2020年も終わったので、2020年に見た96作品の中から、面白かった10作品をランキング形式で発表したいと思います。ランキングには、現時点で放送終了していない作品は含まれません。
それでは10位からいってみましょう。
目次
第10位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド
10位は冬アニメの「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」。
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織を描くオリジナルアニメ作品。
結構難解・・・だけどグイグイと話が進んでいきとても面白い。
よくある猟奇殺人モノと言えばそうなんだけど、イドの中での謎解きと現実世界での犯人捜しと云う2つの視点を持つことにより、単なる殺人モノに+αされ面白さが増している。
イドの中のイドに入り始めて何処にいるのかわからなくなったり、犯罪者達がサイコパスな連中ばっかりでなに考えてるのかさっぱり分からなかったりしたりするけど、それらを差し引いても良く出来た作品だと思う。
SF寄りなので攻殻機動隊やPSYCHO-PASSが好きだった人にはお勧め。
第9位
かくしごと
9位は春アニメの「かくしごと」。
娘にマンガ家であることを隠し通そうとするマンガ家と、その娘の日常を描く漫画原作のハートフルコメディ作品。
コメディとしてはそこまで大笑いできるようなものではないけれど、テンポの良い会話とギャグ、姫ちゃんの可愛らしさ、そして親子の愛や様々な秘密が絡み合い非常に面白い作品だった。
毎回最後に18歳の姫を出す事によって、単なるギャグだけではなく哀愁みたいなものを漂わせる演出は効果的で、先が気になる構成はうまかった。
伏線回収もしっかりされて大満足だし、最後の姫の「ひめごと」もオチとして最高で、綺麗にまとめられた全12話だったと思う。
結局、「君は天然色」のEDが最高過ぎて飛ばせなかったなぁ。
第8位
アクダマドライブ
8位は秋アニメの「アクダマドライブ」。
戦争によって分裂しカントウの属国となったカンサイを舞台に、「アクダマ」と呼ばれる犯罪者たちの姿が描かれるオリジナルアニメ。
ブレードランナーやAKIRAのようなイメージの近未来的でサイバーな街並みと、オリジナルで先の見えないテンポ良く進むストーリーが面白い作品。
独特な世界観で、どうやってこの世界が出来たのか?カントウとは何なのか?シンカンセンとは何なのか?といった謎に迫るのが非常に面白い。
反面、謎の答えはびっくりするようなものでもないので、期待しすぎると「まあ、こんなもんかぁ」って感じになる面もある。
アクダマや処刑課の面々のキャラが立っており、ストーリーに上手に絡んでグイグイと話を動かす感じや、一番キャラの薄い一般人ちゃんがドンドンと事件に巻き込まれていく様が面白い。
ラストは賛否あるかもしれないけど個人的に良かったと思う(ネタバレになるので詳しくは語りません)。
非常に満足度の高いオリジナル作品だった。
第7位
映像研には手を出すな!
7位は冬アニメの「映像研には手を出すな!」。
人並み外れた空想力を持つ浅草みどり、金儲けが好きな長身の金森さやか、カリスマ読モだがアニメーター志望の水崎ツバメの3人を主人公に、女子高生によるアニメ制作活動を描く漫画原作の作品。
これぞアニメって感じ。
アニメの面白さってこういう事だったよな~っと思い起こさせてくれる、そんな作品。
素晴らしいマネジメント能力と経営能力を持った金森氏が優秀過ぎて笑える
技術屋の浅草と水崎を上手にコントロールし「人・モノ・金」をフル活用し作品を完成へと導く。まさに天才。
8話の水崎が親と会話をするシーン。「作ってて思ったよ。私が生きるってことは、こういう物をひたすら作ることなんだって。これはもう・・・どうしようもない」このセリフが熱すぎて忘れられない。
ラストは自主製作のアニメが延々と流れてちょっと暇だったけど、ほんと良い作品だった。
第6位
魔女の旅々
6位は秋アニメの「魔女の旅々」。
魔法が存在する中世に似た世界を舞台とし、その世界で旅する魔女イレイナが様々な場所や人を訪れる短編を中心としたライトノベル原作のアニメ。
「キノの旅」のような雰囲気を持った作品。
主人公のイレイナが色んな街を旅して、そこで起こった事件などを1話完結、もしくは15分の短編で見せてくれる。
イレイナの冷静沈着、シビアでドライだが好奇心旺盛、素直じゃなくて若干天邪鬼な性格が良い味を出している。
そしてその性格ゆえ、イレイナが事件を積極的に解決すると云う訳ではなく、どちらかというと語り部的な立ち位置な事が多かったり、トラブルの火に油を注いだりもするのが面白い。
ハッピーエンドやビターエンドからバッドエンドのようなモノまで、毎回違う展開を見せる様々なタイプの話しがあり、12話の中で飽きが来ず楽しめる良作だった。
第5位
デカダンス
5位は夏アニメの「デカダンス」。
突如として姿を現した未知の生命体《ガドル》により、人類が滅亡の危機に陥った世界を舞台に、夢を諦めない前向きな少女と夢を諦めたリアリストの男の出会いから始まるSFアクションオリジナルアニメ。
2話で「あれ?なんのアニメ見てたんだっけ?」となり、久しぶりに良い意味で目が点になる展開を見せられた。
「まどマギ」や「ゆゆゆ」の10話をいきなり2話に持ってくるような構成は本当にうますぎる。
アッと言わせた2話の後も、早いストーリー展開でダレる事無くオリジナル作品ならではの先の読めない面白さを堪能できる。
12話の中で上手くまとまってるエンターテインメントな良作。
第4位
とある科学の超電磁砲レールガンT
4位はコロナの影響で変則的となった冬春夏放送実質2クールアニメの「 とある科学の超電磁砲レールガンT」。
「とある魔術の禁書目録」外伝にあたる「とある科学の超電磁砲レールガン」の3期。
1期2期を視聴してる事が前提になるけれども、相変わらずの安定した面白さ。
難解で視聴が苦痛なレベルのゴミくずだった「とある魔術の禁書目録」の3期や、イマイチ盛り上がれなかった「とある科学の一方通行」での視聴者の鬱憤を思いっきり晴らしてくれた感じ。
定番である美琴と黒子の絡みは少なかったけど、それを補って余るくらいに美琴と食蜂の絡みや、新たに出てきたキャラとの絡みが最高に笑えた。
特にドリームランカー編のギャグへの全振り加減が凄まじく、事件とか起きなくても「常盤台中学の日常」って内容で十分にいけるのではないだろうか。
初春が怪我をしてる理由とか、佐天さんとフレンダの最後とか、暗部組織スカベンジャーの登場とか、一部「とある魔術の禁書目録」を知らないと「ん?」ってなる部分があるのが少し気になるけど、知らなくても十分話について行けるし、面白さも変わらない作りになっているので「まあいいか」という感じ。
ラストは珍しく仲間が集合して主題歌が流れるなか敵を倒して大団円っていう王道の流れではなかったけど、熱い部分はしっかり熱く、ギャグに振る所はしっかり笑わせ、最高の出来だったのではないだろうか。
第3位
虚構推理
3位は冬アニメの「虚構推理」。
怪異たちの知恵を司る神となった少女と、不死身の男性の2人を中心に繰り広げられる小説原作のミステリ作品。
推理ものっぽいけど実際は推理ものではなく、推論から虚構を組み立てて相手を納得させる話で真相はどうでもよい。
なるほど、だから虚構推理なのね。
押せ押せな琴子と嫌々な九朗の会話が、化物語の暦とガハラさんのような会話劇で毎回楽しめる。
いいカップルだ。
すごく面白いんだけど、鋼人七瀬の話がちょっと長すぎたかな?という印象。
毎週「どうなるんだろう?」と楽しみに見るんだけど、あまり話が進まないので、もう少し鋼人七瀬の話し短くして、他の短編を入れて欲しかったかな。まあ、難しいんだろうけど。
あまり何も起きない作品なんだけど、毎回「次回どうなるんだ?」って所で上手にEDに入る演出は素晴らしかった。
第2位
GREAT PRETENDER
2位は夏秋2クールアニメ「GREAT PRETENDER」。
「コンフィデンスマンJP」などで知られる古沢良太が初めて脚本を手掛け、コンゲーム(信用詐欺)を題材としたストーリーが描かれるオリジナル作品。
魅力的なキャラ、痛快なストーリー展開、鮮やかな背景画等エンターテインメントが詰まったアニメ。
毎回毎回騙し騙されな展開に目が離せず、最終的にターゲットがどのように騙されるのかワクワクが止まらない。
痛快なストーリー展開だけでなく、登場人物たちの過去にまつわる話を交え、ストーリーに深みを与えているのが流石という感じで素晴らしい。
ただ、個人的にちょっとエダマメは良い人に振り過ぎたかな~って印象で、詐欺師になり切れないエダマメの行動にイライラすることもあった。
ラストの大統領ネタはちょっと分かり難過ぎないか?(笑)
この内容ならアニメじゃなくて実写でもいいのでは?って感じがするけど、アニメ好きな人に向けて作った作品が多い中で、普段アニメを見ない人にも強く勧められる良作だった。
こういうオリジナル作品がもっと増えて欲しいと思う。
第1位
かぐや様は告らせたい? ~天才たちの恋愛頭脳戦~
1位は春放送の「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」。
高すぎるプライドが邪魔をして相手に告白できない男女が、相手に告白させるべく権謀術数の限りを尽くした頭脳戦を行う漫画原作の恋愛コメディ作品の2期。
1期よりもさらにパワーアップして面白いとは驚いた。
面白い原作をアニメスタッフが最高のエンターテインメントに昇華した作品。
素晴らしい!ありがとう!賞賛の言葉しか思い浮かばない。
ゲラゲラ笑えるギャグから感動で涙がでちゃうシリアスまで、この作品の幅広さは本当に凄い。
1期も凄かったが今回も更にセリフの発音やイントネーション、言い回し等の表現力が凄く、スタッフのこだわりと声優の演技力を感じた。
そして色々とギリギリを攻めた昭和世代には懐かしすぎるBGMの数々は今回も健在で盛り上がる。
1期3話EDみたいな飛び道具的な仕掛けは無かったけれども、そんなの必要ない位に中身が面白かった。
天才たちの恋愛頭脳戦の文字が消えたが・・・かぐや様かなりアホ化してたなぁ(褒め言葉)