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「虚構推理」各話ストーリー紹介&感想:嘘で相手を論破するアニメ

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

「虚構推理」は2020冬(1~3月)放送の小説原作の作品、全12回。

怪異たちの引き起こすミステリアスな事件に虚構で立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]な作品。

 

 

◆ジャンル&キーワード

ドラマ、推理、ファンタジー、伝奇、怪異、ミステリ、恋愛、会話劇

 

◆おすすめ度

★★★★☆(星4):見るべき作品

 

◆こんな人にお勧め

  • 会話劇が好きな人
  • 粋な会話を楽しみたい人
  • 論理の組み立てが好きな人
  • じっくりと作品を楽しみたい人

 

kyokousuiri.jp

 

目次 

 

 

 

総評

虚構推理という題をみて推理ものかと思う人も多いと思うが、推理ものではない

とある事件の真相を解き明かす「真実はいつも一つ!」という名探偵みたいなことはしない。

相手が納得する話が正であり、その内容が真実である必要はないというのがこの作品。

なので、基本的に虚構で相手を納得させる。

その虚構を真実っぽく面白おかしく相手が納得するように組み立てる・・・それがこの作品の醍醐味である。

なんのこっちゃ?という感じだが、見ればわかる。

 

アクションは無くはないが、基本的に会話でのみ話が進んでいく

「化物語」みたいな感じと言えばいいのだろうか・・・。

動きは非常に少ないが、その代わり会話はかなり面白い。

なので、画面に動きが無いと寝てしまうという人には向かない。

 

主人公の琴子と恋人の九朗の関係が非常に面白い

嫉妬深く九朗一筋で常に九朗好き好きしているイケイケでストーカーまがいなんだけれども、冷静沈着でドライでオチャメな面を持つ琴子。

琴子を彼女と認めて優しく接するも敬遠した態度ばかり取る九朗。

この二人の会話は「化物語の暦とガハラさん」のような印象。

途中から九朗の元カノ紗季も絡んで、ラブコメと云う訳ではないけれども、ボケとツッコミの粋な三角関係の会話劇がさらに楽しめる。

 

話しの構成上仕方がないのだけれど、鋼人七瀬編が長く、後半からは動きがほぼ無くなるので、(それでも十分に面白い作品ではあるけれども)単調な印象を受けるのがちょっと残念。 

 

あまり何も起きない作品なんだけど、「次回どうなるんだ?」って所で上手に引く演出は優秀で、毎回EDが始まった瞬間に「え!?ここで終わり!?」って声が出る程に驚かされた。

 

それと、OP曲の前奏が癖になり頭から離れなくなる。この作品の雰囲気にとても合ってる最高の前奏だ!

 

 

注意:ここからは、ネタバレありです。

 

 

 

各話ストーリー&感想(ネタバレあり)

第一話 一眼一足

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

岩永琴子(いわながことこ)は病院で偶然出会った桜川九郎(さくらがわくろう)に一目惚れした。

看護師から九朗は長期入院してる従姉のお見舞いに来ていると情報を得る琴子だったが、同時に九朗には弓原紗季(ゆみはらさき)という彼女がおり結婚の予定があると聞かされ愕然とする。


それから二年後。

九朗が紗季と別れたと情報を得る琴子は、結婚を前提に付き合わないかと九郎に提案する。

紗季との一件で新しい付き合いを躊躇する九朗は別れた原因について琴子に語る。

 

ーー京都旅行に出かけた九朗と紗季は、夜、川沿いで河童と遭遇。

怯えて九朗にしがみつく紗季。

そんな紗季には目もくれず、恐怖に声を震わせて脱兎のごとく逃げ出し・・・それが原因で九朗は後日紗季から別れ話を切り出されたーー

 

そう語る九朗に、逃げたのは九朗ではなく九朗を見た河童の方であると言い当てる琴子。

怪異談を簡単に信じる琴子に「君は何者だ?」と問う九朗。

琴子は11歳の時に怪異たちにさらわれ、左足と右眼を失った代わりに彼らの「知恵の神」になったと自分の正体を明かす。

 

翌日、再び九朗と会う琴子。

琴子の元に化け狸が現れ凶暴な妖怪により図書館の結界が破られたと告げる。

得意の話術で九朗の協力を得た琴子は、九朗と共に図書館に向かう。

 

錯乱状態の妖怪に「言葉が通じないなら力ずく」と攻撃を仕掛ける琴子だったが失敗。

助けに入り左腕を喰われる九朗。

慌てる琴子だったが、九朗のちぎれた左手がみるみる再生、腕を喰った妖怪は溶けて消滅する。

驚く琴子に九朗は「11歳の時、妖怪を2種類ばかり食べたんだ」と答える。

 

 

感想:

琴子と九朗の出会い、そして二人の秘めたる特性の紹介的な第一話。

兎に角、次から次へと琴子がよくしゃべる。

九朗に本気で惚れていて舞い上がりながらも冷静でドライ、でもオチャメ。

 

2年ぶりに琴子と会う九朗。

九郎「ああ、あの時の・・・。でも、あの女の子はベレー帽なんか被ってなかったけど」
琴子「あんたは女子を帽子で識別してるのか?」

この面白会話が何と言えず最高だ!

 

九朗をイケメンだという琴子に「あの、まさか・・・左眼も誰ぞやに取られましたか?」とツッコむ落ち武者の怪異。

ツッコミが上手くてハーレクイン小説を読み尽くすという野望を持った落ち武者・・・あんた何者だよ(笑)

 

図書館に向かい琴子をおんぶする九朗。

「助かります。ただ、運び方には少々不満が・・・この場合、お姫様抱っこが定石では?」

その後、妖怪に吹っ飛ばされ九朗にお姫様抱っこで助けてもらう琴子。

「ああ・・・やっぱり、この持ち方がいいですね。密着度が高いです」

琴子の、こういう危機に直面しながらも冷静でオチャメな所が良いね。

 

そして九朗が「11歳の時、妖怪を2種類ばかり食べたんだ」と言った途端の「つづく」。

いや~凄い終わり方だ。

「えっ!ここでおわり!?」って声が出てしまった。

めちゃくちゃ続きが気になる引きで巧い。

 

 

 

第二話 ヌシの大蛇は聞いていた

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

病院で九朗と再会する琴子。

11歳の時に人魚の肉を食べ不死となり、どんなに体が損傷しても元に戻るようになったという九朗。

琴子は、今晩山のヌシである大蛇と会うので一緒に来て欲しいと九朗にお願いする。

九朗は何の物理的・呪術的な力も持たない琴子を心配するも、昨日作った豚汁をゆっくり食べたいという理由で琴子の誘いを断る。

 

夜、九朗のアパートに突撃する琴子。

九朗はワンピースで山に行こうとする琴子に呆れ、登山服と虫よけスプレー、豚汁とおにぎりを持たせ追い返す。

 

九朗の態度にむくれながらも大蛇に会いに行く琴子。

大蛇は先日沼で発見された他殺死体について、犯人の女が沼に死体を捨てた納得のいく理由を説明して欲しいと琴子に願う。

 

ーー約1か月前。沼で男の死体が浮かんでいるのを登山者が発見。

死体の胸には刃物で刺された跡があり警察は殺人と断定。 

男の身元は吉原紘男、35歳。大手建設会社に勤務。

やがて犯人として、30歳の女性「谷尾葵」が逮捕され警察は自供を得ている--

 

事件はほぼ解決し、沼に死体を捨てたのは発見を遅らせるためと大蛇に回答する琴子。

しかし、大蛇は葵が死体を沼に投げ入れ「うまく見つけてくれるといいのだけれど」と呟いていたと反論、死体が見つかる事を望むのが不可解だと琴子に詰め寄る。

 

琴子は古くから伝わる人食いの伝承を信じていた葵が死体を大蛇に食べて欲しい思いで「(大蛇が)うまく見つけてくれるといいのだけれど」と呟いたと説明するも、

大蛇は女の願いが死体の処理ならば「うまく食べてくれればいいのだけれど」と呟くはずと納得しない。

 

一旦事件を整理するため葵の自供内容を話す琴子。

ーー5年前。谷尾葵の恋人である町井義和は別の女と心中。

町井が巨額の横領をしていた事が心中後に発覚する。

傷心の葵は実家に戻る。

事件当日、吉原紘男が5年前のことを謝りたいと葵の家を訪れる。

吉原は自分の横領を忠告してきた町井と女性を殺害し、罪を擦り付ける事に成功。

しかし、その後不幸な事が起こり続け、5年前の罪を懺悔するべく葵の元を訪れたーー

 

犯人が死体を沼に落とした理由は真犯人をかばうためと言う琴子。

葵は吉原から連絡を受けた際、町井の弟に連絡し二人で吉原と会っていた。

吉原を殺害したのは町井の弟だが、葵は彼を庇うために沼に死体を捨て真犯人の痕跡を消すと同時に、真犯人のアリバイ作りの時間を稼ぐ。

そして様々な痕跡を洗い流すため、死体を捨て水神である大蛇を怒らせて雨を降らせてもらおうと考え「(大蛇が)うまく見つけてくれるといいのだけれど」と呟いた。

琴子の説明を聞いた大蛇はそれでも納得せず「うまく大雨が降るといいのだけれど」又は「大蛇が怒るといいのだけれど」と呟くはずだと反論する。

 

その言葉に「もっともです」と答え、自分の意見を否定する琴子。

共犯者や真犯人はおらず葵の単独犯であるという警察での自供内容が真実。

違うのは死体を沼に捨てた理由だけだと話す琴子。

 

琴子が心配で山に来て話を聞いていた九朗を発見する琴子。

九朗が来てくれたことに喜ぶ琴子だったが、大蛇は「犯人がこの沼に死体を投げ込んだ本当の理由とはなんなのです?」と琴子に詰め寄る。

 

 

感想:

大蛇の悩みを解決するため琴子が推論の限りを尽くす2話。

虚構推理っていうのはこういう事か・・・と、この物語の本筋が理解できる。

 

妖怪に九朗の後をつけさせる積極的な琴子。

「妖怪達に僕の居場所を聞いたのかな」と疑う九朗に「私も眼と足の検診がありますので。たまたまです」と回答。

直後、スカートの中から一反木綿が逃げていくが、素知らぬ顔で冷静さ装う琴子が可愛くて面白い。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

そして豚汁に負ける女、琴子。

可哀そう・・・(笑)

九朗の中では「手作り豚汁>琴子」なんだよなぁ。

 

九朗の後をつけ、家まで探索し、大蛇様に彼氏だと言い張る琴子・・・うん、一歩間違えるとストーカーだ。

 

大蛇様の所で九朗が作った豚汁を水筒から出し食べる琴子。

「ところでおひいさま。そうして持ってこられるなら、彼氏殿も一緒に来て食べられたのでは?」と口にする大蛇。

次の瞬間「あ!いや!2人分の水筒がなかった、そうに違いありません」とフォローする。

メチャクチャ気を遣う大蛇様(笑) 

 

大蛇様が体大きいのにメチャクチャ細かい。 

これは納得させるの大変そうだ。 

 

そして、1話に続いての唐突な終わり方に、再び「えっ!ここでおわり!?」って声が出た。

うん、やられた~!

続きが気になってしょうがない。

 

 

 

第三話 鋼人の噂

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

葵は自分の探し物を警察に見つけてもらうために死体を沼に投げ込んだと説明を始める琴子。

傷心で実家に戻った際に町井の子供を身籠っていた葵は流産し、嬰児の遺体を沼に捨てた。

しかし、町井の死の真相を知った葵は自身の行いを悔い、せめて遺体を引き上げ弔わねばと考えた末、警察に沼を捜索してもらう計画を実行し、「うまく見つけてくれるといいのだけれど」と呟いた・・・。

琴子の説明を聞いた大蛇は納得し、改めて人間の恐ろしさに驚愕するのだった。

 

帰りのタクシーで話をする琴子と九朗。

琴子は嬰児の遺体の話しは嘘であると九朗に告げる。

大蛇と会う前に、浮遊霊に留置所にいる葵の様子を見にやらせていた琴子は、葵が本当に大蛇に死体を見つけて欲しいと願っていた事を確認済みだった。

しかし、それでは大蛇が納得しないだろうと考え知恵を絞ったと琴子は九朗に話し、そのまま眠りにつく。

 

二年後。

婦人警官となった紗季は「2メートルくらいの長い鉄骨を構え、フリルの目立つ赤と黒のミニスカートのドレスを纏い、頭に大きなリボンを付けた顔のない女性」通称:鋼人七瀬を目撃し交通事故を起こした事件に遭遇する。

今年の初めに工事現場で鉄骨の下敷きなって死んだアイドル七瀬かりんの亡霊と言われている鋼人七瀬。

現場の状況を刑事の寺田から聞かれた紗季は、事故を起こした大学生が常識ではいるはずのないものを見たのは本当だろうと思うと答える。

最近急増している鋼人七瀬の出現話しを、周到に仕組まれた大きな犯罪の伏線と感じている寺田。

紗季は九朗の件もあり、この世には幽霊も妖怪も確かに存在する可能性があることを寺田に話すが軽くあしらわれ、真面目に受け取ってはもらえなかった。

 

警察からの帰り道、紗季は坂の上から転がってくる琴子を助ける。

逃げてくださいと言う琴子、その先には鋼人七瀬の姿があった。

「河童から逃げ、九朗から逃げ、妖怪の類に人生を振り回されるのもいい加減腹が立つ」と紗季は鋼人七瀬に突っ込みパンチをお見舞いするが、その拳は幽霊である鋼人七瀬をすり抜けてしまう。

紗季を助けるため鋼人七瀬にタックルし攻撃を仕掛ける琴子。

琴子の攻撃に吹っ飛んだ鋼人七瀬はその場から姿を消す。

 

霊に体当たりできる琴子に驚く紗季。

鋼人七瀬は自分が何とかするので、今日の事は忘れてくれぐれも警察沙汰にはしないようお願いする琴子。

紗季は警察手帳を出し「詳しくは署で」と琴子を連行しようとする。

 

警察手帳の名前から助けたのが九朗の元カノ「紗季さん」であると知った琴子は、「岩永琴子といいます。桜川九郎先輩の今の彼女です!」と紗季に自己紹介する。

 

 

感想:  

前半は前回の解決編、後半は鋼人七瀬の話しのプロローグと言った感じの第3話。

 

やっと納得した大蛇。

やっぱり琴子の話は嘘だったのか・・・。

まさしく虚構推理って感じのまとめ方だ。

 

そしていきなりの2年後・・・。

おいおい展開急すぎるだろ(笑)

 

坂の上から転がり紗季に助けられる琴子。

紗季「大丈夫?」

琴子「ええ、破瓜の痛みに比べればこれくらい」

紗季「こういう時になぜ、変に生々しい例を持ち出す!?」

琴子「だって、一番痛い経験だったんだから仕方ないじゃありませんか」

いやいや、琴子さん?いきなり何を言い出すんだい?

でも、このセリフで九朗と恋人になり経験したって事を暗に匂わせてるのが結構巧い。

 

鋼人七瀬と対峙する琴子と紗季。

琴子「逃げてください。あれは目の錯覚ではありません。あれはああいう存在。亡霊・化け物・妖怪などと呼ばれるもの」

紗季「わかってる。あの空気感は本物だから」

琴子「あの大きい胸も本物ですね」

紗季「そこは問題じゃないでしょ!」

相変わらずの琴子(笑)

どんな状況でも冷静で粋な会話をしやがる。 

 

「岩永琴子といいます。桜川九郎先輩の今の彼女です!」からの紗季さんのグーパンチを喰らい「ギャッフ!」

元カノに宣戦布告していくスタイル(笑)

しかも、ここで「つづく」って・・・。

また面白い所で話を切りやがる。

  

 

 

第四話 アイドルは鉄骨に死す

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

紗季の住むマンションで怪我の手当てを受ける琴子。

琴子は自分の事を妖怪などのトラブルを仲裁し解決する知恵の神と説明し、人間の範疇を超えた九朗とは良い組み合わせだと紗季に説明する。

この地域に以前から住む妖怪たちが助けを求めて琴子の所にやってくるほどに、鋼人七瀬はまともではないため今後遭遇しても逃げるように紗季に伝え、琴子は紗季の家を後にする。

 

七瀬かりんについて調べる紗季。

ーー17歳の時に芸能デビュー。

1年後に深夜ドラマでブレイクしテレビやラジオへの出演が増えていった。

しかし、父親が自宅マンションの階段から転落し死亡。

事故死とされたが、娘を当てにして働かなくなった父が疎ましくなった七瀬かりんが父を殺害したとスキャンダルが語られるようになる。

七瀬かりんは事態の鎮静化を待つために休業し真倉坂市にやってくるも、数日後宿泊先のホテルのそばで死亡するーー

 

警察署で寺田刑事と話す紗季。

寺田は鋼人七瀬の風貌があまりにも世間の喜びそうなスタイルであり、霊とかではなく背後に別のものが隠れてるに決まってると推理を展開する。

そして要点をまとめて説明してくれと七瀬かりん死亡事故の捜査資料を紗季に渡す。

 

人を殺せるほどの力を持つ亡霊は一定の知能を有してるが、鋼人七瀬にはそれが無く虚ろな操り人形のような振舞いを疑問に思う琴子。

ネットで情報を収集する琴子は、鋼人七瀬のまとめサイトで鋼人七瀬を直接見て描いたようなイラストを発見し、その正確な描写からある仮説を立てる。

鋼人七瀬を倒すために七瀬かりん死亡事故の正確な資料が欲しい琴子は、渋々紗季さんに連絡を取る事にする。

 

部屋で寺田から預かった資料に目を通す紗季。

ーー宿泊していたホテル近くのマンション建設予定地で七瀬かりんの死体が発見された。

鉄骨の下敷きになった死体は顔と頭部を砕かれ容姿や歯型の確認もできないほどに、首から上は潰れていた。

所持していた携帯と財布から遺体は七瀬晴子であると思われ、宿泊先のホテルの指紋も一致。

死体は七瀬かりんと断定された。

警察は事故・他殺・自殺の可能性を視野に入れて捜査を進め、公式には事故死と結論づけたーー

 

琴子の使いの妖怪がマンションに現れ驚き怯える紗季。

紗季は妖怪から七瀬かりんの死について知りたいという琴子の伝言を聞き、琴子と会う約束をする。

 

ファミレスで紗季を待つ琴子は、妖怪から鋼人七瀬出現の報告を受け現場に急行する。

現場に到着した琴子は、先週から行方知れずの音信不通だった九朗が鋼人七瀬と戦っているのを発見する。 

 

 

感想: 

七瀬かりんのバックボーンの説明をしつつ、紗季と琴子のやり取りが漫才だった第4話。

 

琴子が九朗の彼女と言う話を「あなた、九郎君のタイプじゃないもの」と信じない紗季。

(九郎君の入院していた従姉さんも亡くなったそうだし・・・やけになってこういう娘に声を掛けたら粘着されて困ってるのかも)って酷い。

でも粘着されて困ってるってのは合ってるかも(笑)

 

「だぁーっ!では、この私と先輩の仲むつまじい写真を見るがいい!」と九朗との写真を紗季に見せる琴子。

どの写真も九朗が仏頂面で酷い(笑)

目が・・・九朗の目が完全に死んでいる・・・。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

「先輩は照れ屋で」と言い訳する琴子に「5年以上付き合った女にその嘘は通じないから」とバッサリ言い切る紗季。

これは琴子も勝てないんじゃ・・・。

っていうか、本当に付き合ってるの?これ。

 

自分の事を「妖怪・あやかし・怪異・魔。そう呼ばれるもの達の知恵の神。そのもの達のトラブルを仲裁し、解決する巫女とでも思ってください」と紹介する琴子。

紗季「巫女が破瓜してちゃいけないでしょ」

この話し聞いてツッコむ所そこかよ!

先週からそのネタ続いてたのかよ!

 

妖怪も恐れる九朗が琴子と一緒にいない事を不審に思う紗季。

「それが、九郎先輩、先週から行方知れずの音信不通で。携帯電話の留守電にも無反応」と白状する琴子に対し、

「あなたやっぱり九郎君に嫌われてるって。私が付き合ってた頃は、九郎君に連絡をして無反応なんてこと一度もなかったわよ?彼はそう・・・居てほしい時にそばに居てくれる人だった」と半分ノロケて琴子を追い込む紗季が酷い。

 

紗季の家を後にする琴子。

「あ!よろしければ、九郎先輩と私の結婚式の際には招待状を!」

「いらないから!」

ほんと何なの?この二人のマウントの取り合い(笑)

 

七瀬かりんの深夜ドラマの主題歌を丸々作って流すこの作品のスタッフは頭がおかしい(誉め言葉)

一瞬何が始まったのかと思ったよ(笑)

 

鋼人七瀬が現れたと報告に来た頭から血を流す子供の妖怪に「紗季さんがここに来たら、私が戻るまで待っているか、鋼人七瀬の現れた場所に、後からでも来るように伝えなさい。紗季さんは子供好きなので、うんと甘えると喜びますよ。尻・乳のひとつやふたつ触っても、怒らないでしょう」と余計な事を伝える琴子。

「反応が見ものですね」とファミレスを後にする姿がひでぇ。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

 

 

第五話 想像力の怪物

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

琴子に約束をすっぽかされ妖怪から琴子の居場所を聞いた紗季が九朗と鋼人七瀬が戦っている現場に怒りながら現れる。

九朗が居る事に驚く紗季だったが、琴子と紗季は戦いを見守る事にする。

鋼人七瀬に頭を割られ死亡する九朗は復活し、今度は簡単に鋼人七瀬の攻撃を避けてみせる。

九朗の能力・・・人魚と一緒に食べた予言獣「件(くだん)」の力である未来決定能力によるものだと紗季に説明する琴子。

 

ーー桜川家の秘密。

九朗の何十代か前にあたる当主が予言の力を得ようと「件」の肉を家の者たちに食べさせた。

件の肉を食べた者は予言をしすぐに死んでしまうため、不死である人魚の肉を一緒に食べさせるが、試みが成功する事はなかった。

時は過ぎ、九朗の祖母がこの試みを行い、九朗だけが生き残り不死の体と死ぬ瞬間に未来を視る能力を得るーー

 

鋼人七瀬の首を折り勝利する九朗だったが、鋼人七瀬は復活し現場から姿を消す。

その様子を見た琴子は今後の対策を決め九朗と合流する。

 

紗季のマンションで作戦会議をする琴子たち。

琴子は鋼人七瀬が口裂け女や人面犬のような現代に生きる人間の妄想と願望が作り上げた想像力の怪物だと説明する。

鋼人七瀬まとめサイトのイラストは亡霊を元にイラストを描いたのではなく、イラストを元に鋼人七瀬をイメージするからその姿で実体化する。

そして、亡霊がいたからまとめサイトが生まれたのではなく、まとめサイトができたから亡霊が生まれた。

そう説明する琴子は、このサイトこそが鋼人七瀬の正体だと言う。

  

 

感想: 

九朗の能力の説明と鋼人七瀬の正体に近づく第5話。 

 

「ちょっと!いったいどういうつもりなの?化け物に呼び出しさせといて席を外してるわ、幽霊に伝言を残していくわ!」と琴子の前に姿を現し怒り狂う紗季が面白い。

これは琴子がろくでもないのが悪い(笑)

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

頭を割られ死亡した九朗が復活するのを見て恐怖する紗季。

「丈夫な恋人・・・傷病保険の心配をしなくていい、素敵な日那様と受け入れられないものか・・・まあ、この様子では無理だったらしい」と紗季を見て思う琴子。

まあ、普通は丈夫な恋人でラッキーとはならんだろ、これ。

丈夫っていう次元じゃないしな。

 

鋼人七瀬の首をへし折る九朗。 

琴子「九郎先輩、ああいう意外にきっぱりしたところも魅力ですよね!」

紗季「亡霊の首を折れる彼氏なんかいらないわよ」

なんで君たちはすぐに漫才始めるかな~。

喜んでガッツポーズな琴子とドン引きしてる紗季が対照的。

 

久しぶりに再会する九朗と紗季。

紗季「本当にこの子が今の彼女なのね」

九朗「ええ、本当に今の彼女なんです」

琴子「九郎先輩、なぜ心底嫌そうに言う!」

九朗「心底嫌だからだよ!」

琴子可哀そう(笑)

まあ、でも彼女っては否定しない九朗は優しい・・・のか?

 

1週間連絡してこない九朗に文句を言う琴子。

「大体、1週間も恋人を放っておいて、その態度はどういう了見です!メールくらい返したらどうなんですかっ!?」

「お前だったのか・・・迷惑メールかと思ったよ」

やっぱり琴子可哀そう(笑)

ラブラブな琴子としょうがなく付き合ってるが満更でもない九朗のカップルが最高だ。 

 

 

 

第六話 合理的な虚構

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

外部からの願望で成り立っている鋼人七瀬は不死身だという琴子。

琴子は鋼人七瀬を倒すには噂の出所である鋼人七瀬まとめサイトを利用し、人の想像力を攻略するしかないと九朗と紗季に話す。

その根を断つには「亡霊がいる」という現状に対して、現在頻発している傷害未遂事件の犯人とその動機の2点を説明し、現実的で魅力的な解決を提示「亡霊はいない」という物語を作る必要があると説明する琴子。

琴子は、作成した物語が間違いを指摘され説得力を失わないように、七瀬かりんの死について正確な情報が必要だと紗季に協力をお願いする。

 

紗季は捜査資料から事件について話し始める。

ーー七瀬かりんは父親殺しの容疑がかけられメディアに追われ真倉坂市に潜伏。

死体が発見されたのはマンション建設予定地の工事現場。

死亡推定時刻は午前0時過ぎ、雨が本降りの天候。

19歳の女性が独りで出歩くには不自然な時間と天候であるが、煙草の吸い殻が5本落ちており、コートのポケットからも煙草が発見されたことから、未成年の七瀬かりんが隠れて煙草を吸うため工事現場に入ったと推測される。

そして、煙草を吸っていたところ鉄骨が倒れてきて即死。

鉄骨を避けた形跡がなく、マスコミから追われ精神的に追い詰められていた状況から「限りなく自殺に近い事故死」という結論に至る。

他殺方面で七瀬かりんの姉である初美の名も挙がったがアリバイがあったーー

捜査中に初美は「妹がこんな簡単に死ぬわけない」と繰り返していた事が気になると話を続ける紗季。

 

紗季の話を聞き終え、七瀬かりんの事故現場にいく琴子たち。

琴子はそこにいる亡霊に七瀬かりんの死亡時の様子を聞く。

独り落ち込んだ様子で煙草を吸う七瀬かりんに鉄骨が倒れてきて、彼女は鉄骨を避けようともせず自殺するように死んだと当時の様子を語る亡霊。

その話を聞き日本の警察は優秀だとほほ笑む琴子。

 

紗季と別れホテルに向かう琴子と九朗。

「件」の予言能力は未来を視ているのではなく、死に際にだけ無数にある未来の分岐を一つに決定できる能力、そして九朗は起こる可能性の高い未来しか決定できない・・・。

そんな九朗が鋼人七瀬と戦った際、鋼人七瀬を倒して勝つ未来は選択できなかった。

琴子は自分が可能性を用意し九朗が鋼人七瀬に勝つ未来を選択できるようにすると誓う。

 

夜のガソリンスタンドで鋼人七瀬を発見する寺田刑事。

寺田は噂と同じ出で立ちの鋼人七瀬を不審に思い、職務質問しようとするが撲殺されてしまう。

 

 

感想:   

鋼人七瀬の倒し方の説明と七瀬かりんの死の真相が明らかになる第6話。

寺田さんいきなりの死亡で、えーー!って感じの終わり方。

幽霊のおかげで七瀬かりんの死の真相は分かったけれども、証拠も何もないのでここから世間が納得するロジックを組み立てるって感じ。

さらに幽霊の鋼人七瀬がいる話よりも世間が納得し面白いと思える話しを提供する必要があると・・・なるほど。

幽霊がいる真実を知る琴子たちが幽霊はいないという虚構話をつくる・・・。良くできてるな!

 

夜の工事現場で魔法少女ばりに空中に魔方陣を描き始める琴子。

琴子さん?痛すぎませんか?

九朗「これやらないと気がすまないそうで」

琴子「神聖な巫女の舞です!」

紗季「巫女って魔法陣描いたりするもの?」

琴子「いちばん格好いいんですっ!」

紗季「誰に格好つけたいのよ」

琴子「そりゃあもちろん!これからお呼びするような方に」

って、またまた紗季さんが驚いて可哀そうなことに(笑)

なんか紗季さん不憫よね。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

自転車二人乗りでホテルに向かう琴子と九朗の会話。

琴子「先輩。未来決定能力で紗季さんと別れないで済む未来を選ぼうとしなかったんですか?」

九朗「それをやっていいなら、僕は真っ先にお前と別れる未来をつかんでくるぞ」

琴子「そ!それは卑劣だっ!外道の所業だっ!」

九朗の返答は本当にそう思ってるんだか、琴子を揶揄ってるだけなのか、イマイチ判断に苦しむ(笑)

 

 

 

 

第七話 鋼人攻略戦準備

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

寺田刑事が殺害された翌日。

寺田の顔面・頭部は、鈍器状のもので殴られ潰されており、争った形跡もない事から鋼人七瀬の犯行だとか、七瀬かりんの死と関連付ける憶測や噂で持ちきりとなる。

鋼人七瀬の噂が広まりだした時から、不自然に亡霊の存在を支持し発展させる流れが圧倒的な状況に、琴子は六花が黒幕だと九朗に告げる。

 

琴子のホテルを訪れる紗季。

琴子はあやかしの目撃情報から寺田を殺した犯人は鋼人七瀬だと紗季に告げ、噂が強くなり鋼人七瀬の凶暴性が一気に増している状況で今夜中に倒さなければならないと話す。

 

寺田刑事殺害事件の詳細を紗季から聞く琴子。

現在頻発している傷害未遂事件の犯人とその動機の2点を説明し物語を作る予定が、今回の件で、寺田が鋼人七瀬の犯行に見せかけて殺された理由、寺田が無抵抗で殺された理由、寺田を殺した犯人の3点を追加で物語に入れなくてはならなくなり、琴子は考えがまとまらず悩む。

自分が何度死ぬことになっても段階を踏んで未来を決定し続けると表明する九朗に助けられ、琴子は4つの解決を組み上げる。

 

仮眠をとる琴子。九朗と紗季は食事をしに外に出る。

琴子との馴れ初めを聞きながら、九朗の好みの女性は六花だったと言い、付き合っていた頃を思い出す紗季。

ーー桜川六花。九郎の3歳年上の従姉。紗季と九郎が付き合っていた時、彼女は大学病院に長期入院していたーー

 

 

感想: 

寺田が殺害されたことにより虚構作成が難しくなるも何とか組み上げ、今回の件の黒幕である六花さん登場の第7話。

事件の黒幕登場で話がさらに複雑に盛り上がってきた。

 

琴子の部屋にやってくる九朗。

琴子「同じホテルに泊まっておきながら別室をとるなんて。彼氏としてどうなんです?」

九朗「岩永が少しでも快適に眠れるようにと思ってだな」

琴子「むしろ寝かさないと言えませんか?」

九朗「寝早起きが健康の秘訣だ」

琴子(不死身から健康という言葉が・・・)

やっぱり、この二人の会話は面白い。

 

 

 

第八話 虚構を紡ぐ者 

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

鋼人七瀬が出現した時に備え車の中で待機する琴子と紗季。

琴子は六花の事を聞いてくる紗季に六花の事を話す。

 

ーー九朗の従姉である六花は九朗同様人魚と件の肉を食べており、長期入院していたのはその体や能力を調べさせるためだった。

六花は病院の理事長交代と共に退院することになったが行く当てなく、九朗の計らいで琴子の家に住むことになる。

しかし、一月前に住む場所と仕事が決まったと琴子の両親に挨拶して居なくなり、住所と仕事先はデタラメで現在行方不明。

その後、九朗は六花を探していたようだーー

 

鋼人七瀬のまとめサイトのトップ絵が六花のタッチそっくりであり、琴子は六花が今回の件に関わっていると気付いた。

六花は1年ほど前から絵を描き始めていたが、その頃から想像力の怪物を生み出す計画をし、鋼人七瀬と名付けたのも、付随する物語を作ったのも全て六花であり、鋼人七瀬は六花が未来決定能力を駆使して自分が望む未来を掴み続け素早く成長させたのだろう・・・と、琴子はここまでの推論を語る。

そして、六花を探していた九朗もまとめサイトを見て六花に気付きこの街にやってきたと琴子は紗季に話す。

 

鋼人七瀬が出現したと化け猫からの連絡を受けた琴子たちは現場に急行する。

 

鋼人七瀬まとめサイトの掲示板を見ながら、自分の首をナイフで掻き切り自殺しては未来決定能力を使って今夜の行動を決める六花。

 

現場に到着し鋼人七瀬と対峙する九朗。

琴子は車の中でPCをまとめサイトに繋げ、このサイトを見ている不特定多数を納得させる虚構を繰り広げるべく六花の攻略に取り掛かる。

 

  

感想: 

ほぼ一話使っての黒幕六花の説明回な第8話。

最後に「鋼人七瀬攻略議会・・・開会です!」って宣言する琴子がちょっとカッコイイ。

役者が揃い、舞台が整い、さあ、ここから本当の戦いが始まるぞ!って感じでワクワクが止まらない。

 

仮眠をとってる間、九朗と紗季を二人きりしたことを後悔する琴子。

「私が眠っていたのは約1時間半。1時間半もあればいろいろなことができる。それはもう、いろいろなことが!ああああああっ!」って一人のたうち回る琴子が可愛い。

 

九朗から六花の泊る所を相談され、頼みを聞く代わりに条件を出す琴子。

九朗「条件を聞こう」

琴子「九郎さんの部屋の合い鍵をください」

九朗「無茶を言うな」

琴子「彼女に部屋の合い鍵を渡す事のどこが無茶か!」

相変わらず琴子の扱いが酷い。

さらに、自宅で彼女が家事して出迎えてくれるのは素敵でしょう?と言う琴子に、裸エプロンや混浴や同衾を無理やり要求される想像をする九朗・・・これはひどい(笑)

まあ、琴子ならこうなりそうではあるけれども。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

そして六花との同棲を想像した内容と違い過ぎる。

やっぱり九朗の本命は六花なんじゃないだろうか・・・。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

六花と一緒に住んでいたと言う琴子に 

紗季「あなた・・・六花さんに嫌われなかったの?」

琴子「なぜ嫌われたという前提で問う」

そりゃ、あなたのその性格じゃあね、そう思われてもしょうがないと思うの。

さらに、

琴子「六花さんと初めてお会いした時は・・・」

六花「九郎。この娘はよくないと思う」 

九朗「同感です」 

おいおい九朗君、同感ですはないだろう(笑)

紗季「いたたまれないわ」 

琴子「はい。みんないたたまれませんでした」

その後、「よくはないけど、まずくはないかもしれないから」と気を遣ってフォローする六花。

ラスボスに気を遣わせる琴子って何もんだよ!

 

六花さんと初めて会うシーンでは紗季と琴子での六花の対応の違い、九朗の同棲の妄想では六花と琴子の違いで、琴子への対応の酷さが際立ってるのが面白い。

 

 

 

第九話 鋼人七瀬攻略議会 

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

琴子は鋼人七瀬まとめサイトの掲示板に「鋼人七瀬は本当にいるのか?」と書き込みを始める。

犯人は寺田刑事を殺害するために、鋼人七瀬という都市伝説を作り上げたと続ける琴子。

 

ーー犯人は鋼人七瀬のサイトを見つけ、その特徴とされる姿をして人を襲う事によって、警察に話しが持ち込まれるように仕向け寺田刑事が動くのを待った。

そして、鋼人七瀬に襲われたと嘘をつき寺田をガソリンスタンドに呼び出す。

犯人は寺田が来る前に、ガソリンスタンドの天井から重りをぶら下げ寺田の頭に当たるよう長さを調節。

重りをフックで引っ掛けスイッチを押すことによって振り子のように重りが寺田に直撃する仕掛けを作るーー

琴子は、これが抵抗の後もなく殺害された理由であると説く。

 

掲示板ではトリックが面倒過ぎる、鋼人七瀬のフリをして事件起こすのも手間だ、毒殺の方が簡単・・・等々、琴子の推理に対し指摘が挙がる。

 

応戦する琴子は犯人が女性であると宣言する。

犯人は自分が捜査の対象から外れるため、わざと自分とは正反対の屈強な男の犯行に見える殺し方をした。

その為に鋼人七瀬という亡霊をでっち上げた。

そして寺田の性格や背格好をよく知り、現場に頼りになる刑事を呼び出しても不審がられない人物・・・寺田と同じ署に勤める女性警官が犯人であると書き込む琴子。

 

掲示板の流れは一旦琴子の方に向くが、女性一人で振り子のトリックを仕掛けられない、寺田が動くほど噂を広める手間は安全ではない等、すぐに反論が生まれる。

 

一気に流れが戻されたことで六花が未来決定能力を使ったと考える琴子。

琴子は、そもそも活発な掲示板なのに荒らしの一つも起こらないのは、六花がそういう未来を選択し維持してるからであり、元々六花の有利な場所で戦っていると紗季に説明する。

4つある解決の1つを主張したに過ぎず、一部でも信じてもらえれば十分と余裕を見せる琴子。

 

掲示板に「鋼人七瀬は本物の亡霊だ。俺は見たぞ!」という書き込みがされ、琴子は解決第二に移行する。 

 

 

感想:

ついに始まった鋼人七瀬攻略議会。兎に角、琴子が延々と喋りっぱなしの第9話。

声優さんお疲れ様。

 

琴子が繰り広げた犯人は寺田と同じ署に勤める女性警官という虚構に納得し感心する紗季・・・

紗季「って、ちょっと!この犯人ほとんど私になってるじゃない!」

琴子「や、気付きましたか」

紗季「気付かないわけあるかっ!同じ署にいる女性警官で、寺田さんに好意を持たれてたって・・・真倉坂署の署長でも一発で気付くわ!」

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

紗季さん面白すぎ。物凄く感心して溜めて溜めてからのツッコミ巧いです(笑)

虚構で誰かを犯人としてしまうのはNGだが、彼氏の元カノならOKって酷すぎません?琴子さん。

本当の話を混ぜた方が虚構にリアリティーが付くから仕方ないね。

 

「この議場は特殊です。ここには最初から真実はありません。あるのは虚構だけ」という琴子。

初めはいなかった鋼人七瀬。六花が虚構を実体化さえ、琴子と九朗が鋼人七瀬は虚構であると信じさせようとしている。

真実は何一つなく虚構だらけの戦いが面白い。

「真実はいつも一つ!」と言ってるコナン君じゃ、できない所業だね。

 

 

 

第十話 虚構争奪 

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

 

鋼人七瀬は本物の亡霊だという書き込みに対し、「鋼人七瀬はでっち上げではない。本当にいる亡霊である」と琴子は今までと真逆の発言をする。

そして、七瀬かりんが亡霊として現れる目的を皆に問うのだった。

 

ーー七瀬かりんの父は娘の成功に嫉妬し、娘を陥れるため事故死に見える形で自殺、後に娘の殺意を綴った手記が発見されるように仕組んだ。

限りなく自殺に近い事故死をした七瀬かりんは、あの世で父と再会し事の真相を知る。

七瀬かりんは悪意を持って父に陥れられた無念のあまり成仏できず亡霊として現れ、父親を殺害したのではなく、父親に殺されたのだと悲劇を訴える為に暴れているーー

そう説明した琴子は七瀬かりんを安らかに天に帰そうと訴える。

 

琴子の虚構により掲示板では七瀬かりんへの同情が集り始めるが、世間全般恨んでるように見える、警官まで殺してる等の反論が出始める。

六花が流れをつかみ返してきたが、琴子の物語を全否定出来ていない状況に、琴子は解決第三を放つ。

 

鋼人七瀬は怪異ではないと新たな仮説を立てる琴子。

 

ーー父親の手記は妹を快く思っていない姉がマスコミに送り、その効果は思惑を超えて妹の死という形になってしまった。

妹がそんな簡単に死ぬわけないと思っている姉は、妹の死体は偽装で自分に報復してくると思うようになり、精神を病み始める。

姉を助けようと考えた人物が、七瀬かりんが死んでいる事を証明するため、七瀬かりんの亡霊を演じ、偶然出くわした寺田刑事も殺害してしまうーー

殺人までも犯したこの人物は危険であり、今すぐ関係者の安全を確保すべきであると自論を展開する琴子。

 

この推論は一定の支持を得るが、鋼人七瀬が鉄骨を振り回し殺人まで犯すとなれば姉の恐怖は最大化し精神的に追い詰めるため、犯人の動機が成立しないと六花自身が書き込み反論する。

 

 

感想:  

第二第三の虚構を放つ琴子と、最後に登場するラスボス感たっぷりな六花を楽しめる第10話。

今回も延々と琴子が喋りっぱなし。

鋼人七瀬が居るとか居ないとか繰り返すので以下ここまでのまとめ。

1回目:鋼人七瀬は実在しない。犯人は寺田刑事を狙った婦人警官。
2回目:鋼人七瀬は実在する。父に陥れられた悲劇を伝えたくて亡霊化している。
3回目:鋼人七瀬は実在しない。犯人は妹の報復を恐れ精神が病んでしまった姉を助けたいと考えた第三者。

 

突然始まる、死亡した七瀬かりんがあの世で父と再会するファンタジーに驚く紗季の顔(笑)

毎回毎回紗季さんが良い味出し過ぎてる。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

「あの世で父親から真相を知るって、超理論もいいとこじゃない!」とツッコむ紗季に「あの世で知らずにどこで知るんですか」と冷静に回答する琴子。

いや、まあそうなんだけど・・・。オカルトの部類ですよね、その話。

 

 

 

第十一話 最後の虚構 

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

六花は「鋼人七瀬という亡霊はいない」という結論にならなければ良く、目立たないよう単純な選択肢を選び、結論以外の細部は潰してこないと考える琴子。

今までの解決第一~第三は結論は棄却されても、寺田刑事が鋼人七瀬を独自調査していた事、七瀬かりんの父親が悪意を持って手記を残した事、七瀬かりんの姉が手記をマスコミに流した事、といった要素は棄却されていないという琴子は、あとは最後の一撃を放つだけと解決第四を開始する。

 

鋼人七瀬は虚構であり、鋼人七瀬という亡霊を作り寺田刑事を殺した真犯人は、七瀬かりん、本名:七瀬晴子であると宣言する琴子。

そして琴子は、マンション現場で死んだのは七瀬かりんに仕立て上げられた別人であり、顔のない死体トリックを仕掛けた本物の七瀬かりんは今も生きていると続ける。

 

その解に掲示板は騒然となり、サイト閲覧者たちが積極的に謎解きを始め、七瀬かりんが鋼人七瀬を必要とした理由がみるみるうちに作られる。

その様子を目の当たりにする紗季は、琴子が複数解決を投下した理由を、サイト閲覧者たちに推理の要素を与え彼らを探偵として巻き込むためだったと理解する。

 

ーー顔のない死体トリックにこの先気付かれる可能性を排除するため、七瀬かりんは世間から自分を完全に殺す道具として鋼人七瀬を作った。

そして七瀬かりんは夜な夜な真倉坂市に現れ鋼人七瀬を演じ噂を広め、鋼人七瀬まとめサイトを開設したーー

自分の提示する解決をことごとく棄却しようとしたのも、サイト管理人七瀬かりんが鋼人七瀬を亡き者にされては困るからであると嘘を並べる琴子。

 

琴子は次に寺田刑事殺害について語る。

ーー次に騒ぎを起こす場所を下見していた七瀬かりんは、鋼人七瀬を調査していた寺田刑事に職務質問される。

目の前の女性を不審に思う寺田刑事は、その姿と顔から七瀬かりんと気付き驚いた瞬間に不意打ちを受け気絶。

それを鋼人七瀬の仕業に見せかけようと決めた七瀬かりんは寺田刑事の顔面を砕き、現場から逃走するーー

 

寺田刑事殺害について語った琴子は、管理人に向け「否認するならあなたが七瀬かりんでないことを証明して欲しい」と告げ、「もう一度言おう。七瀬かりん、あなたが犯人だ!」と宣言する。

盛り上がるサイト閲覧者たち。

サイトの開設も犯人の企み。3つの解決が棄却されたのも犯人の意図。そして鋼人七瀬の亡霊が存在しない理由となる七瀬かりんは生きていたという物語・・・これらを組み上げた琴子に感心する紗季。

 

サイト管理者である六花が「私は七瀬かりんではない」と書き込みをしたらどうするのか?と問う紗季に、「七瀬かりんが管理者の方が面白いと盛り上がっている中、もう誰もそれを信じない」と答える琴子。

 

そして、何度も死亡する中で鋼人七瀬を滅ぼす未来を選択する事に成功した九朗が、鋼人七瀬の顔に鉄骨を突きさし勝利する。

 

 

感想:  

六花との戦いに終止符が打たれる第11話。

自分たちで推理させるネタを以前の解決に仕込んで置き、「七瀬かりんは生きていた」という仮説でサイト閲覧者たちの推理を誘発。

さらにサイト管理者を七瀬かりんとする事で、まとめサイトに情報が集まっていた理由を説明、琴子の推論に真実味を持たせ、

3つの解決が棄却されたのも管理人が鋼人七瀬の亡霊を否定されては困るからと、相手の今迄の反論を逆手に取る。

少しずつ真実を織り交ぜながら、嘘で塗り固めた凄い虚構だ。

結局、オーディエンスを巻き込み、彼らが面白いと祭り状態になった物語が真実であるということなのね。

 

夜、ガソリンスタンドで七瀬かりんを見かける寺田刑事。

琴子「あなたは普通の服装をしていただろうが、刑事は見逃さなかったのだ。あなたの胸が大きいのを。鋼人七瀬を想起させるあなたの胸に、刑事の勘が働いたのだ」

紗季「寺田さんは大きい胸は好みじゃなかったそうだけど」

琴子「九郎先輩もそうですね。私の小さい体が」

紗季「九郎くんは胸やら体の大きさで女性を判断したりしない」

この会話をしてる時の二人の目が死んでるのが笑える。

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

そして寺田刑事の性癖にネットで物凄い風評被害が出てる気がする。

まさに死体蹴り、死人に口なし。 寺田刑事可哀そう(笑)

 

 

 

第十二話 秩序を守る者 

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©城平京・片瀬茶柴・講談社/虚構推理製作委員会

鋼人七瀬は虚構であるという意見が多数派となり六花の企みは失敗する。

「今回はあなたたちの勝ち。またね」と琴子にメールしてくる六花。

六花の目的を問う紗季に琴子は、人の想像はあらゆる可能性を秘め無意識に怪物を創造して神様だって造れるかもしれないと答えをはぐらかす。

六花は敗北を認め鋼人七瀬まとめサイトを消した。

 

翌日。

九朗と会う紗季は琴子から聞けなかった六花の目的について質問する。

六花はその能力を使って積極的に普通の人間に戻ろうとしていると答える九朗。

大学病院の医療の力で治そうと試みたが失敗し、新たな試みとして自分の体を普通に戻せる想像力の怪物を生み出そうとしている。

しかし、怪物を生み出すことは琴子が許さないだろうと語る九朗。

今回の件で、六花は琴子が一番の障害と気付いてしまい、今後は琴子を直接狙うかもしれない・・・そう考える九朗は琴子を守る強い決意をしていた。

 

ホテルから家に戻る途中公園を散歩する琴子と九朗。

琴子は六花に関する新しい情報が入っても内緒で動かないで欲しいと九朗にお願いし、九朗は渋々了承する。

琴子の事を花より綺麗とさらりと褒める九朗に照れる琴子。

穏やかな時間を過ごす二人は仲睦まじく手を繋ぎ歩いていく。

 

 

感想:

六花の目的が語られ、琴子と九朗のイチャイチャが見られるエピローグ的な第12話。

このカップルはもっとイチャイチャしても怒られないと思うよ。

というか、二人のイチャイチャ面白会話をもっと聞いていたいし見ていたい。

予想以上に九朗が琴子の事好きでちょっと安心(笑)

1話を丸々使ったエピローグ的な話ではあるけれど、九話からここまで琴子が喋りまくり虚構を積み上げる展開だったので、クールダウンにはちょうどいい感じ。