライブラ、アクエリアスがレオと合体しレオ・スタークラスターとなる。
レオ・スタークラスターの圧倒的な強さに為す術なく倒れていく勇者部。
その時風が満開し窮地を逃れ、東郷も満開し圧倒的な火力でピスケスを撃破する。
この隙を突き神樹様に近づいていたジェミニだったが満開した樹に撃破される。
レオ・スタークラスターが放つ巨大火の玉を受け止める風。
その間に封印を開始する友奈たちだったが、出現した御霊は巨大で宇宙空間に浮かんでいた。
友奈は満開した東郷の巨大浮遊砲台に乗り、成層圏へ向かい満開を発動し御霊を破壊する。
成層圏から落下する友奈と東郷を樹がワイヤーで受け止め無事に戦闘が終わる。
現実に戻り、夏凛は大赦に全てのバーテックスを倒した事を報告する。
感想:
残り7体のバーテックスが一斉に襲ってきて、勇者部が満開を駆使し全て倒す第5話。
まさに最終決戦の様相で1話丸々熱いバトルが楽しめる。
勇者部五箇条を叫びながらの友奈のパンチに痺れる。
物理最強!しかし5話で全ての敵を倒してしまうとは珍しい展開だ。
満開時の地面から沢山の光の糸が集まり花びらとして弾けるエフェクトとBGMがかっこいい。
やはり覚醒した時はグッとくるものがある。
そして満開した後の神々しさ、そこからのセリフも各キャラ良い味出してた。(風はセリフが無かったので割愛)
- 東郷「我、敵軍に総攻撃を実施す」
- 樹「私たちの日常を壊させない」
- 友奈「みんなを守って私は勇者になーる!」
最後の夏凛の大赦への報告。
「バーテックスと交戦。負傷者4名、至急霊的医療班の手配を願います。なお、今回の戦闘で12体のバーテックスは全て殲滅しました!私たち 讃州中学勇者部一同が!」。
夏凛の仲間意識が凄く強くなっているのが手に取るようにわかる言い方が素晴らしい。
OPが夏凛追加バージョンに変更。
これが完成版かな?
第6話:明日に期待して
戦いの後検査入院する勇者部。
風は戦いでの疲労から左目の視力が落ちており、樹は勇者システムの長時間使用による疲労が原因で声が出なくなっていた。
病院でお菓子とジュースを買いお祝いする勇者部。
友奈は自分の体の異変を感じていた。
今までのスマホがメンテナンスで回収され、新たなスマホが風から配られるも勇者システムが入っていないので精霊と会えなくて寂しがる友奈。
検査に時間がかかるという東郷は、一緒に退院できなくてがっかりする友奈に体の異変について問いただし、友奈の味覚が無くなっていると知る。
その夜左耳が聴こえなくなっている事に気付く東郷。
東郷のお見舞いに行く友奈。
東郷は左耳が聴こえなくなっている事を友奈に教えた後、風に電話し満開の後遺症について聞く。
風は友奈と東郷も異変がある事を知り大赦に問い合わせを行う。
部活に来ない夏凛を探しに行く友奈は、浜辺で訓練する夏凛を見つける。
戦いが終わり自分の存在意義がなくなったと話す夏凛に、友奈は一緒に居るのが楽しいし好きだと言い夏凛を部活に連れ戻す。
勇者部に自分の居場所を感じた夏凛は大赦に讃州中学に残る希望を出す。
東郷の退院日。
勇者部皆で東郷を迎えに行き病院の屋上で夕日を眺めながら夏の計画を話す。
大赦から連絡があり希望が受理され喜ぶ夏凛。
一方、大赦から風への回答は身体変調と満開の関連性は調査中で一時的なものと思われるというものだった。
感想:
戦いが終わり満開した後遺症らしき症状が出るも皆元気で夏凛が讃州中学に残る事になる第6話。
平和な中に不穏な空気が常にあるそんな回。
勇者部のみんなが明るくてほっこりします。
声が出せなくなった樹。
スケッチブックを使った会話がコミカルでかわいい。
まあ、かわいいとか言ってる場合じゃないんですけどね。
声が出せなくなりスケッチブックで会話する樹
自分の存在意義がなくなったと落ち込む夏凛に言葉をかける友奈がさすが主人公と云った感じ。
友奈は根っからの勇者体質なんだなぁ。
だから勇者に選ばれたんだろうけど。
第7話:牧歌的な喜び
大赦からのご褒美として海へ合宿に行く勇者部。
海で泳ぎ、棒倒しや砂遊びスイカ割などを満喫する。
旅館では豪華な夕食に舌鼓し、味覚の分からない友奈は皆に気を使わせないように振舞う。
温泉に入り、夜は恋バナに話を咲かせようとするも風の何度も聞いた恋バナを聞いて終わる。
消灯後東郷が始めた怪談話に怯えながらも眠りにつく勇者部一同。
朝早く目覚める東郷と友奈。
東郷は事故で記憶を失った時に握りしめていたリボンを誰のものか分からないがとても大切なものな気がすると語り、本当に戦いが終わったのか?と不安を漏らす。
友奈は人類を死のウイルスから守った神樹様がついてるから大丈夫と東郷を勇気付ける。
敵が自分たちの所にだけ現れたのを不思議に思う友奈に、神樹様が結界に弱い所を作り敵を誘導している事、神樹様は恵みの源で防御に力をすべて使うと人間が生活できなく事がマニュアルに書いてあったと話す東郷。
友奈は神樹様にはっきり意志がある事に安心する。
合宿から戻った風の元に敵の生き残りを確認した大赦から連絡が入る。
風が部室に行くと勇者システムの入ったスマホが戻されており、風の精霊が1体増えていた。
感想:
大赦のご褒美で海合宿に行き旅行を満喫する勇者部だったが、敵の生き残りが居た事が判明する第7話。
普通の日常系ゆるふわ部活モノっぽい雰囲気の回。
キャハハウフフと楽しい中に神樹様が人類を死のウイルスから守った事や、神樹様が恵みの源であり人間が生活できるのは神樹様のおかげという神樹様を中心とした世界観が語られる。
自称「瀬戸の人魚」な風。
水泳を幼稚園の時5年ぐらいやってたと言う。
幼稚園5年・・・何回留年したんですかね?
眼帯に合わせ中二病のようなセリフを言いまくり場を和ませる風は良い部長さんだ。
友奈の棒倒しスキル高過ぎ、東郷の砂の城が芸術家レベルで、これで食べていけるんじゃないでしょうか?
CM前に樹が出す「このあとは、皆でお風呂です!」というテロップ。
これ出されたらCM入ってもチャンネル変えられないなぁ。
樹ちゃん有能!
CM前に樹が出すテロップ
女5人集まって旅の夜どんな話するか分かるわよね?と言う風。
夏凛「辛かった修行の体験談」、東郷「日本と言う国の在り方について存分に語る」。
君たちの青春は少しおかしくないかい?
風以外誰も恋バナができない所が勇者部らしい。
第8話:神の祝福
部室で勇者部の皆に敵の生き残りが居た事を告げる風。
二学期に入り放課後部室に集まる勇者部。
端末のアップデートで夏凛以外新たな精霊が増えていた。
そこに樹海化警報が鳴り響く。
樹海には前回倒したジェミニの片割れがいた。
勇者に変身するも、精霊が増えてる人と増えてない人の違いが満開にあり、満開ゲージを貯めるのは危険な事と考え戦いに躊躇する勇者部メンバー。
皆体の一部がまたおかしくなる事を恐れる中、夏凛は自分がやるべきと動き出すが、皆に戦わせないため意を決した友奈が敵の御霊を破壊する。
友奈の満開ゲージが増えている事に気付く部員たちは友奈の体を心配する。
戦闘終了後、東郷と友奈は別の場所に飛ばされ、包帯を巻きベッドに寝たきりで二人を呼んだと言う先代勇者の乃木園子(のぎそのこ)と出会う。
東郷の事を「わっしー」と呼ぶ園子。
東郷は友奈に知り合いか聞かれ「初対面」と答える。
勇者システムには満開の後に散華と云う体の一部を供物として神樹様に捧げる隠された機能があり、この機能のおかげで勇者は絶対に死なないと語る園子。
そして園子は何度も満開を繰り返し敵と戦い今の姿になったという。
大赦は思いやりでシステムの真相を隠しているが、自分は最初に教えて欲しかったと言う園子は東郷のリボンを見て「似合ってる」と涙する。
帰り道、「なんとかする方法を見つけて見せる」と友奈は真相を知り落ち込む東郷を勇気付ける。
感想:
敵の残党を倒し先代勇者と会う東郷と友奈が勇者システムの真相を知る第8話。
やはり代償なく満開と云う力を得る事は出来なった。
しかし酷いシステムだ。
大赦はロクな所じゃないな。
勇者システムは体の一部を供物に代えどんどん成長強くなるシステムだった。
OPの「♫咲き誇れ~」を聞いても、いや咲いちゃ駄目だとしか思えない。
- 精霊が勇者を守り絶対に死なない。
- 精霊の力を使い技が出せる
- 戦ったり御霊を破壊すると満開ゲージが溜まる
- 満開ゲージ満タンで満開でき、更なる力を使うことができる
- 満開後は散華し体の一部機能を失う
- 体の一部機能を失う代わりに精霊が1体増え勇者としてさらに強くなる
戦闘中に自分が戦うと考える夏凛、御霊の破壊は部長として皆を戦いに巻き込んだ者として自分が行うと考える風、皆に戦わせたくないから自ら率先して戦う友奈。
みんな良い子すぎる。
第9話:心の痛みを判る人
園子から聞いた真相を風に話す東郷と友奈。
風は確かな事がわかるまで夏凛と樹には内密にするよう二人に言う。
風は大赦に満開後の身体異常について問い合わせする。
気を使いカラオケ好きな友達と遊びに行くのを断る樹を見る風は、担任の先生から声が出ない事による授業への弊害を聞かされる。
夕食時に文化祭の劇の話をする風だったが、樹からセリフのある役ができないので裏方で頑張ると言われる。
身体機能が治る可能性を捨てきれない風は大赦からの回答を待つも回答は来ていなかった。
東郷の家に呼ばれる友奈と風。
東郷は方法を変え10回以上自害を試みたが全て精霊に止められたと話し、勇者システムを起動していなくても動く精霊は勇者を戦わせ続ける為の装置ではないかと疑う。
園子の言う事が真実であると確証を持った風は樹の声が戻らない事に涙する。
家に戻る風の元に3か月前樹が応募していたヴォーカリストオーディション1次審査合格の電話が入る。
PCの中のオーディション音源を聞き、樹の「やりたい事が出来た」と云う言葉を思い出し号泣する風。
大赦からの身体異常はじきに治ると思われるという回答メールを見た風は、激怒し勇者に変身大赦を潰しに飛び出す。
大赦からの連絡で風を見張っていた夏凛が風を止めるも、激昂しながら夏凛に刃を向ける風。
そこに友奈が現れ風を止めに入り「後遺症を知っていても世界を救うため結局戦った」 と風を説得。
この戦いで友奈の満開ゲージが満タンになっているのを見た風はその場に立ちつくし、現れた樹の勇者部に入ってよかったと云うメッセージに号泣する。
感想:
園子の話が真実であるとわかり、樹の夢を潰してしまった事から風が大赦を潰しに行くも皆に止められる第9話。
悲しい、とても悲しい 風の心をえぐり倒した回。
樹のオーディション用の曲が流れてからラストまで皆の想いが辛すぎて見てられない。
風の攻撃を受け満開ゲージを貯めながら風を止める友奈がイケメン過ぎて惚れてしまう。
「風先輩が人を傷つける姿なんて見たくありません。
もし後遺症の事を知らされてても結局私達は戦っていたはずです。
世界を守る為にはそれしかなかった。
だから誰も悪くない。
選択肢なんて誰にもなかったんです」。
そして満開ゲージが満タンになる友奈。
「風先輩を止められるならこれくらい・・・。だって私は勇者だから」。
くぅぅぅ、かっこいい。
そして自己犠牲の塊のような子だ。
第10話:愛情の絆
ーー事故でここ2年ほどの記憶と足の機能が失われた東郷は、友奈の家の隣に引っ越し友奈と出会う。
二人は仲良くなり同じ中学に進み、廊下で風から勇者部への誘いを受ける。
友奈は勇者と云う言葉の響きに惹かれ入部を決める。
出来たばかりの勇者部で活動する3人は勇者部五箇条を作る。
翌年、樹が勇者部に入部する。
勇者部のボランティア活動が新聞に載り、次の保育園での人形劇も頑張ると意気込む勇者部。
そして勇者部は本当の勇者として戦いに身を投じる事になるーー。
自害を試みて精霊に止められた東郷は、真実を知るため園子に会いに行く。
適性検査で勇者の資格を持つと判断され大赦で力を持つ鷲尾家の養女になりお役目についた東郷は、園子たちと共に戦い満開し足と記憶を供物として失う。
東郷家に戻り勇者の適正値が最も高かった友奈の家の隣に引っ越したのも大赦が仕組んだ事だった。
そして20回満開したという園子は東郷に壁の外の秘密を語る。
神樹様が見せる幻が消える壁の外に出た東郷は、神樹以外が太陽のように燃え盛る宇宙に出て世界が宇宙規模の結界の中にある事を知る。
「人類を滅亡寸前に追いやったのはウイルスではなく、天の神様が粛清の為に遣わしたバーテックス。西暦の時代突如人類は襲われ、人類に味方した他の神が力を合わせ、一本の大樹となり四国に防御結界を張ったのが現在の世界」。
園子が語った通りの世界を目の当りにする東郷。
壁の外で今まで倒した12星座のバーテックスが新たに生まれているのを見た東郷は、戦いに終わりが無い事に絶望する。
そして、生き地獄から仲間を解放するため神樹様を倒す決意をし、壁を破壊、大量のバーテックスを結界内部に侵入させる。
一方、泣き崩れる風を抱きしめる樹、傍に立つ友奈と夏凛。
そこに特別警報発令のアラームが鳴り響く。
感想:
時系列的に9話と同時進行で行われていた東郷の行動回で、東郷の過去が判明し世界の真実が明らかとなる第10話。
世界は四国以外全滅していた。
OPで太陽と思っていたのは現在の地球の姿だったのか。
これは予想の斜め上すぎる。
供物がどーのとか大赦の隠ぺい体質がどーのとかって問題じゃなく、世界滅んでた。
さらに結界の外はバーテックスが物凄い数おり、合体し12星座のバーテックスを再生している。
バーテックスを12体倒しても、また再生し倒さなくてはならないと云う状況。
勇者の戦いに終わりが無い事が判明し絶望する東郷。
これは正しく生き地獄で未来が無さすぎるので壁を壊した東郷の気持ちはわからんではないが・・・悩んだら相談しよう。
東郷は過去に鷲尾須美(わしおすみ)という名で勇者だった。
園子が「わっしー」と呼ぶ理由も判明。
2話で東郷が勇者に変身したら落ち着いたのは、昔の勇者体験からである事もわかる。
そして友奈の家の隣に引っ越したのも大赦の差し金だったとは。
なるほど、大赦やるなぁ。
第11話:情熱
樹海の中に雪崩込んでくるバーテックス。
壁の上に東郷を発見した友奈と夏凛は壁の外の真実を知る。
壁を壊したのは自分であり、世界に未来はなく体の機能を失って戦い続ける現実に、これ以上友達を犠牲にさせないと言う東郷。
敵の攻撃を受け一時退却する友奈と夏凛は倒れ変身が解けてしまう。
絶望的な状況の中、戦う気力を失う風を守り敵と戦う樹。
風は成長し頑張る妹の姿にやる気を取り戻す。
東郷が思い悩む前に自分が何かできたのではないかと悩む友奈は精神が安定せず勇者に変身できずにいた。
敵から友奈を助ける夏凛は友奈の「東郷さんを止めたい」と云う言葉を聞き、大赦の勇者ではなく勇者部の一員として戦うと告げ迫りくる敵の元へ向かう。
満開を繰り返し再生したバーテックスを撃破した夏凛は片足片腕と両目両耳を供物として持って行かれる。
変身が解け倒れる夏凛の元に駆け寄り抱きしめ号泣する友奈。
夏凛は友奈に今までの礼を言い、東郷を止められるのは友奈だけだと言う。
壁の外の真実を知ってなお東郷を止める風と樹。
東郷は満開し風と樹を退け、巨大バーテックスを神樹本体へ誘導する。
巨大な火の玉を放つバーテックス、変身し駆けつけた友奈は火の玉を破壊し「もう迷わない、私が勇者部を・・・東郷さんを守る!」と宣言する。
感想:
勇者部が壁の外の真実を知るも東郷を止める為に戦う第11話。
皆の想いが凄くて涙が出てくる、そんな回。
戦えなくなった風を全力で守る樹が健気で痺れる。
やられてもやられても立ち上がるその姿に涙が出てくる。
勇者部の一員として戦うと言う夏凛。
大見得からの満開乱舞が凄くて鳥肌が立つ。
「 さあさあ!ここからが大見せ場! 遠からん者は音に聞け! 近くば寄って目にも見よ!これが讃州中学二年、勇者部部員三好夏凛の実力だぁぁぁ!」。
そして「さぁ!もってけぇぇぇ!」からの満開と勇者部5か条を叫びながらの乱舞。
めちゃくちゃかっこよくて痺れるんだけど、満開する度にあぁもう辞めてー!と思えて泣ける。
熱くて胸から込み上げてくるものと、満開の哀しさで胸が痛くなるものとがダブルで押し寄せる凄いシーンだ。
火の玉を勇者パンチで破壊し駆けつける友奈が完全に遅れてきたヒーローで惚れるほどかっこいい。
「ごめんなさい風先輩、遅刻しちゃいました。もう迷わない、私が勇者部を・・・東郷さんを守る!」。
うっわー、凄く熱くて鳥肌がヤバい位に立ち自然と涙が出てきてしまう。
私が勇者部を、東郷さんを守るって凄い言葉だ。
友奈本当に勇者でかっこいい子だ。
第12話:貴方に微笑む
満開し巨大バーテックスに攻撃を仕掛ける友奈、それを阻止する東郷。
東郷は生き地獄は終わらない、そして大切な想いもいつか忘れてしまうと嘆く。
友奈は東郷が一緒だから生き地獄ではないと言い、気持ちが高ぶり我を失い攻撃する東郷の顔面にパンチを入れ自分は絶対に忘れないと東郷を抱きしめる。
真っ赤に燃え上がる太陽になったバーテックスが神樹本体に向かう。
冷静さを取り戻した東郷と友奈で止めに入るも、友奈は力尽き戦線を離脱、満開の影響で足が動かなくなってしまう。
そこに満開した風と樹、さらには夏凛が現れバーテックスを押し返す。
雄叫びをあげいきなり満開状態に変身する友奈はバーテックスの中に突進し、全ての武装が無くなりながらも敵の御霊に触れ封印に成功する。
日常に戻る勇者部は供物となっていた体の機能が戻り始める。
大赦と連絡が付かなくなり神樹様に開放された勇者部。
外の世界は変わらないが、自分たちの戦闘から神樹様が供物を求めなくなり、後は後輩に託すと話をする風と夏凛。
季節が変わり皆が完全に回復していく中、一人意識が戻らない友奈。
友奈の隣で文化祭の劇の台本を読みながら一番大切な友達を失いたくないと号泣する東郷。
その時、友奈は意識を取り戻し東郷の名前を呼ぶ。
根性で戻ってきたと笑い順調に回復していく友奈。
文化祭の劇を無事成功させた勇者部は「なんだって乗り越えられるんだ。大好きなみんなと一緒なら!」と抱き合い喜ぶ。
感想:
東郷を説得し勇者部全員でバーテックスを止め、満開の後遺症だった体の機能が戻りハッピーエンドな第12話。
熱い熱い戦闘と皆の幸せな日常が見れる最終回。
我を失い発狂している東郷に友奈がまさかの顔面パンチ、からの抱きしめ。
このやり方は友奈がイケメンだから許される。
とても良いシーンだったけど、普通にやったらDVにしかならないよな、これ。
雄叫びをあげ満開状態にいきなり変身する友奈のシーンが熱い。
「私は讃州中学勇者部、勇者結城友奈!」からの「届けえぇぇぇぇぇぇ!」。
満開の装備が崩れ壊れていく中での叫び、いや~凄いな。
熱くて涙が零れてくる。
正直、最初見終わった時はハッピーエンドで良かったと云う思いと、供物が突然返ってきて「なにこれ?茶番劇?」と云う思いが交錯した。
世界が絶望的な事も決着してないし。
終了直後は興奮していて「ん?」って感じの感想だったけど、見れば見るほど良い最終回だったと思うようになり、今では最高の終わり方だったと感じている。
東郷の離反により神樹様と大赦が供物を求める勇者システムを改良することになったし、世界は変わらないけど後は後輩に託す形で勇者部の戦いは終わり、友奈は神様の力ではなく根性と云う人間の強い意志で帰ってくる。
そして「なんだって乗り越えられるんだ。大好きなみんなと一緒なら!」に繋がる良い最終回だった。
何より勇者部の明るい笑顔が見れる、それが幸せ。
最後に
5話の満開で覚醒シーンかっこいいとかほざいていたのに、その後は満開シーンで絶望し涙、世界の真実を知りさらに絶望する斜め上の展開を見せた結城友奈は勇者である。
満開と云う覚醒イベントに重い代償をつけて涙なしには見られなくする設定は巧い。
9話の風の絶望、樹と友奈の優しさに涙し、10話の世界の真実に驚愕し、11話の夏凛の満開乱舞、東郷さんを守ると宣言する友奈に涙し、12話の戦闘の熱さと最後のハッピーエンドで涙する。
本当、後半の盛り上がり方が凄くて最高の作品でした。
ラストは本当にハッピーエンドで良かった。
世界は救われてはいないけれども、それはまた別のお話しと言う事で。
「鷲尾須美の章」各話ストーリー紹介&感想:
「勇者の章」各話ストーリー紹介&感想: